先頭の数字だけを知りたい……常用対数の小数部分の使いみち
の先頭の数字は です。 桁ある数の、いちばん上の位だけが分かります。
。整数部分の が桁を、小数部分の が先頭を決めます[1]。
なので、 あたり。先頭は です。
桁と先頭を分けて受け持つ
どんな正の数も、 以上 未満の数と の累乗の積で書けます。
前の数が数字の並び、後ろが小数点の位置。対数をとると、この 2 つがきれいに分かれます[1]。
。小数部分が 、整数部分が です。
先頭の数字を決める区間
小数部分を とすると、先頭の数字は の整数部分です。 なので、。
が 以上 未満なら先頭は 、 以上 未満なら 。境目は 、 という値そのものです。

区間の幅は左ほど広くなります。 の区間は 、 の区間は しかない。
| 先頭の数字 | 小数部分の下限 | 小数部分の上限 |
|---|---|---|
| 1 | 0.0000 | 0.3010 |
| 2 | 0.3010 | 0.4771 |
| 5 | 0.6990 | 0.7782 |
| 9 | 0.9542 | 1.0000 |
手順
指数を対数の値に掛ける
整数部分と小数部分に分ける
小数部分がどの区間に入るかを読む
整数部分に を足せば桁数、小数部分の区間が先頭の数字[2]。1 回の計算で 2 つとも出ます。
例:
です。
整数部分は なので、桁数は 桁。小数部分は 。
なので、この区間は 。先頭の数字は です。
を計算しても同じ結論。実際の と合っています。
例:
です。
。整数部分が なので 桁になります。
小数部分は で、 より小さい。先頭の数字は です。
なので、 あたり。実際は 。
例:先頭 2 桁まで出す
の上 2 桁を求めます。 で、小数部分は 。
を評価します。、 です。
なので、。上 2 桁は です。
実際の で、上 2 桁は 。 桁目まで出したければ、区間をさらに細かく切ります。
先頭 1 桁なら から の 9 個で足りますが、2 桁目まで出すには から までの値が要ります。
必要な精度は、常用対数の値をどこまで持っているかで決まる。表の桁数が答えの桁数を縛ります。
例:小さい数の先頭
の先頭の数字を出します。 です。
。このままでは小数部分が読めません。
整数部分を切り下げて 、残りを小数部分にします。。
小数部分の は と のあいだなので、先頭の数字は 。実際は です。
負の値では、整数部分を小さいほうへ切り下げる。ここを間違えると先頭が 1 つずれます。
例:積や商の先頭
の先頭を出します。対数にすると足し算です。
。
整数部分は で 桁。小数部分の は と のあいだなので、先頭は 。
積を計算せずに答えが出ました。桁が大きくなるほど、この手順の得が大きくなります。
例:
とします。 です。
整数部分は で、桁数は 桁。小数部分の は より小さい。
先頭の数字は です。実際の と合っています。
例:底を分解する
を求めます。 は表になくても、 から作れます。
です[4]。
。整数部分が なので 桁になります。
小数部分の は と のあいだ。先頭の数字は で、実際は です。
底を素因数分解しておくと、 と の 2 つだけで多くの問題が解けます。
例:先頭が 1 になる指数
の先頭が になるのは、 の小数部分が より小さいときです。
なら で小数部分は 。 で先頭は 。
なら で小数部分は 。 で、やはり です。
、、 でも同じ。、、 と、どれも で始まります。
小数部分は が 増えるごとに ずつ進み、 を超えたら戻る。この歩みが区間のどこに落ちるかで先頭が決まります。
先頭が 1 になりやすい
区間の幅の話には続きがあります。実際に集めた数値でも、先頭が である割合が パーセントほどになる[3]。
先頭が になる割合は で、 なら パーセント、 なら パーセント。
対数の小数部分が から に一様に散らばるとき、この割合が出ます。区間の幅がそのまま確率になる。
ベンフォードの法則と呼ばれ、会計の不正検出などにも使われています。
先頭の数字は周期では戻らない
の先頭を から追うと、、、、、、、、、、 と並びます。同じ並びが繰り返すことはありません。
理由は が無理数だからです。小数部分は が 増えるごとに ずつ進み、 を超えたところで戻る。
進む幅が有理数なら、いつかもとの位置にぴったり重なって周期ができます。無理数なら二度と同じ点を踏みません。
そのかわり、小数部分は から のあいだにまんべんなく散らばっていきます。先頭の数字の割合が区間の幅に近づくのは、この散らばり方によります[3]。
、 とします。 の最高位の数字はどれですか。
小さい数の場合も確かめます。
とします。 の最初に現れる でない数字はどれですか。
なので 倍して 。 と分けると、小数部分の は と のあいだ。したがって です。











40×0.3010=12.04 です。小数部分の 0.04 は 0.3010 より小さいので、先頭の数字は 1 になります。桁数は 13 桁です。