ベクトルで三角形の内部の点を表す(面積比と 2 直線の交点)
三角形 の中に引いた 2 本の線分が交わる点を求めます。、 と置く。
交点は 2 本の線分のどちらにも乗っているため、同じ点を 2 通りに書けます。書き方が 2 つあるなら、それを等号で結んで係数を比べられる。
と が一次独立なら、同じ点の表し方は 1 通りしかありません。だから 2 つの式の の係数どうし、 の係数どうしが等しくなる。
未知数を 2 つ置いて、それぞれの線分の上の点として書く
2 つの式を等号で結んで係数を比べる
実数の連立方程式を解く
未知数は 2 つ、式も 2 つ。数が釣り合うので必ず解けます。
例:線分 AD と BC の交点
三角形 で、辺 を に内分する点を 、辺 の中点を とします。線分 と の交点を と置く。
、 です。 が 上にあるとして と置きます。
は 上にもあるので、 と置けば別の形にも書ける。
例:係数を比べて連立を解く
の係数から 、 の係数から 。
下の式を に直し、上へ入れる。
、 になりました。
、 です。もう一方の式に を入れても同じ答えになるので、そこで検算できます。

例:中線どうしの交点
同じ手順で重心も求められる。辺 の中点を 、辺 の中点を とし、 と の交点を とする。
と の 2 通りです。
係数を比べると と 。解けば 。
これが重心の位置ベクトルです。 から、中線が に分かれることも同時に読める。
面積比は係数の比と一致する
点 が三角形 の内部にあり、正の数 、、 について次が成り立つとします。
このとき、3 つの小さい三角形の面積比が係数の比と一致します。
向かい合わせに読むところが要点です。 の係数 に対応するのは、 を含まない のほう。

始点を に移すと、位置ベクトルは重みつきの平均になります。
例:係数から面積比を読む
なら、係数は 、、。
面積比は です。全体を と見ると、それぞれ 、、 にあたる。
位置ベクトルは 。
例:面積比から係数を読む
逆向きにもたどれます。 という条件なら、係数がそのまま 、、。
位置ベクトルは 。面積という図形の条件が、ベクトルの等式 1 つに置きかわりました。
例:重心はすべての係数が 1 の場合
重心 では が成り立ちます。係数はどれも 。
面積比は で、3 つの小さい三角形の面積が等しくなる。中線が三角形を面積で 3 等分することの言いかえです。
位置ベクトルも で、重みが等しい平均になる。
例:延長して対辺と交わる点
のもとで、 の延長と の交点を とします。
を始点にとると で、係数の和は 。
は直線 上にあるため、係数の和が になるまで伸ばします。

、。係数の和を に直す操作が、そのまま延長にあたります。
例:交点の答えから面積比を読む
さきほど求めた交点は でした。 にあたる係数は 。
3 つの係数は 、、 で、比は です。
になる。交点を求めたあと、そのまま面積比まで読めます。
未知数 2 つで 2 通りに書き、係数を比べる。答えは位置ベクトル
の係数を読む。答えは比
問題文が「交点を求めよ」なら前者、「面積比を求めよ」なら後者。どちらも係数を読む作業に落ちます。
のとき、 と の面積比はどれですか。
まちがえやすいところ
向かい合わせの対応を、順番どおりに読んでしまう形がいちばん多い。 の係数は ではなく、 を含まない に対応します。
交点の問題では、未知数を 1 つで済ませようとすると立式できません。2 通りに書くから 2 つ置く。
答案では、係数を比べる前に「 と は一次独立」と 1 行断ります。ここがないと、係数を比べてよい理由が書かれていないことになる。
同じ点を 2 通りに書く。係数を読む。この 2 つだけで、交点も面積比も決まります。












係数の和は 2+3+1=6 で、△PBC に対応するのは PA の係数 2 です。よって △PBC:△ABC=2:6=1:3 になります。向かい合わせに読まずに PB の係数 3 を当てると、答えがずれます。