角の二等分線と内心の位置ベクトル〜単位ベクトルの和が向きを決める
、 のとき、 を二等分する向きは です。
では二等分しません。長さが違うと、平行四辺形の対角線は長いほうへ寄ってしまう。
長さを にそろえてから足します。単位ベクトル 2 本でできる平行四辺形は菱形なので、対角線がちょうど角を半分に切る。
単位ベクトルの和が向きを決める
と の単位ベクトルを 、 とします。
この 2 本を辺とする平行四辺形は、隣り合う辺の長さがどちらも 。つまり菱形です。

菱形の対角線は頂点の角を二等分します。だから が二等分線の向きになる。
二等分線上の点 は、実数 を使って次のように書けます。
例:二等分線の向きを求める
、 とします。単位ベクトルは と 。
分母の は向きに関係しません。向きだけでよければ と答える。係数が長さの逆になっているところが特徴。
例:長さをそろえないとずれる
同じ 、 で を考える。これも平行四辺形の対角線ですが、菱形ではありません。
のほうが長いため、対角線は の側へ寄る。角は半分になりません。
が二等分線になるのは のときだけ。長さが等しいと平行四辺形が菱形になるからです。
角の二等分線と対辺の比
三角形 で、 の二等分線が辺 と交わる点を とします。このとき が成り立つ。
辺の長さを 、、 と書けば です。

単位ベクトルの和で二等分線の向きを決める
その向きと直線 BC の交点として D を決める
内分の比 c : b を読む
例:D の位置ベクトルを求める
を始点にとります。 は を に内分するので、重みが入れかわった形になる。
単位ベクトルの側からも確かめられる。二等分線の向きは 。
分子が同じ形なので、向きも一致する。2 通りの道が同じ点を指しています。
例:辺の長さが与えられたとき
、、 の三角形で を求める。、 です。
だから 、。
係数の和が になっていることも確かめられます。 が直線 上にある証拠です。
内心の位置ベクトル
3 本の内角の二等分線は 1 点で交わります。その点が内心で、3 辺から等しい距離にある。
内心 の位置ベクトルは、向かい合う辺の長さを重みにした平均になる。
重みが「その頂点の向かいの辺の長さ」であるところが要点。頂点 の重みは の長さ です。
を始点にとれば となり、覚える形が 1 つ減る。
例:座標で内心を求める
、、 の直角三角形で内心を求めます。、、。

内接円の半径も で、 軸と 軸の両方に接しています。 が直角だから二等分線は直線 で、内心がその上に乗っていることも読める。
例:内心を AD 上の点として読む
を で書き直します。 でした。
は線分 を に内分する点です。、、 なら 。
例:外角の二等分線
内角ではなく外角を二等分する向きは、単位ベクトルの差になる。 が、その向き。
菱形の 2 本の対角線は直交するため、内角の二等分線と外角の二等分線は垂直になります。、 なら、外角の向きは 。
例:係数の和から内心の位置を読む
の係数の和は で、 より小さい。
和が なら点は辺 の上、 を超えると三角形の外側に来ます。 より小さいから、内心はかならず内部にある。
三角形の内部にあることが、係数の和を見るだけで決まりました。
向きだけがほしいときに速い。長さを にそろえて足す
上の点として書きたいときに使う。重みは向かいの辺の長さ
「二等分線の方向ベクトルを求めよ」なら前者、「交点の位置ベクトルを求めよ」なら後者。問われている形で選びます。
、、 の三角形で、 の二等分線と の交点を とします。 の長さはどれですか。
まちがえやすいところ
をそのまま二等分線の向きにする形が、いちばん多い誤りです。長さを にそろえてから足します。
内分の重みも入れかわります。 を に内分する点なら、重みは と の順。内心の重みも、その頂点の隣ではなく向かいの辺の長さです。
長さを にそろえてから足す。この 1 つの操作が、二等分線にも内心にもつながっています。












BD:DC=AB:AC=5:3 なので、BD=6×85=415 です。比を逆にとると 49 になります。BC の中点と見ると 3 ですが、二等分線が対辺の中点を通るのは AB=AC のときだけ。