四面体の性質をベクトルで証明する、向かい合う辺の垂直と中線の交点
四面体で向かい合う 2 組の辺が垂直なら、残る 1 組もかならず垂直になります。証明に使うのは展開 1 回。
を始点にとって、次の和を作ります。
展開するとすべての項が打ち消し合って になります。3 つのうち 2 つが なら、3 つ目も 。

四面体の定理は、たいていこの調子で片づきます。図に補助線を引くのではなく、位置ベクトルで書いて展開する。
証明の型は 1 つ
四面体の証明でも、始点を 1 つ決めて位置ベクトルで書く手順は変わりません。
長さや垂直が絡めば 2 乗して内積に直し、比や平行が絡めば実数倍の形にそろえる。あとは展開して見比べます。
始点は、いちばん多くの辺が集まる頂点にとると項が減る。 を始点にすれば 、、 の 3 本ですべてを書けます。
例:向かい合う辺の垂直
を始点にとり、、、 とします。
、、 です。3 つの内積を足す。
6 つの項が 2 つずつ打ち消し合いました。だから 3 つの内積の和は、どんな四面体でも です。
2 組が垂直なら、その 2 つの内積が 。残る 1 つも になり、3 組目も垂直になります。
例:正四面体では 3 組とも垂直
1 辺 の正四面体で を始点にとる。 で、どの 2 本のなす角も です。
内積はどれも 。
向かい合う辺が垂直になりました。ほかの 2 組も同じ計算です。
例:正四面体の対辺のなす角
いまの計算から、 と のなす角は です。
隣り合う辺、たとえば と なら内積が で、 から 。
正四面体に現れる角は と の 2 種類です。隣り合うか向かい合うかで決まります。
例:向かい合う辺の中点を結ぶ線分
辺 の中点を 、辺 の中点を とします。 を始点にとる。

、 です。 の中点を計算します。
四面体の重心そのものになりました。向かい合う辺の組は 3 通りあるので、3 本の線分がすべて重心を通り、そこで二等分される。
対称な式を作って、真ん中で割る。それだけの計算になっています。
例:4 本の中線が 1 点で交わる
面 の重心を とすると です。線分 を に内分する点を計算します。
どの頂点から始めても同じ式になります。 と残り 3 つの立場が対称だからです。
4 本の中線がすべて重心を通り、 に分けられる。式の対称性が、そのまま定理になっています。
例:面の重心を結んでできる四面体
4 つの面の重心を頂点とする四面体を考えます。面 の重心が 、面 の重心が 。

です。
の 倍。どの 2 つの面の重心をとっても、同じ形になります。
もとの四面体と相似で、比は 。向きは反対になります。共通する項が消えて差だけが残る、という計算の型が効いている。
例:長さが絡む証明
四面体 で 、、 が成り立つとします。向かい合う辺の長さが 3 組ともそろっている形です。
を始点にとると 、、。すべて 2 乗します。
1 つ目から 。3 つとも同じように書き、足したり引いたりして内積を求めます。
長さの条件は 2 乗して内積へ、垂直の条件はそのまま内積へ。どちらも同じ場所に落ちるので、混ぜて使えます。
内積を と置く。展開して打ち消し合う項を探す
2 乗して内積に直す。同じ形の式を 3 つ並べて足し引きする
四面体で と が成り立つとき、 はいくつですか。
- 求まらない
- 四面体の形による
まちがえやすいところ
始点をあちこちに移すと項が増えます。 に固定して 、、 の 3 本だけで書き切るほうが、展開が短くなる。
内積の順番を入れかえてよいことを使わないと、打ち消し合いが見えません。 と は同じ値です。
長さの条件は、そのままでは展開できません。2 乗して内積に直してから並べます。
図に補助線を足す前に、位置ベクトルで書いて展開してみる。四面体の定理は、その 1 手でほとんど片づきます。












3 つの内積の和は、どんな四面体でも 0 になります。2 つが 0 なら、残る 1 つも 0。だから AD と BC も垂直です。