組分けの問題はなぜ最後に割るのですか|高校数学の場合の数
6 人を 3 人ずつ 2 組に分けます。 と書きたくなりますが、答えは 10 通り。
なぜ 2 で割るのか。ここを「そういう決まり」で済ませると、3 組に分ける問題や人数がそろわない問題で手が止まります。
組に名前があるかどうか
分かれ道はひとつだけです。組に名前が付いているか、付いていないか。
A 組と B 組のように名前があれば、どの人がどの組に入るかで別の分け方になります。名前がなければ、中身の顔ぶれが同じなら同じ分け方。
A 組と B 組、1 号室と 2 号室など。入れ替えると別の分け方になるので、割り算は要らない
ただ 2 つのグループに分ける場合。入れ替えても同じ分け方なので、その回数で割る
問題文に「A、B の 2 組に分ける」とあれば前者、「2 つの組に分ける」とあれば後者です。読み分けがそのまま計算の分かれ目になる。
例:4 人を 2 人ずつ 2 組に
小さい数で確かめます。A、B、C、D の 4 人を 2 人ずつ分ける。
名前が付いている場合、第 1 組に入る 2 人を選べば残りは自動で決まります。 通り。
名前がない場合は、書き出したほうが速い。、、 の 3 通りです。
6 と 3 の比が 2。第 1 組と第 2 組を入れ替えた 2 通りが、名前を消すと 1 つに重なるためです。

図の左が名前ありの 6 通り、右が名前なしの 3 通りです。線の集まり方が、そのまま割る数を表している。
6 人を 3 人ずつ 2 組に
同じ理屈を 6 人でたどります。名前がある場合、第 1 組の 3 人を選べば残りが決まる。
名前がない場合は、2 つの組を入れ替えた 2 通りが重なります。 通り。
名前を消した瞬間に 2 つが 1 つになる。この重なりの回数が、割る数の正体です。
割る数は「同じ人数の組」の個数で決まる
組の人数がすべて違えば、入れ替えても別の分け方になります。だから割りません。
同じ人数の組が 個あれば、その 個を入れ替えた 通りが重なります。その で割る。
同じ人数の組が何組かできるなら、そのまとまりごとに割り算が並びます。
まず名前がある前提で、組み合わせを掛けて数える
同じ人数の組が何個あるかを数える
その個数の階乗で割る
例:6 人を 2 人ずつ 3 組に
名前がある前提で数えます。順に 2 人ずつ選んでいく。
2 人の組が 3 つあるので、 で割ります。 通り。
例:6 人を 4 人、1 人、1 人に
同じ手順です。まず名前がある前提で計算する。
1 人の組が 2 つあるので で割ります。4 人の組は 1 つしかないので、そこは割らない。
通りになります。全部を で割ってしまうのが、いちばん多い誤りです。
例:6 人を 3 人、2 人、1 人に
人数がすべて違う場合です。
入れ替えても人数が合わないので、別の分け方のまま。割り算なしの 60 通りです。
人数がすべて違うときに で割ってしまうと、答えが 10 通りになって合いません。分数が整数にならない場合もあり、そこで気づけます。
60 を 6 で割ると 10 になるが、実際には 3 人の組と 2 人の組を入れ替えることはできない。
例:9 人を 3 人ずつ 3 組に
大きめの数でも手順は変わりません。
3 人の組が 3 つなので で割ります。 通り。
部屋割りは名前がある側
「1 号室と 2 号室に分かれる」という問題では、部屋に番号が付いています。これは名前がある側。
6 人が 1 号室と 2 号室に 3 人ずつ入る入り方は、割らずに 20 通りです。
同じ人数でも、部屋に番号があるかどうかで答えが 2 倍違う。問題文に番号や名前が出てきたら、そこに印を付ける。
| 分け方 | 名前あり | 名前なし |
|---|---|---|
| 6 人を 3、3 | 20 | 10 |
| 6 人を 2、2、2 | 90 | 15 |
| 6 人を 4、1、1 | 30 | 15 |
| 6 人を 3、2、1 | 60 | 60 |
表の最終行だけ値が同じです。人数がすべて違うので、名前の有無が効かない。
人数を指定しない分け方
「6 人を 2 つの組に分ける。人数は問わない」という形もあります。空の組は認めないとする。
1 人ずつどちらの組に入るかを決めると 通り。ただし全員が片方に寄る 2 通りは、組が 1 つしかできないので除きます。
名前がある前提で 通り。名前がなければ入れ替えで 2 つずつ重なるので、 通りです。
例:3 つの部屋に空室なしで入る
6 人を 1 号室、2 号室、3 号室に入れます。どの部屋も 1 人以上とする。
制限なしなら 通り。ここから空室のある入り方を引きます。
特定の 1 部屋が空になるのは 通りで、そういう部屋の選び方が 3 通りなので 。ただし 2 部屋が空になる場合を引きすぎているので、 を足し戻す。
540 通りです。部屋の番号を消せば 通りになります。
空を認めるかどうかで別問題になる
同じ「3 つに分ける」でも、空を認めるかどうかで数え方が変わります。
空を認めないほうが自然な日本語ですが、問題文に「1 人以上」と書かれているか確かめる。書かれていなければ、どちらの解釈でも通るように断り書きを添えます。
8 人を 4 人ずつ 2 つの組に分ける分け方は何通りですか。組に名前は付いていません。
- 70 通り
- 35 通り
- 28 通り
一般の分け方の個数
人を、名前のない 組に空なしで分ける総数には名前が付いています。第 2 種スターリング数といい、記号は と書く[1]。
先ほどの 6 人を 3 組に分ける 90 通りは にあたります。組の数を問わず全部を足した値はベル数と呼ばれ、 なら 203 通り[3]。
高校の範囲では、この一般式そのものは使いません。ただ、個別の問題で出した値がどこにつながるかを知っておくと見通しがよくなる。
確かめ方
答えが正しいか不安なときは、人数を減らして書き出します。
4 人を 2 人ずつ 2 組に分けるのは 3 通りでした。同じ手順を当てて となれば、手順のほうは合っている。
割り算の結果が整数にならなければ、その時点で誤りです。組み合わせの数は必ず整数になる。
よくある誤り
判断はいつも同じ 2 段です。名前があるか、同じ人数の組がいくつあるか。ここだけ押さえれば、人数が増えても手順は変わりません。
参考文献
[1] が名前のない組への分け方の一般論、[2] と [3] が分割の総数、[4] は各国語での定義、[5] は玉と箱の形で 12 通りに整理した表です。










第 1 組の 4 人を選ぶと 8C4=70 通りですが、2 つの組を入れ替えたものが重なります。2 で割って 35 通り。70 は名前が付いている場合の答えです。