集合の要素の個数を数える|個数定理とベン図の使い方
40 人のクラスで、数学が好きな人が 25 人、英語が好きな人が 18 人。両方好きな人は何人いるか。
この形の問題は、要素の個数を集合の記号で書き、ベン図に写すと片づきます。数え上げの道具というより、整理の道具です。
集合の要素の個数
有限集合 に含まれる要素の個数を と書きます。空集合なら 。
2 つの集合が重ならないとき、和集合の個数は足し算になります。共通部分が空のときに限る。
重なりがあるときは、そのぶんを引きます。これが個数定理です[1]。
なぜ引くのか
と を足すと、両方に入っている要素を 2 回数えています。1 回ぶんを返す必要がある。
冒頭の問題を解きます。全員が数学か英語のどちらかを好きだとすると、。
人です。 が 40 を 3 だけ超えていて、その超過が重なりにあたる。
補集合の個数
全体集合を とし、 に入らない要素の集合を と書きます。
「〜でない」「少なくとも」と書かれた問題では、この式が近道になります。
ド・モルガンの法則を使うと、両方に入らない個数も出せる。
例:どちらでもない人を数える
40 人のクラスで、数学が好きな人が 25 人、英語が好きな人が 18 人、両方好きな人が 10 人とします。
まず和集合を出します。 人。
どちらも好きでない人は 人です。全体から和集合を引くだけ。
4 つの区画に分けて考える
2 つの集合があると、全体は 4 つの区画に分かれます。両方、 だけ、 だけ、どちらでもない。
表に書くと、行と列の合計から空欄が埋まります。ベン図より計算しやすい場面が多い。
分かっている数を書き込んで、行と列の合計で残りを出す。連立方程式を立てなくても片づきます。
重なり方が目で見える。集合が 2 つや 3 つで、位置関係を確かめたいとき
行と列の合計から空欄が埋まる。条件が「〜であり、かつ〜」の形で並ぶとき
3 つの集合の場合
集合が 3 つになると、引きすぎたぶんを足し戻します[2]。
3 つすべてに入る要素は、前半で 3 回足され、真ん中で 3 回引かれて 0 回になっています。だから最後に 1 回足す。
例:3 つの部活
50 人の生徒に、野球、サッカー、テニスの経験をたずねました。
野球が 28 人、サッカーが 22 人、テニスが 15 人。野球とサッカーの両方が 12 人、サッカーとテニスが 8 人、テニスと野球が 7 人。3 つとも経験があるのは 4 人。
少なくとも 1 つ経験がある人が 42 人。どれも経験がない人は 人です。
例:区画ごとに出す
同じ問題で、野球だけを経験した人を数えます。
野球の 28 人から、サッカーとの重なり 12 人とテニスとの重なり 7 人を引く。ただし 3 つとも経験がある 4 人を 2 回引いているので、1 回足し戻します。
13 人です。同じ手順でサッカーだけが 6 人、テニスだけが 4 人。
| 区画 | 計算 | 人数 |
|---|---|---|
| 野球だけ | 28 引く 12 引く 7 足す 4 | 13 |
| サッカーだけ | 22 引く 12 引く 8 足す 4 | 6 |
| テニスだけ | 15 引く 8 引く 7 足す 4 | 4 |
3 つのうち 2 つだけの区画は、、、。全部を足すと で、和集合と合いました。
例:倍数の個数
から までの整数で、6 の倍数または 8 の倍数を数えます。
6 の倍数は の商で 33 個、8 の倍数は 25 個。両方に入るのは 6 と 8 の最小公倍数 24 の倍数で、8 個。
50 個です。重なりを「 の倍数」としないよう気をつけます。使うのは最小公倍数のほう。
重なりを求めるとき、最小公倍数を使います。 と の共通の倍数は の倍数であって、 の倍数ではない。
の倍数だけを数えると 4 個になり、重なりを半分しか引けていない。
検算のしかた
区画ごとの人数を全部足して、全体に戻るかを確かめます。合わなければどこかが誤っている。
負の数が出たときも誤りの合図です。人数が負になることはありません。
が や を超えていないかも見ます。重なりは、どちらの集合より大きくならない。
分かっている数を書き込む
区画ごとの数を出す
全部足して全体に戻るか確かめる
60 人のうち、犬を飼っている人が 32 人、猫を飼っている人が 25 人、どちらも飼っていない人が 15 人です。両方飼っている人は何人ですか。
- 7 人
- 12 人
- 18 人
よくある誤り
区画に分けて数を埋め、最後に合計が全体に戻るかを見る。この 2 手順で、たいていの問題は片づきます。
参考文献
[1] と [2] が個数定理と 3 つ以上への拡張、[3] と [4] が各国語での定式化、[5] が足し算が成り立つ条件です。











少なくとも一方を飼っているのは 60−15=45 人。個数定理から 32+25−45=12 人です。7 人と答えるのは、全体の 60 をそのまま和集合として使った場合になります。