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nCr はなぜ nPr を割った形なのか?選ぶと並べるの違い

5 人から 3 人を選んで並べると 60 通り。選ぶだけなら 10 通りです。差は 6 倍で、これは にあたる。

並べる数を、並べ方の数で割る。この 1 回の割り算が、順列と組合せを分けています。

選ぶことと並べることを分ける

を書き出すと、同じ 3 人組が何度も現れます。

A、B、C の 3 人を選んだ場合を拾うと、ABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBA の 6 通り。どれも顔ぶれは同じです。

選ぶだけなら、この 6 通りを 1 つと数えたい。だから で割る。

図の左が並べ方、右が組です。どの組にも並べ方が 通りずつぶら下がっている。

重なる回数がどの組でも同じ 6 なので、一律に割れます。ここがそろっていないと割り算は使えません。

組合せの公式

個から 個を選ぶ選び方の総数を と書きます[1]。

分母の が選んだものの並べ替え、 が選ばなかったものの並べ替えにあたる。両方を割り落としています。

例:5 から 3 を選ぶ

分子は の 3 個の積、分母は です。掛ける個数がそろっている点に注目する。

書き出しても確かめられます。ABC、ABD、ABE、ACD、ACE、ADE、BCD、BCE、BDE、CDE の 10 個。

計算のしかた

分子は から 1 ずつ下げて 個、分母は から 1 ずつ下げて 個。上下の個数が必ずそろいます。

先に約分すると軽くなる。、 と崩してから掛けます。

分子に n から r 個ぶんの積を書く

分母に r の階乗を書く

掛ける前に約分する

選ばないほうを数えても同じ

個から 8 個を選ぶのは、選ばない 2 個を決めるのと同じことです。

一般に が成り立ちます[1]。公式の分母が という対称な形をしているので、 と を入れかえても値が変わらない。

計算では、小さいほうに直してから進めます。 は と読み替える。

選ぶ側と残す側は、いつでも 1 対 1 に対応します。だから個数が等しい。

例:くじを引く

10 本のくじから 3 本を引きます。引く順序を気にしないなら 通り。

順序を気にするなら 通りです。 で、 ぶんの差になっている。

問題文に「同時に」「まとめて」とあれば組合せ、「1 本ずつ順に」で並びが意味を持つなら順列。ここで読み分けます。

順列を使う場面

選んだあとの順序が答えを変える。席順、役職、桁の位など

組合せを使う場面

顔ぶれだけが問題になる。選ぶ人、選ぶ品物、引くくじなど

例:委員の選び方

10 人から 3 人の委員を選びます。役職がなければ 通り。

委員長、副委員長、書記と役職が付くなら、順序が意味を持ちます。 通り。

同じ 3 人でも、誰がどの役かで別の結果になる。役職の有無だけで答えが 6 倍変わります。

例:組合せから順列を組み立てる

順列を、選んでから並べる 2 段に分けても同じ値になります。

人から 3 人を選んで 通り、その 3 人を並べて 通り。

で、 と一致しました。次の関係が成り立っている。

例:特定のものを含む選び方

8 人から 3 人を選びます。A を必ず含む選び方はいくつか。

A は決まっているので、残り 2 人を A 以外の 7 人から選ぶ。 通りです。

A を含まない選び方は 通り。足すと になり、全体に戻ります。

この分け方が、二項係数の基本の等式にあたる。

特定の 1 人を含むか含まないかで分ける。パスカルの三角形で上の 2 数を足す規則が、この式です[1]。

この等式は式変形でも示せますが、含むか含まないかで分けるほうが速い。数え方の言いかえだけで済みます。

左辺は全体、右辺の第 1 項は A を含む場合、第 2 項は A を含まない場合。同じものを 2 通りに数えている。

例:男女から選ぶ

男子 6 人、女子 4 人から 3 人を選びます。男子 2 人と女子 1 人になる選び方を数える。

男子の選び方が 通り、女子が 通り。掛けて 60 通りです。

「少なくとも 1 人は女子」なら、全体 から男子だけの を引いて 100 通り。

条件式値
男子 2 と女子 16 から 2、4 から 160
女子だけ 3 人4 から 34
少なくとも女子 1 人120 引く 20100

端の値

です。1 つも選ばない選び方が 1 通りある、という約束になります。

も同じ理由。全部選ぶ選び方は 1 通りしかありません。

で、これは 1 個ずつ選ぶだけ。どれも公式に を当てはめれば出ます。

12 人の中から 4 人の代表を選びます。役職の区別はありません。選び方は何通りですか。

  • 11880 通り
  • 495 通り
  • 48 通り
__RESULT__

通りです。11880 は順序まで区別した になります。

よくある誤り

選ぶだけの問題で を使う。順序が意味を持たないなら で割ります
分子と分母の個数をそろえない。どちらも 個の積になります
が大きいまま計算する。 に読み替えると軽くなります
役職の有無を読み落とす。役が付けば順序が意味を持ちます
を 0 とする。1 つも選ばない選び方が 1 通りあります
「少なくとも」を直接数える。全体から引くほうが短くなります
組合せと順列の関係を暗記に頼る。選んでから並べる 2 段に分ければ思い出せます

順序が答えを変えるかどうか。判断はこの一点だけです。変えないなら、並べ方のぶんで割る。

参考文献

[1] が組合せの定義と等式、[2] が順列との関係、[3] から [5] が各国語での公式のまとめです。

Combination - Wikipedia
Permutation - Wikipedia
Combinatoire - Wikipédia
Abzählende Kombinatorik - Wikipedia
排列 - 维基百科
5 人から 3 人を選んで並べると 60 通り、選ぶだけなら 10 通りです。差の 6 倍は 3 の階乗にあたります。同じ顔ぶれの並べ方が何通り重なるかを見れば、割り算の意味がそのまま見えてくる。この一点から公式を組み立て、選ぶ側と残す側が対応すること、特定の 1 人を含むかで分けるとパスカルの三角形の規則になることまで示しました。役職の有無で答えが 6 倍変わる例、男女から選ぶ例も並べています。