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隣り合わないように並べる - すき間に入れるという発想

「隣り合う」と指定されたら、その 2 人を 1 つの塊とみなして並べます。逆に「隣り合わない」と言われたら、塊を作る手が使えない。

そこで発想を裏返します。関係のないものを先に並べてしまい、できたすき間へあとから入れる。これがすき間法です。

隣り合う場合はまとめる

比較のために、まず隣り合う側を確かめます。5 人が一列に並び、A と B が隣り合う並び方を数える。

A と B を 1 つの塊と見ると、塊 1 つと残り 3 人で 4 つのものを並べることになります。 通り。

塊の中で A と B が入れ替わるので、さらに 倍。 通りになります。

2 人だけなら引き算で足りる

隣り合わない並び方は、全体から隣り合う場合を引けば出ます。

から 48 を引いて 72 通り。離れてほしいものが 2 つだけなら、この引き算がいちばん速い。

3 つ以上になると引き算が重い

離してほしいものが 3 つ以上あると、事情が変わります。「どれも隣り合わない」の反対は「少なくとも 1 組が隣り合う」で、そこには 2 組が隣り合う場合も含まれる。

そのまま引くと、二重に引いてしまいます。場合分けが枝分かれして、式が長くなる。

こういうときにすき間法が効きます。引き算をせず、最初から条件を満たす並びだけを作る方法です。

すき間法の手順

離す必要のないものを先に並べます。並べたものが 個あれば、両端を含めて か所のすき間ができる。

そのすき間に、離したいものを 1 つずつ入れていきます。同じすき間へ 2 つ入れなければ、入れたものは決して隣り合わない。

離さなくてよいものを先に並べる

両端を含めたすき間を数える

すき間から必要な数だけ選び、そこへ入れる

すき間は か所なので、入れるものが 個を超えると並べようがありません。ここが唯一の制限になる。

例:男子 4 人と女子 3 人

男子 4 人と女子 3 人が一列に並びます。女子がどの 2 人も隣り合わない並び方を数える。

まず男子 4 人を並べて 通り。男子の並びができると、両端を含めて 5 か所のすき間ができます。

5 か所のすき間から 3 か所を選び、そこへ女子 3 人を並べます。女子は区別するので、選ぶだけでなく順序も付く。

男子の並び 24 通りのどれについても女子の入れ方が 60 通りなので、掛けて 通り。

例:男子 3 人と女子 2 人で答え合わせ

離すものが 2 つの場合は、引き算とすき間法の両方が使えます。値が一致するか確かめる。

引き算で数えます。全体は 、女子が隣り合うのは で、差は 72 通り。

すき間法では、男子 3 人で 通り、すき間 4 か所に女子 2 人で 通り。

通りです。両方の道筋が同じ値になった。

例:すき間に入りきらない

男子 2 人と女子 4 人では、女子を全員離せません。

男子 2 人が作るすき間は 3 か所。そこへ女子 4 人を入れると、どこかのすき間に 2 人が入って隣り合います。

答えは 0 通りです。 を満たすかどうかを、計算の前に見ておく。

選ぶだけの場合

並べる順序を考えず、番号や席を選ぶだけの問題もあります。こちらは公式の形がすっきりします。

から までの番号から 個を、どの 2 つも連続しないように選ぶ。この選び方の総数は次の式になる[1]。

理由はすき間法と同じです。選ばない 個を先に並べると、すき間が か所できる。

そこから か所を選べば、選んだものはどれも連続しません。番号には順序がすでに付いているので、並べ替えは掛けない。

例:詰めて考える

から までから 3 個を、連続しないように選びます。

選んだ数を小さい順に とし、、、 に置きかえる。連続していた分の 1 と 2 を詰める操作です。

置きかえた 3 数は から までの中で、ただ大小の順に並ぶだけです。連続してはいけないという条件が消える。

逆向きの操作もできるので、両者はぴったり対応します。したがって答えは 通り。

公式の は、この にあたります。

例:1 から 15 まで 4 個

同じ式に当てはめます。、 なので 。

495 通りです。制限なしの と比べると、3 分の 1 ほどに減っている。

例:同じ色の玉

赤玉 5 個と白玉 3 個を一列に並べます。同じ色どうしは区別せず、白玉が隣り合わない並べ方を数える。

赤玉を先に置くと、すき間が 6 か所。そこから 3 か所を選ぶだけで並びが決まります。

白玉に区別がないので、順列ではなく組み合わせになる。人を並べる問題との違いはここだけです。

人を並べる

すき間を選んだあと、入れる人の順序も数える。 を掛ける

同じ玉を並べる

すき間を選んだ時点で並びが決まる。 で終わる

例:円形の席

円卓の 8 席から 3 席を、どの 2 席も隣り合わないように選びます。円では両端がつながるので、直線の公式はそのまま使えない。

特定の 1 席、たとえば 1 番の席を選ぶかどうかで分けます。

1 番を選ぶ場合、両隣の 2 番と 8 番は使えません。残るのは 3 番から 7 番までの 5 席が一列に並んだ形で、そこから 2 席を連続しないように選ぶ。 通り。

1 番を選ばない場合、2 番から 8 番までの 7 席が一列に並びます。そこから 3 席を連続しないように選んで 通り。

足して 16 通りです。円は 1 か所で切って直線に直すと扱えます。

円の問題で直線の公式をそのまま当てると、両端が隣り合っていることを見落とします。1 番と 8 番を同時に選んだ場合が混ざってしまう。

どこか 1 席を基準にして、選ぶ場合と選ばない場合に分ければ、切り口が固定されて直線に戻せる。

例:塊と離す条件が混ざる

数学の本 3 冊、英語の本 2 冊、国語の本 2 冊を並べます。数学の 3 冊は続けて置き、英語の 2 冊は隣り合わないようにする。

まず数学の 3 冊を 1 つの塊とみなします。塊 1 つと国語 2 冊で、3 つのものを並べて 通り。

この 3 つが作るすき間は 4 か所です。そこへ英語 2 冊を入れて 通り。

最後に塊の中で数学 3 冊を並べ替えて 通り。全部を掛けて 通りになります。

塊を作る操作と、すき間へ入れる操作は同時に使えます。順番としては、塊を作ってから並べ、そのあとすき間を数える。

例:少なくとも 2 つが隣り合う

「どれも隣り合わない」を数えられれば、その反対も出ます。

から までから 3 個を選ぶのは 通り。うち連続しないものが 56 通りでした。

少なくとも 1 組が連続するのは 通りです。難しく見える側を、易しい側から引く。

小さい場合で確かめる

公式を覚えたら、手で書ける大きさで検算します。、 で試す。

式は 通り。

書き出すと 、、 の 3 つ。 や は連続するので外れます。値が合った。

7 個の椅子が一列に並んでいます。どの 2 人も隣り合わないように 3 人が座る座り方は何通りですか。座る人は区別します。

  • 10 通り
  • 60 通り
  • 210 通り
__RESULT__

椅子の選び方は 通り。人を区別するので、3 人の並べ方 を掛けて 60 通りです。10 通りは椅子の選び方だけを答えた値になります。

よくある誤り

すき間を か所と数える。両端も使えるので か所です
入れるものが多すぎる場合を見落とす。 が を超えたら 0 通りになります
人を並べる問題で組み合わせのまま止める。入れる人が区別できるなら順列を掛けます
同じ玉の問題で順列を掛けてしまう。区別がないので選んだ時点で並びが決まります
円の問題に直線の公式を当てる。1 か所で切って場合分けします
3 つ以上を離す問題を引き算で処理しようとする。二重に引くので、すき間法に切り替えます
塊を作る問題とすき間法を別物だと思う。塊を作ってから、その並びのすき間を数えます

迷ったら、まず「先に並べるのはどれか」を決めます。そこさえ決まれば、あとは選ぶか並べるかの判断だけ。

参考文献

[1] が連続しない選び方の公式、[2] と [3] がすき間を使う数え方の一般形、[4] と [5] は各国語での基本公式のまとめです。

P. J. Cameron, *Enumerative Combinatorics 1: Subsets, Partitions, Permutations* (LTCC)
Stars and bars (combinatorics) - Wikipedia)
Combination - Wikipedia
Combinatoire - Wikipédia
Abzählende Kombinatorik - Wikipedia
隣り合う 2 人はまとめて 1 つと見ます。では隣り合わせたくないときはどうするか。関係のないものを先に並べ、できたすき間へあとから入れる。この手順を、男子 4 人と女子 3 人、赤玉と白玉、1 から 15 までの数の選び方、円卓の席、本棚の並べ方に当てました。連続しない選び方の公式が出てくる理由も、番号を詰める操作で示す。引き算で足りるのは離すものが 2 つまで、という線引きも扱います。