隣り合う領域は違う色にする|地図と円グラフの塗り分け
横に並んだ 4 つの領域を 3 色で塗り分けると 24 通り。同じ 4 領域でも、円形に並んでいれば 18 通りになります。
差は両端が接するかどうかだけ。塗り分けの問題は、どの領域とどの領域が隣り合うかを先に書き出せば片づきます。
塗る順を決めて 1 つずつ
塗り分けは、領域を 1 つずつ塗っていく作業です。塗るたびに、すでに塗った隣の色が選べなくなる。
隣り合う領域を違う色にすることを、正しい塗り分けといいます[1]。
塗る順を工夫すると、段ごとの選択肢の数がそろいます。そろえば掛け算で済む。
一列に並ぶ場合
領域が横一列に 個並び、隣どうしだけが接しているとします。 色で塗る。
左端は 通り。以降は直前と違えばよいので 通りずつです。
3 色で 4 領域なら 通り。4 色で 5 領域なら 通り[1]。
輪になると両端が接する
同じ 4 領域でも、円グラフのように輪になっていると、いちばん端どうしも隣り合います。
一列の値から、両端が同じ色になっている場合を引きます。両端が同じ色なら、その 2 つをまとめて 個の輪と見られる。
個の輪の通り数を とすると、次の関係になります。
3 色なら、三角形の から順に 、、。
閉じた式もあります[1]。
、 なら で合いました。
| 形 | 3 色 | 4 色 |
|---|---|---|
| 一列 4 領域 | 24 | 108 |
| 輪 4 領域 | 18 | 84 |
| 一列 5 領域 | 48 | 324 |
| 輪 5 領域 | 30 | 240 |
中心がある形
円を中心の 1 つと、そのまわりの扇形に分ける形もよく出ます。中心はすべての扇形と接しています。
中心を先に塗ります。 通り。残る扇形は、中心と違う色でなければならないので 色しか使えません。
外側の扇形どうしは輪になっているので、 色での輪の塗り分けになる。

例:中心と 3 つの扇形
4 色で、中心 1 つと外側 3 つを塗り分けます。
中心が 4 通り。外側の 3 つは互いに隣り合っていて、中心とも違う色でなければならない。残る 3 色を 3 つの扇形に並べる形です。
通りなので、 通り。
式でも確かめます。 で一致しました。
例:中心と 4 つの扇形
同じく 4 色で、外側が 4 つの場合。
通りです。
3 色だと外側に使えるのが 2 色だけになります。 通り。外側は 2 色を交互に置くしかない。
どの領域とどの領域が接しているかを書き出す
多くの領域と接している領域から先に塗る
残りが一列か輪かを見て式を選ぶ
例:田の字
正方形を 4 つに分けた形です。上下と左右は接しますが、対角は角で触れているだけなので接しません。
角だけで触れている領域は、隣り合うとは数えません[2]。だから 4 領域が輪になった形と同じになる。
3 色で 18 通り、4 色で 84 通りです。対角を隣り合うと誤ると、まったく違う答えになります。
角で触れているだけの領域を隣り合うと数えるかどうかで、答えが変わります。ふつうは数えません。
辺を共有していれば隣り合う。1 点だけで接している場合は、違う色にする必要がない。
例:色をすべて使う場合
「4 色すべてを使って塗り分ける」と指定されると、条件が 1 つ増えます。
一列 4 領域を 4 色すべてで塗るなら、4 領域に 4 色を 1 つずつ配ることになる。全部違う色なので、隣り合う条件は自動的に満たされます。
通りです。
一般には、使う色の数で場合分けして引き算します。4 色までで塗る 108 通りから、3 色以下で塗る場合を引く形になる。
3 色以下で塗るのは、色の選び方 通りに を掛けて 96。ただし 2 色以下を引きすぎているので足し戻します。
24 通りで、直接数えた値と合いました。
例:地図の形をした問題
県や国の形で出される問題も、接している組を書き出せば同じになります。
まず接する組を一覧にする。次に、いちばん多くの領域と接しているところから塗る。
接する数が最大の領域を後回しにすると、そこだけ選択肢が場合によって変わり、掛け算が崩れます。
何色あれば足りるか
平面の地図は、どんな形でも 4 色あれば塗り分けられます。1976 年にアッペルとハーケンが計算機を使って証明しました[2]。
ただし、角だけで接する領域を別の色にする必要はない、という約束のもとでの話です。この約束がないと、必要な色数はいくらでも増えます。
高校の問題で「何色必要か」を問われるのは、ごく小さい図に限られます。実際に塗ってみるのが速い。
輪ができない。 で押し切れる
両端が接する。引き算か閉じた式に切り替える
例:三角形を 4 つに分ける
大きい三角形を、中点を結んで 4 つの小三角形に分けます。真ん中の 1 つが、外側の 3 つすべてと接する形。
中心と 3 つの扇形の場合とまったく同じ構造です。4 色なら 24 通り、3 色なら 通り。
3 色では塗り分けられません。真ん中と外側 3 つで、互いに接する 4 領域ができているためです。
円を 5 つの扇形に等分し、隣り合う扇形を違う色にします。3 色で塗り分ける方法は何通りですか。
- 48 通り
- 30 通り
- 32 通り
よくある誤り
隣り合う組を書き出して、輪があるかどうかを見る。この 2 つで、使う式が決まります。
参考文献
[1] が正しい塗り分けと一列や輪の個数、[2] が 4 色定理と隣接の約束、[3] が塗り分けの個数を多項式で表す考え方、[4] と [5] が各国語での基本の数え方です。












輪の式から (3−1)5+(−1)5(3−1)=32−2=30 通りです。48 は一列に並べた 3×24 で、両端が接することを見落とした値になります。