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背の順だけは崩さない、順序が決まっているときの並べ方

6 人を一列に並べます。ただし A、B、C の 3 人は、この順に左から現れなければならない。並び方は 120 通りです。

を で割った値になっています。順序を 1 つに固定すると、その並べ替えのぶんだけ減る。

順序が決まっている人たちは並べ替えない

3 人の順序が指定されると、その 3 人の間では並べ方が 1 通りに縛られます。ふつうなら 通りあるところ。

残りの 3 人は自由なので、全体の並べ方も 6 分の 1 になります。

割るのは、指定された人数の階乗です。何人が指定されているかだけで決まる。

席を選ぶ形で数え直す

割り算を使わない道筋もあります。3 人が座る席を先に選んでしまう方法です。

6 席から A、B、C が座る 3 席を選びます。 通り。

選んだ 3 席に誰を座らせるかは、順序が決まっているので 1 通りしかありません。左から A、B、C と入れるだけ。

残る 3 席に、残る 3 人を並べて 通り。 通りです。

割り算の答えと一致しました。どちらの道でも同じ値に着く。

割り算で出す

全員を自由に並べてから、指定された人数の階乗で割る。式が短い

席を選んで出す

指定された人の席を先に選び、残りを並べる。なぜ割るのかが見える

例:背の順に並ぶ

7 人のうち、背の高い順が決まっている 4 人がいます。その 4 人が左から背の高い順に並ぶ並べ方はいくつか。

席を選ぶ形なら、 通りの席の選び方に、残り 3 人の並べ方 を掛けて 210 通り。

例:指定される組が 2 つある場合

8 人を並べます。A、B、C はこの順、D、E も この順に現れるとします。

指定は 2 組ありますが、割り算は続けて 2 回。A、B、C のぶんで 、D、E のぶんで で割ります。

2 つの組に共通の人がいないので、割り算はそれぞれ独立に効きます。

例:隣り合う指定と混ぜる

6 人を並べ、A、B、C はこの順に現れ、さらに D と E は隣り合うとします。

D と E を 1 つの塊とみなすと、並べるものは塊 1 つと A、B、C、F の 5 つ。 通り。

そのうち A、B、C の順序が正しいのは 6 分の 1 なので 通り。塊の中で D と E が入れ替わって 2 倍。

通りです。塊を作ってから割る、という順番になります。

塊があれば先にまとめる

まとめたものを全部並べる

順序が指定された人数の階乗で割る

順序が「決まっている」の意味

指定されるのは順序であって、位置ではありません。A、B、C が隣り合う必要はない。

人の並び は条件を満たします。A、B、C の間に他の人が入っていても、左から見た順番さえ合っていればよい。

例:一部だけをとり出す並べ方

10 人から 5 人を選んで並べます。その中に A、B が含まれるなら、A は B より左に来るとします。

まず A と B の両方を含む場合を数えます。残り 3 人を 8 人から選んで並べる形で、5 席のうち A と B の席を選んで 通り、残り 3 席に 8 人から 3 人を並べて 通り。 通り。

A と B の少なくとも一方を含まない場合は、順序の条件が効きません。全体 通りから、両方を含む場合を引く。

両方を含むのは、条件なしなら 通り。だから含まない場合は 通り。

合計は 通りです。全体から、A が B より右にある場合だけを引いた形にもなっている。

対称性で半分にする

2 人の順序が問われる問題は、割り算より対称性で考えるほうが速いことがあります。

A が B より左にある並びと、右にある並びは 1 対 1 に対応します。A と B を入れ替えれば移り合うため。

だから、条件を付けない並べ方のちょうど半分。 の並びなら 通りです。

3 人以上でも同じ理屈で、 通りの順序が均等に現れるので 6 分の 1 になります。

均等に分かれるのは、入れ替えても他の条件に触れないときだけです。順序以外の条件が絡むと崩れる。

たとえば A が端に固定されていると、A と B を入れ替えた並びは条件を外れる。半分にはならない。

例:同じものがある場合

赤玉 2 個、白玉 1 個、青玉 3 個を並べます。青玉は区別しないので、順序の指定は要りません。

同じものを含む順列として 通り。

順序の指定と、同じものを含む順列は、じつは同じ割り算をしています。区別しないことと、順序を固定することが同じ結果を生む。

区別できる 6 個を並べてから、赤 2 個の並べ替え と青 3 個の並べ替え で割る。指定された順序で割るのと形が変わりません。

条件割る数6 人の場合
3 人の順序を指定3 の階乗120
2 人の順序を指定2 の階乗360
3 人と 2 人を別々に指定3 の階乗かける 2 の階乗60

例:円形に並ぶ場合

6 人が円卓に座り、A、B、C が時計回りにこの順で座るとします。

円順列の総数は 通り。ここで割る数が直線と変わります。

円では回転を同じと見るので、3 人の巡回する順序は 通りしかありません。A から時計回りに読んで ABC か ACB のどちらかです。

そのうち 1 つを指定するので 通り。直線なら で割るところが、円では 2 で割る形になります。

7 人を一列に並べます。そのうち 3 人の並ぶ順序が決まっているとき、並び方は何通りですか。

  • 210 通り
  • 840 通り
  • 5040 通り
__RESULT__

通りです。5040 は条件を付けない 、210 は で、3 人だけを並べた値になります。

よくある誤り

指定された人数ではなく全体の階乗で割る。割るのは指定された人数の階乗です
順序の指定を「隣り合う」と読む。間に他の人が入っていても条件を満たします
2 組の指定があるときに片方だけ割る。組ごとに階乗で割ります
塊を作る条件と混ぜて順番を誤る。先に塊を作り、そのあと割ります
対称性で半分にできない場合に半分にする。ほかの条件が絡むと均等に分かれません
円でも で割ってしまう。円の 3 人の巡回順序は 2 通りなので、割る数は 2 です
同じものを含む順列と別物だと考える。どちらも同じ割り算です

順序を指定されたら、その人数の階乗で割る。理由が思い出せないときは、席を先に選ぶ形に書き直せば見えてきます。

参考文献

[1] が順列と多重集合の順列、[2] が組合せの公式、[3] が段ごとに掛ける数え方、[4] と [5] が各国語での整理です。

Permutation - Wikipedia
Combination - Wikipedia
Rule of product - Wikipedia
Combinatoire - Wikipédia
Abzählende Kombinatorik - Wikipedia
6 人のうち 3 人の並ぶ順序が決まっていると、720 通りが 120 通りに減ります。割るのは指定された人数の階乗。理由は、その 3 人の並べ方 6 通りのうち 1 つしか残らないからです。席を先に選ぶ形に書き直すと、なぜ割るのかが見えます。指定が 2 組ある場合、隣り合う条件と混ざる場合、円卓に座る場合で割る数がどう変わるかまで扱いました。順序の指定は隣り合うことを求めていない点も押さえます。