部分集合の個数と部屋割り〜重複順列が効く 2 つの場面
5 個の要素をもつ集合の部分集合は 32 個。6 人を 3 つの部屋に入れる入れ方は 729 通り。
どちらも と で、同じ形の計算です。ものを 1 つずつ見て、行き先を独立に決める。この形が重複順列にあたります。
1 つずつ行き先を決める
個のものがあり、それぞれに 通りの行き先があるとします。行き先どうしは干渉しません。
1 つ目に 通り、2 つ目にも 通り、と続くので、全体は を 回掛けた値になる。
これが重複順列の形です。 が肩に乗る点が、 や と大きく違います。
部分集合の個数
要素が 個の集合について、部分集合がいくつあるかを数えます。
要素を 1 つずつ見て、「入れる」か「入れない」かを決める。どの要素についても 2 通りで、他の要素の判断に左右されません[1]。
5 個なら 個。空集合とその集合自身も、部分集合として数に入ります。
大きさごとに数えても同じ
部分集合を、要素の個数で分類して足すこともできます。
個から 個を選ぶのが 通りなので、 を 0 から まで動かして足す。
なら で、 と一致します[1]。
同じものを 2 通りに数えたので、この等式が成り立ちます。二項定理で とした形にもなっている。
例:空集合を除く場合
「少なくとも 1 個を含む部分集合」なら、空集合を除きます。 個。
5 個の要素なら 個。「その集合自身を除く」なら、さらに 1 を引いて 30 個です。
問題文が真部分集合を求めているかどうかを確かめる。言葉の違いで 1 か 2 だけ変わります。
例:特定の要素を含む部分集合
の部分集合のうち、 を必ず含むものを数えます。
は「入れる」で固定なので、残る 4 個について 2 通りずつ。 個です。
を含み を含まないものなら、2 個が固定されて 個。固定した要素のぶんだけ指数が下がる。
どの要素も自由に選べる。2 の 乗
固定した要素は選択肢が 1 つ。残りの個数だけ肩に乗る
部屋割りは同じ形
人を 個の部屋に入れる問題も、1 人ずつ行き先を決める形です。
人を 1 人ずつ見て、どの部屋に入るかを 通りから選ぶ。他の人の行き先には左右されません。
6 人を 3 部屋に入れるなら 通り。人が肩ではなく、部屋の数が底に来る点に気をつけます。
人と部屋のどちらが底か
底と肩をとり違えると、まったく違う値になります。 と は別の数です。
判断の基準は、「1 つずつ行き先を決めるのはどちらか」。人が部屋を選ぶので、人の数が肩に乗る。

空室を認めない場合
「どの部屋にも 1 人以上」という条件が付くと、掛け算だけでは足りません。空室のある入れ方を引きます。
6 人を 3 部屋に空室なしで入れる場合。全体 から、ある 1 部屋が空になる 通りを 3 部屋ぶん引く。
2 部屋が空になる場合を引きすぎているので、 を足し戻します。
540 通りです。
まず制限なしで k の n 乗を出す
空になる部屋を選んで引く
引きすぎたぶんを足し戻す
例:4 人を 3 部屋へ
小さい数で確かめます。全体 通り。
1 部屋が空になるのが 通りで 3 部屋ぶんの 48。2 部屋が空になるのが 1 通りで 3 通りぶん。
通りです。
| 条件 | 式 | 6 人を 3 部屋 |
|---|---|---|
| 空室を認める | 3 の 6 乗 | 729 |
| 空室を認めない | 引き算で直す | 540 |
| 部屋に番号がない | 540 を 3 の階乗で割る | 90 |
部屋に番号がない場合は、部屋の入れ替え 通りが重なるので割ります。番号があるかどうかを問題文で確かめる。
例:区別しないものを配る
同じあめ玉 6 個を 3 人に配る場合は、 になりません。あめ玉に区別がないので、1 つずつ行き先を決める形にならない。
こちらは仕切りの方法で、 通り。配るものが区別できるかどうかで、まったく別の式になります。
が使えるのは、配るものを区別するときだけです。同じものを配るなら仕切りの方法に切り替える。
人を配るなら区別あり、同じ品物を配るなら区別なし。問題文の名詞を見れば判断できる。
例:写像の個数として読む
部屋割りは、 個の元から 個の元への写像の個数と同じです。行き先を 1 つずつ決めるので 個。
どの部屋にも 1 人以上、という条件は「全射」にあたります。1 人以下という条件なら「単射」で、 通り。
高校では写像という言葉を使わずに解きますが、同じ構造だと知っておくと見通しがよくなります。
例:旗を並べる
3 色の旗を 5 本立てます。同じ色を何本使ってもよく、立てる場所には順序があるとする。
1 本ずつ色を決めるので 通り。旗が肩、色が底です。
「3 色すべてを使う」なら空室なしと同じ形で、 通り。
例:試験の答案
正誤問題が 8 問あり、各問に丸かバツを書きます。答案の書き方は 通り。
「少なくとも 1 問は丸」なら 通り。部分集合の数え方とまったく同じ形です。
丸を付ける問題の集合を選ぶ、と読み替えれば部分集合そのものになる。
7 個の要素をもつ集合の部分集合のうち、特定の 2 個を必ず含むものは何個ですか。
- 128 個
- 32 個
- 21 個
よくある誤り
配るものを 1 つずつ見て、行き先が独立に決まるか。ここが を使ってよい合図になります。
参考文献
[1] が部分集合の個数と二項係数の和、[2] が重複順列の位置づけ、[3] が仕切りによる数え方、[4] が空室なしの処理、[5] が各国語での整理です。












2 個は「入れる」で固定なので、残る 5 個について 2 通りずつで 25=32 個です。128 は全体の 27、21 は 7C2 にあたります。