正多角形の頂点でつくる三角形 - 直角になるのはどんなときか
正十二角形の頂点から 3 点を選ぶと、三角形が 220 個できます。そのうち直角三角形が 60 個、鈍角三角形が 120 個、鋭角三角形が 40 個。
形の内訳は、頂点どうしの間隔だけで決まります。角度を測らずに、間隔を数えるだけで分類できる。
弧の大きさが角を決める
正多角形の頂点は、すべて 1 つの円周上に並んでいます。だから円周角の定理が使えます[1]。
円周角は、それが見込む弧に対する中心角の半分になる。弧が大きいほど、向かい合う角も大きくなります。
3 点を選ぶと、円周は 3 つの弧に分かれます。それぞれの弧が、向かい合う頂点の角に対応する。
間隔で書き表す
正 角形の頂点を円周に沿って番号で追い、選んだ 3 点の間隔を 、、 とします。
3 つの弧で円周を 1 周するので、次が成り立ちます。
正十二角形なら 。この 3 つ組を見れば、角度を計算しなくても形が分かります。
半円にあたるのは間隔 です。正十二角形なら 6。
向かい合う角は鋭角になる。間隔が 6 より小さい
向かい合う角は鈍角になる。間隔が 6 より大きい
間隔がちょうど 6 なら、向かい合う角は直角。3 つの間隔のうち最大のものを見れば、三角形の種類が決まります。
直角三角形
間隔がちょうど半円になるのは、2 点が直径の両端にあるときです。このとき残る 1 点から見た角が直角になる[2]。
タレスの定理と呼ばれる関係です。逆に、直角三角形の斜辺は必ず外接円の直径になります[3]。

例:正十二角形の直角三角形
直径は、向かい合う頂点を結んだ線です。12 個の頂点が 6 組の向かい合う対をつくるので、直径は 6 本。
直径を 1 本選ぶと、残る頂点は 個。そのどれを選んでも直角三角形になります。
60 個です。一般に が偶数のとき、直角三角形は 個。
が奇数なら、向かい合う頂点の組がありません。直径がとれないので、直角三角形は 0 個です。
例:正十角形と正九角形
正十角形なら直径が 5 本、残る点が 8 個で 個。
正九角形は頂点が奇数個なので、直角三角形は 1 つもできません。
| 正多角形 | 三角形の総数 | 直角三角形 |
|---|---|---|
| 正九角形 | 84 | 0 |
| 正十角形 | 120 | 40 |
| 正十二角形 | 220 | 60 |
鈍角三角形
鈍角になるのは、3 つの間隔のうち 1 つが半円より大きいときです。正十二角形なら、間隔が 7 以上のものがある場合。
このとき残る 2 つの間隔の和は 5 以下になります。つまり 3 点が、5 区間ぶんの狭い範囲に収まっている。
数え方はこうです。3 点のうち、その狭い範囲でいちばん手前にある点を基準にします。
基準の頂点を 12 通りから選び、そこから時計回りに 1 から 5 区間先の 5 個の頂点から 2 個を選ぶ。
120 個です。どの鈍角三角形も基準の頂点が 1 つに決まるので、二重に数えません。
鋭角三角形は引いて出す
鋭角三角形を直接数えるのは面倒です。全体から引きます。
40 個。3 つの間隔がすべて 5 以下になる場合にあたります。
全体を組合せで出す
直角を直径から数える
鈍角を狭い範囲に収まる形で数え、残りを鋭角とする
例:正十角形で分類する
総数は 個。直径が 5 本なので直角は 個。
鈍角は、間隔が 6 以上のものがある場合。残る 2 つの間隔の和は 4 以下です。
基準の頂点を 10 通り、そこから 1 から 4 区間先の 4 個から 2 個を選んで 通り。 個。
鋭角は 個です。
例:正九角形で分類する
総数は 個。直角は 0 個。
半円にあたる間隔は なので、鈍角になるのは間隔が 5 以上のとき。残る 2 つの和は 4 以下です。
個が鈍角。鋭角は 個になります。
奇数角形では直角がないぶん、鋭角と鈍角だけに分かれる。
二等辺三角形
2 つの辺が等しいのは、2 つの弧が等しいときです。間隔でいえば、、、 のうち 2 つが同じ値になる。
数え方は、等しい 2 辺が集まる頂点を先に決める形になります。その頂点を頂角と呼びます。
頂角の頂点を 通りから選び、そこから左右に同じ間隔 だけ離れた 2 点をとる。 は 1 から まで。
ただし正三角形は、どの頂点も頂角になるので 3 回数えています。あとで補正します。
正三角形を 3 回数えてしまうのは、3 つの頂点すべてが頂角の条件を満たすからです。
ふつうの二等辺三角形なら頂角は 1 つだけ。正三角形だけが 3 回現れるので、2 回ぶんを引く。
例:正十二角形の二等辺三角形
なので、。
正三角形は、 が 3 で割り切れるので 個あります。それぞれ 3 回数えているので、 を引く。
52 個です。このうち 4 個が正三角形、48 個がそれ以外の二等辺三角形になります。
例:正十角形と正九角形の二等辺三角形
正十角形は なので 。 は 3 で割り切れないので正三角形はなく、補正なしの 40 個。
正九角形は で 。正三角形が 3 個あるので 個です。
| 正多角形 | 二等辺(正三角形を含む) | 正三角形 |
|---|---|---|
| 正九角形 | 30 | 3 |
| 正十角形 | 40 | 0 |
| 正十二角形 | 52 | 4 |
例:直角二等辺三角形
正十二角形で、直角かつ二等辺になる三角形を数えます。
間隔が の形です。直径を 1 本選ぶと、その垂直二等分線上の頂点は 1 つに決まる。
直径が 6 本なので、直角二等辺三角形は 12 個。直径の両側にそれぞれ 1 つずつ頂点があるため、 個になります。
分類の全体像
正十二角形の 220 個を、角の種類と辺の種類の両方で見ます。
角と辺は別の切り口です。どちらで分類を求められているかを、問題文で確かめます。
検算のしかた
分類した個数を全部足して、総数に戻るかを見ます。 で合いました。
小さい正多角形でも試せます。正六角形なら総数 個。直角は 個、鈍角は 個、鋭角は 個。
鋭角の 2 個は、頂点を 1 つおきに選んだ正三角形です。手で描いて確かめられます。
正十六角形の頂点から 3 点を選んでできる直角三角形は何個ですか。
- 112 個
- 128 個
- 560 個
角度ではなく間隔を数える。この置きかえができれば、どの正多角形でも同じ手順で分類が終わります。











直径は 16÷2=8 本、残る頂点は 16−2=14 個なので 8×14=112 個です。128 は直径の両端も数え直した値、560 は三角形の総数 16C3 にあたります。