立体の格子を最短で進む - 右と奥と上の並べ替え
立体の格子を、右へ 3、奥へ 2、上へ 1 進んで最短で行きます。道は 60 通り。
平面のときと考え方は変わりません。進む向きが 2 種類から 3 種類に増えただけで、分母に階乗が 1 つ足されます。
進む向きの列に置きかえる
最短で行くので、後戻りはしません。進む向きは右、奥、上の 3 つだけです。
右へ 、奥へ 、上へ 進むなら、進む回数は必ず 回。その並び順を決めれば道が 1 本決まります。
つまり「右右右奥奥上」のような文字列の並べ替えを数えることになる。同じものを含む順列です[2]。
右 3、奥 2、上 1 なら 通りです。
例:立方体の格子
各方向に 2 区画ずつの格子で、対角の頂点まで行きます。右 2、奥 2、上 2。
90 通りです。平面の なら 通りでしたから、方向が 1 つ増えるだけで 15 倍になります。
各方向 3 区画なら 通り。増え方が急です。
| 格子 | 式 | 通り数 |
|---|---|---|
| 1 かける 1 かける 1 | 3 の階乗 | 6 |
| 2 かける 2 かける 2 | 6 の階乗を 8 で割る | 90 |
| 3 かける 3 かける 3 | 9 の階乗を 216 で割る | 1680 |
例:立方体の辺だけを通る
格子ではなく、立方体の辺の上だけを通って対角の頂点へ行く場合もあります。
各方向に 1 区画ずつなので、右、奥、上を 1 回ずつ。 通りです。
立方体の頂点から対角の頂点への最短の道は 6 本。実際に模型で数えても同じになります。
経由点があるとき
途中の点を必ず通る条件は、平面と同じく前半と後半に分けます。
出発点から まで行く道で、 を必ず通るものを数えます。
前半は右 1、奥 1、上 1 で 通り。後半は右 2、奥 1、上 1 で 通り。
前半のどの道からも後半が 12 通りなので、掛けて 通りです。
出発点から経由点までを数える
経由点から目的地までを数える
2 つを掛ける
例:通ってはいけない点
同じ格子で、 が通れないとします。
全体は右 3、奥 2、上 2 なので 通り。
そこから、 を通る 72 通りを引きます。
138 通りです。平面のときと手順は変わりません。
交点に数を書き込む
公式を使わずに、格子点へ順に数を書き込む方法も使えます。ある点へは、右、奥、上のいずれかの手前からしか来られない。
だから、その点の数は 3 つの手前の数を足した値になります。平面では 2 つでしたが、1 つ増える。
立体は図が描きにくいので、高さごとに層を分けて 3 枚の表にします。

いちばん右の層の右下に 90 が現れました。公式で出した値と一致します。
書き込み法の強みは、通れない点があっても手順が変わらないこと。その点を 0 にして、あとは同じように足していくだけです。
一気に答えが出る。通れない点があると引き算が要る
手数はかかる。通れない点を 0 にするだけで済む
例:斜めに進める場合
右と奥を同時に進む斜めの道が加わると、進む回数が一定でなくなります。回数で場合分けが要る。
右 2、奥 2、上 1 の格子で、斜めの道を 1 回だけ使えるとします。
斜めを使わないなら 通り。斜めを 1 回使うと、右 1、奥 1、斜め 1、上 1 の 4 回で進むので 通り。
合わせて 54 通りです。進む回数がそろわない問題では、まず回数で分ける。
斜めの道が入ると、進む回数が変わるので同じものを含む順列を 1 回では当てられません。
斜めを何回使うかで場合分けし、それぞれで並べ替えを数えて足す。
例:方向がもっと増える場合
進む向きが 4 種類でも、式の形は変わりません。分母に階乗が 1 つ増えるだけです。
この形は、多項定理に出てくる係数と同じものです[3]。展開式の係数と経路の数が一致します。
平面と立体の比べ方
平面では と組合せの形で書けました。立体では組合せ 1 つでは書けません。
ただし、段階に分けて組合せを掛ける形にはできます。 か所から右の か所を選び、残りから奥の か所を選ぶ。
右 2、奥 2、上 2 なら で、階乗の式と一致します。
右へ 2、奥へ 1、上へ 3 進んで最短で行く道は何通りですか。
- 6 通り
- 60 通り
- 720 通り
よくある誤り
平面の考え方がそのまま伸びます。向きの種類だけ分母を増やす、それだけです。












進む回数は 6 回で、2!1!3!6!=12720=60 通りです。720 は 6! そのもので、同じ向きの区別を消していない値になります。