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直列と並列が混ざったコンデンサー回路|電圧の分かれ方

と を直列にして を掛けます。小さいほうに 、大きいほうに が掛かります。

容量が小さいコンデンサーほど、電圧を多く受け持つ。抵抗の直列とは逆向きの分かれ方です。

合成容量を出して終わりにせず、そこから各素子の電圧と電荷へ戻す。この往復が計算の本体になります。

何が共通かで分ける

直列と並列を見分ける手がかりは、共通になる量です[1]。

直列につないだコンデンサーは、あいだの極板が外とつながっていません。孤立した部分に現れる電荷は必ず同じ量になるので、電荷が共通です。

並列は両端が同じ 2 点につながっているので、電圧が共通。

回路を直列の組と並列の組に切り分ける

それぞれの合成容量を出して 1 つにまとめる

全体の電荷か電圧から、各素子へ戻していく

直列は電圧が反比例で分かれる

直列では電荷 が共通なので、各素子の電圧は です。

が分母にあるため、容量の小さい素子ほど電圧が大きくなります。

2 つの場合は、分配の式に直せます。

自分の容量ではなく相手の容量が分子に来る。ここが抵抗の分圧と逆になる点です。

例:2 μF と 3 μF の直列

合成容量から出します。

を掛けたときの電荷は 。

この が両方に共通です。あとは割り算だけ。

足して 。合成容量が小さいほうの値 より小さくなっている点も、直列の目印です。

並列は電荷が比例で分かれる

並列では電圧が共通なので、電荷は です。容量に比例して素直に分かれます。

と を並列にして を掛ければ、 と 。合計 で、合成容量 と合います。

直列

電荷が共通。電圧は容量に反比例して分かれ、合成容量はいちばん小さい素子より小さくなる

並列

電圧が共通。電荷は容量に比例して分かれ、合成容量は全部の和になる

例:直列と並列が混ざる回路

と の直列に、 を並列でつなぎます。電源は 。

直列の組はさきほどの 。これと が並列なので、全体は です。

全体の電荷は 。

ここから戻します。 には電源の がそのまま掛かるので、。

直列の組には が流れ込み、 と に分かれます。 で合いました。

を小さくしていくと、電圧が の側へ集まっていきます。同時に共通の電荷が減るので、 の電圧は下がる。

例:3 つの直列

、、 を直列にして を掛けます。

共通の電荷は です。

素子容量受け持つ電圧

合計は 。電圧の比が 、つまり になっています。

直列での電圧の比は、容量の逆数の比 です。

の容量なら、電圧は 。合成容量を出さなくても、この比だけで配分が決まる。

例:並列の組を直列につなぐ

順番を入れかえた回路も見ます。 と を並列にした組に、 を直列でつなぐ形です。

並列の組は 。これと の直列なので、全体は次のとおり。

での電荷は 。直列の関係なので、この電荷が と並列の組の両方を通ります。

並列の組に掛かる を、 と に配ります。 と で、合計は 。

内側の組から外へ出た電荷が、そのまま直列側の電荷になっている。ここが確かめの手がかりになります。

例:同じものを n 個つなぐ

同じ容量 を 個直列にすると、合成は になります。

電圧は等分されるので、1 個あたりの負担は 。容量がそろっている場合にかぎり、耐圧が 倍まで伸びます。

で耐圧 のものを 4 個直列にすれば、 で耐圧 。容量を犠牲にして耐圧を稼ぐ使い方です。

並列なら逆で、容量は 、耐圧は のまま。増やしたい量に応じてつなぎ方を選びます。

耐圧は小さい容量で決まる

耐圧 の と を直列にします。全体で何ボルトまで掛けられるか。

側が受け持つのは 、 側が です。

先に上限へ届くのは 側。 から となります。

直列にすれば耐圧が足し算で増える、と考えると危ない。容量がそろっていない場合は、小さいほうに電圧が集まって先に壊れます。

検算のしかた

直列の合成容量は、いちばん小さい素子より必ず小さくなります。大きい値が出たら、逆数をとり違えている。

並列の合成容量は、いちばん大きい素子より必ず大きい。この 2 つを覚えておくと、式を書いた直後に見当が付きます。

戻したあとの検算も要ります。直列なら電圧の合計が電源の値に、並列なら電荷の合計が全体の電荷に戻るかを見ます。

直列で、電圧が容量に比例して分かれると考える。反比例です。
直列の分配式で、自分の容量を分子に置く。相手の容量です。
並列の合成容量を、逆数の和で出す。そのまま足します。
混合回路で、直列の組にも電源の電圧がそのまま掛かると考える。
耐圧が容量にかかわらず足し算で増えると考える。

と を直列にして を掛けます。 に掛かる電圧はどれですか。

__RESULT__

分配の式は です。 は容量に比例させた場合の値、 は等分した場合の値になります。

共通になる量を先に決め、合成容量で全体を出し、共通量を配って戻す。この往復の形は、素子が何個に増えても変わりません。

参考

Capacitors in Series and in Parallel. University Physics Volume 2, OpenStax.
Richard Fitzpatrick. *Capacitors in Series and in Parallel*. Electromagnetism and Optics, The University of Texas at Austin.
Étienne Thibierge. *Potentiel électrostatique, condensateur*. Cours 13, PT, Lycée Blaise Pascal.
$2\ \mu\mathrm{F}$ と $3\ \mu\mathrm{F}$ を直列にして $100\ \mathrm{V}$ を掛けると、小さいほうに $60\ \mathrm{V}$、大きいほうに $40\ \mathrm{V}$。抵抗の分圧とは分子が入れかわり、相手の容量が上に来ます。直列は電荷が共通で電圧が反比例、並列は電圧が共通で電荷が比例。合成容量を出したあと、共通量を配って各素子へ戻す往復が計算の本体になる。$1 : 2 : 3$ の直列なら電圧は $6 : 3 : 2$ に分かれること、耐圧 $50\ \mathrm{V}$ の $2\ \mu\mathrm{F}$ と $3\ \mu\mathrm{F}$ では全体の上限が $83\ \mathrm{V}$ になることまで。