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English

ホイートストンブリッジと平衡条件(未知の抵抗を測る)

の 3 つと、値の分からない抵抗を輪につなぎます。対角の 2 点を橋で結び、そこに電流が流れなくなったとき、未知の抵抗は です。

対辺どうしを掛けた値が等しくなる。 が成り立っています。

電源の電圧を測る必要はありません。既知の抵抗 3 つと、電流が かどうかの判定だけで値が決まります。

橋に電流が流れない状態

4 つの抵抗が輪をつくり、片方の対角に電源、もう片方の対角に検流計をつなぐ形をホイートストンブリッジといいます[1]

検流計を流れる電流が になるのは、その両端の電位が等しいときです。電位差がなければ、電流を押し出すものがありません。

このとき輪は、2 本の独立した分圧回路として振る舞います。左の枝と右の枝が、電源電圧をそれぞれ内部で分け合う。

橋に電流が流れない状態をつくる

左右の枝が電源電圧を同じ比で分けていると読む

比の等式から未知の抵抗を出す

平衡条件

上側を 、下側を とします。橋は 2 つの中点を結ぶ。

左の枝の中点の電位は 、右の枝の中点は です。

等しいと置いて整理すると、電源電圧 が消えます。

対辺の積が等しい、という形になりました[2]。電源の値も検流計の内部抵抗も、この式には出てきません。

例:3 つから 4 つ目を出す

とします。

確かめます。左の枝の電流は で、中点の電位は

右の枝は で、中点は 。そろいました。

メートルブリッジ

抵抗の代わりに、太さの一様な 1 本の細い線を使う方式もあります。線の上を滑る接点で、 の役目を分けます。

抵抗は長さに比例するので、比がそのまま長さの比になる。

抵抗値を測らずに、ものさしで読んだ長さだけで比が出せます。

例:40 cm で平衡した

全長 の線で、既知の抵抗が 。接点が左から の位置で検流計が振れなくなりました。

長さを測るだけで抵抗が出ました。ものさしの精度がそのまま測定の精度になります。

平衡していないときは

橋に電流が流れる状態では、キルヒホッフの法則で解くしかありません[2]

ただし検流計の内部抵抗が非常に大きい場合は、橋を切って考えてよくなります。電流が流れない枝の扱いと同じです。

にしてみます。左の中点は のまま、右の中点は次のとおり。

差は 。この向きから、どちらへ調整すればよいかも読めます。

平衡から外れているとき、検流計の振れる向き が調整の手がかりになります。

右の中点が低ければ を増やす。針の向きを見れば、次に動かす方向が決まる。

電源の値が要らない理由

平衡条件の式から が消えている点が、この測定法の強みです[3]

電池が古くなって電圧が下がっても、平衡する位置は変わりません。電源を安定させる手間が要らない。

検流計も、目盛りの精度は要りません。 かどうかだけを見る使い方なので、感度だけあれば足ります。

電圧計と電流計で測る

オームの法則から を出す。2 つの計器の目盛りの精度が両方効く

ブリッジで測る

既知の抵抗との比で出す。検流計は の判定にしか使わない

例:温度を測る

金属の抵抗は温度で変わります[4]

銅なら ほど。 の銅線をブリッジにかけたら と出たとします。

でした。白金を使った抵抗温度計は、この仕組みで温度を精密に測ります。

材料抵抗率温度係数
アルミニウム

検算のしかた

対辺の積を計算して、両方が一致するかを見ます。 で、どちらも

比の向きも確かめます。 が小さいほうの枝にあるなら、同じ側の も小さいはず。大小の関係が逆になっていたら、対辺のとり方を間違えています。

桁の見当も立ちます。未知の抵抗は、既知の 3 つと同じ程度の桁に収まるはず。極端に離れた値が出たら式の形が違う。

隣り合う抵抗どうしを掛けてしまう。掛けるのは対辺です。
メートルブリッジで、長さの比を逆にする。
平衡していない状態で、平衡条件の式を当てる。
検流計の内部抵抗が答えに効くと考える。平衡していれば効きません。
電源の電圧を測らないと解けないと考える。

ホイートストンブリッジで、 のとき、平衡する はどれですか。

__RESULT__

から です。 は対辺を逆にとった値、 は隣どうしを掛けた場合の値になります。

橋の電流を にして、対辺の積を等しいと置く。この 1 行で、電源も検流計も式から消えます。

参考

Null Measurements. College Physics 2e, OpenStax.
*Die Wheatstone-Brückenschaltung (E9)*. Physikalisches Praktikum, Universität Bremen.
Richard Fitzpatrick. *Emf and Internal Resistance*. Electromagnetism and Optics, The University of Texas at Austin.
Resistivity and Resistance. University Physics Volume 2, OpenStax.
$20\ \Omega$、$30\ \Omega$、$40\ \Omega$ と未知の抵抗を輪にして対角に電源と検流計をつなぐと、$60\ \Omega$ で橋の電流が $0$ になります。対辺の積が等しい、という条件です。導く途中で電源の電圧が消えるので、電池が弱っていても平衡する位置は動かない。検流計も $0$ かどうかの判定にしか使いません。滑り線を使うメートルブリッジなら長さの比で読めて、$40\ \mathrm{cm}$ で平衡したなら $30 \times \frac{40}{60} = 20\ \Omega$。平衡していないときの電位差の出し方と、抵抗温度計への応用まで扱います。