電池を直列にすべきか並列にすべきか?境目は外部抵抗と内部抵抗が等しい点
起電力 、内部抵抗 の電池が 4 個あります。 の負荷につなぐなら直列で 、並列だと しか出ません。
負荷を に変えると、立場がそっくり入れかわります。直列が 、並列が 。
境目は の 1 点です。電池の個数がいくつでも、この位置は動きません。
つなぎ方で 2 つの量が動く
電池をつなぐと、起電力と内部抵抗の両方が変わります[1]。
同じ電池を 個直列にすれば、起電力は に、内部抵抗も になる。並列なら起電力は のままで、内部抵抗が に下がります。
外部抵抗 をつないだときの電流は、それぞれ次の形です。
起電力と内部抵抗が何倍になるかを書く
外部抵抗を足して全抵抗を出す
電流を出し、 で負荷の電力を求める
例:外部抵抗が 10 Ω
、、 とします。
直列なら起電力 、内部抵抗 。
並列なら起電力 、内部抵抗 。
倍近い差が付きました。外部抵抗が大きいときは、電圧を稼ぐほうが効きます。
例:外部抵抗が 0.1 Ω
同じ電池で負荷だけを変えます。
直列は で、。
並列は で、。
さきほどと同じ 2 つの値が、そっくり入れかわりました。内部抵抗が全抵抗を支配する場面では、それを下げるほうが効きます。
境目は R と r が等しい点
2 つの電流の式を等しいと置きます。
両辺を整理すると、次の形になります。
なら 。個数 が消えました。
交点の位置が によらない、という結果は 電池を何個そろえても境目が動かない ことを意味します。
4 個でも 100 個でも、判断の基準は「負荷が電池 1 個の内部抵抗より大きいか」の 1 点だけになる。
の電池なら、負荷が より大きければ直列、小さければ並列。乾電池と豆電球の組み合わせは前者、セルモーターのような低抵抗の負荷は後者です。
最大の電力はどちらでも同じ
負荷を自由に選べるなら、どちらのつなぎ方でも同じ値まで引き出せます。
直列では のときに最大で、その値は次のとおり。
並列では のときに最大です。
一致しました。電池が 個あれば 倍の電力を引き出せて、つなぎ方は関係ありません[3]。
変わるのは、そろえるべき負荷のほうです。直列なら 、並列なら 。
| つなぎ方 | 起電力 | 内部抵抗 | 最大電力を出す負荷 |
|---|---|---|---|
| 1 個 | |||
| 4 個直列 | |||
| 4 個並列 |
例:1 個を逆向きにつなぐ
4 個直列のうち 1 個の向きを逆にします。起電力は打ち消し合って 。
内部抵抗のほうは向きに関係なく足されるので、 のままです。
正しくつないだ場合の半分になりました。逆向きの 1 個は、電流の向きに逆らうので充電される側に回ります。
内部抵抗の違う電池を並列にすると
起電力 の電池と の電池を並列につなぎます。どちらも内部抵抗は とします。
外部に何もつながなくても、2 つの電池のあいだで電流が流れます。
端子の電圧は 。強いほうが弱いほうを充電している状態です。
新しい電池と古い電池を混ぜて使うと減りが早いのは、この電流が内部で熱になるためです。
循環する電流は流れない。内部抵抗だけが下がる
起電力の差が電流を生む。外へ出ないぶんは熱になる
例:直列の本数を増やしていく
を固定したまま、直列につなぐ電池の数を増やします。
なら 、 で 、 なら 。
増やすほど電流は伸びますが、伸び方は鈍っていきます。 を無限に大きくしたときの極限を見ます。
が天井でした。電池を何個つないでも、電池 1 個を短絡したときの電流を超えられません。
内部抵抗も一緒に増えるためです。電圧を稼いでも、そのぶん通りにくくなる。
例:直列と並列を組み合わせる
6 個の電池を、3 個直列の組を 2 つ作って並列にします。起電力は 、内部抵抗は 。
6 個すべてを直列にした場合と比べます。起電力 、内部抵抗 。
全直列のほうが上でした。負荷の が電池 1 個の内部抵抗より大きいので、境目の判定どおりです。
できるだけ直列にする。電圧を稼ぐほうが効く
できるだけ並列にする。内部抵抗を下げるほうが効く
どうつないでも電流は変わらない。組み合わせ方は自由
検算のしかた
全抵抗が より必ず大きいかを見ます。内部抵抗を足し忘れると、電流が大きく出すぎます。
極端な場合に戻すのも早い。 の理想電池なら、直列は必ず有利で並列は 個と変わりません。式にそう出るかを確かめます。
電力の合計も確かめられます。電池が出す全電力 または から、内部で熱になるぶんを引くと負荷の電力になるはず。
起電力 、内部抵抗 の電池 3 個を、 の負荷につなぎます。有利なつなぎ方はどれですか。
- 並列
- 直列
- どちらでも同じ
負荷が電池 1 個の内部抵抗より大きいか小さいか。判断はこの 1 点で足ります。
















負荷の 0.2 Ω が電池 1 個の内部抵抗 0.5 Ω より小さいので、並列が有利です。並列なら内部抵抗が 0.167 Ω に下がり、電流は 0.3672.0=5.4 A。直列だと 1.76.0=3.5 A にとどまります。