誘導起電力と磁束の変化率|単位時間あたりで決まる
の磁場の中にコイルを置いても、動かさなければ起電力は です。 しかない磁場でも、 秒で消えれば起電力が生まれます。
決めているのは磁束そのものではなく、 秒あたりどれだけ変わるかです[1]。
回巻いた 角のコイルで、磁場が毎秒 ずつ減る場合を計算すると 。抵抗が なら が流れます[1]。
磁束の定義
コイルを貫く磁束は、磁場と面積と角度で決まります[1,4]。
は磁場の向きと面の法線がなす角。正面から貫くとき で最大、面が磁場と平行なら です。
単位はウェーバで、。
起電力は変化率
回巻いたコイルに生じる起電力は、磁束の時間変化率に巻数を掛けた値になります[1]。
マイナスは向きを表しています。大きさだけを問われる問題では、絶対値をとって進めて差し支えありません。
コイルを貫く磁束を で書く
どの文字が時間とともに変わるかを見分ける
その変化率に巻数を掛ける
変わりうるのは 3 つ
の右辺には、動きうる量が 3 つあります[4]。
磁場の強さ 、面積 、角度 。どれが変わっても起電力は生まれます。
コイルは動かない。電磁石の電流を変えるか、磁石を近づける
磁場は一定。コイルを変形させるか、回す
問題を読むとき、まずこの 3 つのどれが動いているかを決めます。そこが決まれば、あとは割り算だけです。
例:磁場が減っていく
角のコイルを 回巻き、磁場に正面を向けて置きます。磁場が毎秒 の割合で減っていく場合です[1]。
面積は 。変わるのは だけなので、変化率をそのまま掛けます。
コイルの抵抗が なら、流れる電流は 。
磁場が でも でも、減る速さが同じなら起電力は同じです。
例:面積が変わる
の一定の磁場の中で、1 巻きのコイルを引き伸ばします。面積が から へ で広がるとします。
。磁場は動いていないのに、起電力が生まれています。
例:角度が変わる
の磁場の中に、面積 のコイルを 回巻いて置きます。正面を向いた状態から で 倒します。
はじめの磁束は 、終わりは 。
が から へ落ちるぶんが、そのまま効いています。
角度を変える場合、起電力は 角度そのものではなく の変化率 で決まります。
の付近では がほとんど動かないので起電力は小さい。 の付近でいちばん急に変わる。
グラフから読む
磁束と時間のグラフが与えられる問題では、傾きを読むだけで起電力が出ます。
傾きが急なところほど起電力が大きい。水平な区間では です。
| グラフの形 | 磁束の変化 | 起電力 |
|---|---|---|
| 右上がりの直線 | 一定の割合で増える | 一定の値 |
| 水平 | 変わらない | |
| 折れ曲がる点 | 増減が切りかわる | 向きが反転する |
折れ曲がる点の前後で、電流の向きが逆になります。傾きの符号が変わるためです。

巻数と面積と角度の効き方
実験で確かめるときは、1 つずつ変えて比べます[4]。
巻数を 倍にすれば起電力も 倍。面積も同じで、比例します。
角度だけは が入るので比例しません。 倒しても で半分にとどまります。
検算のしかた
単位を確かめます。 が になるはず。 なので合います。
変化が止まった瞬間に起電力が になるかも見ます。ならなければ、変化率ではなく値そのものを使っています。
グラフの問題では、起電力のグラフが磁束のグラフの傾きになっているかを確かめる。段差のある形になるはずです。
回巻き、面積 のコイルを磁場に正面から向けて置きます。磁場が から へ で減るとき、起電力はどれですか。
磁束の式を書き、どの文字が動くかを決め、その変化率をとる。この順で進めれば、配置が変わっても同じ手順で答えが出ます。
















磁束の変化は 0.020×0.40=8.0×10−3 Wb で、変化率は 8.0×10−2 Wb/s。巻数を掛けて 4.0 V です。6.0 V は 0.60 T をそのまま使った場合の値になります。