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この式はどの型で解くか?1 階微分方程式の見分け方と計算演習

はどの型か。変数を分けようとしても分かれず、 について 1 次でもない。

分母と分子を で割ってみる。

右辺に の形でしか現れない。同次形である。

型さえ決まれば、あとは手順どおりに進む。1 階の問題でつまずくのは、たいてい解く段階ではなく、この判定の段階である。

5 つの型と、その印

見分ける印
変数分離 の因子と の因子の積に割れる
1 階線形 が 1 次で、掛け合わない
ベルヌーイ が 1 つだけ余分に付く
同次形 の形でしか出ない
完全形

どれにも当たらなければ、積分因子を探すか、変数を入れかえる[1]

判定の順序

上から順に試すのが早い。手間の少ない型から見ていく。

順番には理由がある。変数分離はいちばん手が少なく、完全形は偏微分を 2 回計算しないと判定できない。

同次形をベルヌーイより後にしたのは、 の形に整理する手間があるためである。

同次形の見分け方をもう少し

の形に書き直すのが面倒なときは、 と置いて右辺が変わるかを見る。

に入れると で、 が消えた。同次形である。

なら が残る。同次形ではない。

代入して が消えるかを見るだけなので、暗算でも判定できる[4]

この の検査は、右辺が次数 の同次関数かどうかを確かめている。

分子と分母が同じ次数なら が約分される。それが「同次形」という名前の由来である。

問 1:

と置く。 なので である。

を消さずに右辺をまとめるところが山場になる。分子は で、 の 1 次が消える。

変数を分けて積分する。

左辺は 2 つに割れる。 である。

を戻す。 にまとまる。

極座標にすると正体が見える。、つまり である。対数らせんになった。

canvas: 絵を作れませんでした

問 2:2 通りに読める式

について 1 次なので 1 階線形。同時に、両辺を割れば変数分離でもある。こういう式は珍しくない[2]

変数分離で解く。

である。

線形として解いても同じ答えになる。 に積分因子 を掛ける。

どちらでもよいときは、手数の少ないほうを選ぶ。判定の順序で変数分離を先に置いたのは、このためである。

問 3:

両辺を で割って標準形にする。

が余分に付いているのでベルヌーイ。 なので と置く[3]

なので、方程式の両辺に を掛ける。

が消えて、 の 1 階線形になった。積分因子は である。

なので、 に戻す。

も解である。 と置いた時点で を除いているので、別に書き足す必要がある。

置き換えで消える解

で定義できない。ベルヌーイでは を最後に足す

置き換えで消えない解

の同次形では、 が定数の解が一般解に含まれる。足し忘れは起きにくい

問 4:

について解ける形ではない。 の形なので、完全性を確かめる。

一致した。 で積分する。

と比べて 、つまり である。

を計算したとき が残ったら、 の積分か の計算のどちらかを間違えている。

問 5:積分因子が要る場合

で一致しない。まず だけの積分因子を探す。

が残るので、この形はあきらめる。次に だけを試す。

だけの関数になった。 である。

で完全になった。 から が出る。

部分積分を 2 回くり返すと である。

2 つの判定式を順に試す。どちらも残ってしまう場合は、 の関数として探すことになる。

問 6:軸を入れかえる

について線形ではない。 が分母にあるので、ベルヌーイでもない。同次形でもない。

ここで の役割を入れかえてみる。逆数をとる。

の関数と見ると、1 階線形である。積分因子は

右辺を積分する。部分積分を 2 回で である。

について解けなくても構わない。 の式で書ければ、解として十分である。

どの型にも当たらないとき、まずこの入れかえを試す価値がある[1]

canvas: 絵を作れませんでした

問 7:特殊解を 1 つ知っている場合

右辺に があるので線形ではない。ベルヌーイの形にも当てはまらない。リッカチ型である[4]

リッカチ型は、特殊解を 1 つ見つけないと進めない。 と当たりを付けて代入する。

または を使う。

と置いて代入する。 である。

定数項が消えて、ベルヌーイになった。 なので と置く。

積分因子は である。

を戻して が答えになる。

リッカチからベルヌーイへ、ベルヌーイから 1 階線形へ。2 段階で降りていく形である。

特殊解を 1 つ見つける

差をとってリッカチをベルヌーイに落とす

置き換えでベルヌーイを線形に落とす

積分因子で解く

検算のしかた

答えを得たら、微分して代入し直すのが基本である。陰関数のままなら、両辺を で微分し、 の関数として連鎖律を使う。

問 4 の答えで試す。 の両辺を で微分する。

でくくると となり、もとの式に戻った。

置き換えを使った問題では、戻し忘れがいちばん多い。 が答えに残っていないかを最後に確かめる。

失われる解にも注意したい。両辺を で割った場合は を、 で割った場合は の扱いを、それぞれ別に見る。

はどの型ですか。

  • 同次形
  • ベルヌーイ
  • 完全形
__RESULT__

と置くと分子が 倍、分母も 倍になり、 が約分されます。次数 の同次関数なので同次形です。 でまとめると の形になります。 が見えるのでベルヌーイと早合点しやすいところですが、標準形 に整理すると となり、こちらでも解けます。同じ式が 2 つの型に当てはまる例です。

型を決めるのに要るのは、右辺を眺めて 3 つか 4 つの検査を通すことだけである。解く手順よりも先に、この検査を身につけたほうが速い。

参考文献

Paul Dawkins. *First Order Differential Equations*. Paul's Online Notes, Lamar University.
Jeffrey R. Chasnov. *Separable Equations*/03%3A_First-Order_ODEs/3.02%3A_Separable_Equations). Differential Equations, The Hong Kong University of Science and Technology.
*Bernoulli's Equations*. Ximera, The Ohio State University.
*Équations différentielles particulières*. Bibm@th.
$y' = (x+y)/(x-y)$ は分母分子を $x$ で割ると $y/x$ だけの式になり、同次形だと分かります。1 階でつまずくのは解く段階ではなく、この判定の段階。変数分離、1 階線形、ベルヌーイ、同次形、完全形の 5 つを、手間の少ない順に当てはめていきます。同次形かどうかは $x \to tx$、$y \to ty$ で $t$ が消えるかを見るだけ。7 問を解きながら、対数らせんが出る同次形、2 通りに読める式、$y \equiv 0$ が置き換えで消えるベルヌーイ、積分因子が $y$ だけの関数になる場合、$x$ を従属変数に入れかえる型、リッカチをベルヌーイに落とす手順まで扱います。