y(4)+18y′′+81y=0 の特性方程式は λ4+18λ2+81=0、つまり (λ2+9)2=0 です。
根は ±3i が 2 重ずつ。重複を込めて 4 個そろっています。
y=(c1+c2x)cos3x+(c3+c4x)sin3x
4 階なら独立な解が 4 本。書き出した解の本数が階数と一致するかを確かめるのが、最初の検算になります[3]。
手順
初期条件があれば、最後に連立方程式を解いて定数を決めます。
根の種類と解の対応
| 根 | 重複度 | そこから出る解 | | 実根 λ | k | eλx, xeλx, …, xk−1eλx |
| 複素根 α±iβ | k | xjeαxcosβx と xjeαxsinβx(j<k) |
| λ=0 | k | 1, x, …, xk−1 |
3 行目は 1 行目の特別な場合です。e0⋅x=1 なので多項式が出てくる。ここを落とす人が多いところです[2]。
因数分解のこつ
定数項が 0 なら λ でくくれます。λ3−4λ2+4λ は λ(λ−2)2 です。
整数係数で最高次の係数が 1 なら、有理数の根は定数項の約数に限られます。λ3−2λ2−λ+2 なら ±1、±2 の 4 つを試すだけで済む。
λ の偶数乗しか出てこないときは t=λ2 と置きます。4 次が 2 次に落ちる。
複素根は必ず共役の対で現れます。片方だけ出てきたら、その時点で計算違いです。
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… mapRootCell[row][2][index] …)
問 1:2 階の実根と初期条件
y′′−y′−6y=0,y(0)=1, y′(0)=8
特性方程式は λ2−λ−6=(λ−3)(λ+2)=0 です。根は 3 と −2。
y=c1e3x+c2e−2x
y′=3c1e3x−2c2e−2x を作り、x=0 を入れます。
c1+c2=1,3c1−2c2=8
c2=1−c1 を代入して 5c1=10。c1=2、c2=−1 です。
y=2e3x−e−2x
初期条件を入れる前に y′ を書き出しておくと、代入がそのまま連立方程式になります。
問 2:複素根と初期条件
y′′+4y′+13y=0,y(0)=2, y′(0)=1
判別式は 16−52=−36 で負。根は λ=−2±3i です[1]。
y=e−2x(c1cos3x+c2sin3x)
微分は積の微分になります。e−2x の微分と括弧の微分の両方が出る。
y′=e−2x[(−2c1+3c2)cos3x+(−2c2−3c1)sin3x]
x=0 では cos が 1、sin が 0 なので、残るのは cos の係数だけです。
y(0)=c1=2、y′(0)=−2c1+3c2=1 から c2=35。
y=e−2x(2cos3x+35sin3x)
複素根の初期値問題では、y′ を書くところが山場です。−2c1+3c2 の形を作れれば、あとは連立を解くだけ。
問 3:λ=0 が根になる
y′′′−4y′′+4y′=0
定数項がありません。λ でくくります。
λ3−4λ2+4λ=λ(λ−2)2=0
根は 0 が 1 重、2 が 2 重。合わせて 3 個で、階数と一致します。
y=c1+(c2+c3x)e2x
λ=0 から出るのは定数 c1 です。e0⋅x=1 なので、指数関数の形が消えます。
もとの方程式に y そのものが現れていないことに気づけば、定数がいつでも解になると分かる。検算にも使えます。
問 4:有理根を探す
y′′′−2y′′−y′+2y=0
特性方程式は λ3−2λ2−λ+2=0。定数項が 2 なので、候補は ±1、±2 です。
λ=1 を入れると 1−2−1+2=0。当たりました。
λ−1 で割ると λ2−λ−2=(λ−2)(λ+1) になります。
y=c1ex+c2e2x+c3e−x
この式は λ2(λ−2)−(λ−2)=(λ−2)(λ2−1) ともまとめられます。項をどう組むかで、割り算を省ける場合がある[4]。
問 5:偶数乗だけの 4 次
y(4)−5y′′+4y=0
λ の偶数乗しか出てきません。t=λ2 と置きます。
t2−5t+4=(t−1)(t−4)=0
t=1, 4 なので λ=±1, ±2。単根が 4 つそろいました。
y=c1ex+c2e−x+c3e2x+c4e−2x
t に戻すのを忘れると、根が 2 つしかないことになってしまう。置き換えたら必ず戻します。
問 6:実根と純虚根が混ざる
y(4)−16y=0
λ4=16 です。実数だけを考えると ±2 しか出ませんが、複素数まで含めると 4 つあります。
λ4−16=(λ2−4)(λ2+4) と分ければ見えます。根は ±2 と ±2i。
y=c1e2x+c2e−2x+c3cos2x+c4sin2x
純虚数の根では α=0 なので、指数の部分が 1 になります。三角関数だけが残る。
指数で伸びる 2 本と、振動する 2 本。同じ方程式の中に、まったく違う振る舞いが同居しています。
問 7:複素根が重なる
y(4)+18y′′+81y=0
t=λ2 と置くと t2+18t+81=(t+9)2 です。t=−9 の重根なので λ=±3i が 2 重ずつ。
y=(c1+c2x)cos3x+(c3+c4x)sin3x
x を掛けた項が入るので、振幅が時間とともに伸びます。共鳴と同じ形が、同次方程式の中に現れる。
問 8:4 本の初期条件を入れる
問 7 の式に y(0)=1、y′(0)=y′′(0)=y′′′(0)=0 を課します。
y(0)=c1=1 です。y′ を計算します。
y′=(c2+3c3+3c4x)cos3x+(c4−3c1−3c2x)sin3x
x=0 で y′(0)=c2+3c3=0。もう 1 回微分して y′′(0)=−9c1+6c4=0 から c4=23。
さらに微分すると y′′′(0)=−27c2−27c3 になります。c2=−3c3 を入れると 54c3=0 で、c3=0、c2=0。
y=cos3x+23xsin3x
高階の初期値問題では、x=0 で sin の項がすべて消えます。生き残るのは cos に掛かる係数だけ。この性質を使うと、連立が上から順にほどけます。
検算のしかた
まず根の個数を重複込みで数えます。階数と一致していなければ、因数分解のどこかで落としている。
次に、根と係数の関係を使います。λ3−2λ2−λ+2 なら、根の和が 2、積が −2 になるはず。1+2−1=2、1×2×(−1)=−2 で合います。
解を 1 本選び、実際に代入して確かめます。x の掛かった形が特に間違えやすい。xe2x を 2 回微分すると (4x+4)e2x です。
初期値問題では、求めた解に x=0 を入れて条件がすべて戻るかを見ます。4 本あれば 4 本とも確かめる。
因数分解で λ を落としたか、複素根を見落としている
重複度を多く数えている。(λ−2)2 を (λ−2)3 と読んでいないか
どちらも、因数分解した式を書き出して指数を数え直せば見つかります。
y(4)−8y′′+16y=0 の一般解はどれですか。
- c1e2x+c2e−2x+c3cos2x+c4sin2x
- (c1+c2x)e2x+(c3+c4x)e−2x
- c1e4x+c2e−4x+c3x+c4
__RESULT__
t=λ2 と置くと t2−8t+16=(t−4)2 です。t=4 の重根なので λ=±2 がそれぞれ 2 重根になります。重複しているぶん x を掛けた解が入ります。(t−4)2 を t2−16 と読み違えると、1 番目の誤答が出ます。
係数を写して因数分解し、根を重複込みで数える。特性方程式の問題でやることは、この 3 つと、初期条件の連立だけです。
出典
*Complex Roots of the Characteristic Equation*. Ordinary Differential Equations, Union College. Jiří Lebl. *Higher Order Linear ODEs*/2%3A_Higher_order_linear_ODEs/2.3%3A_Higher_order_linear_ODEs). Differential Equations for Engineers. Paul Dawkins. *Repeated Roots*. Paul's Online Notes, Lamar University.
$y^{(4)} + 18y'' + 81y = 0$ の特性方程式は $(\lambda^2+9)^2 = 0$ で、$\pm3\mathrm{i}$ が 2 重ずつ。書き出した解の本数が階数と一致するかが最初の検算です。定数項が $0$ なら $\lambda$ でくくり、偶数乗しか出ないなら $t = \lambda^2$ と置く。整数係数なら有理根の候補は定数項の約数に限られます。8 問で、実根の初期値問題、複素根で $y'$ を書くところ、$\lambda=0$ から定数が出る場合、有理根を探す 3 階、複 2 次式の 4 階、実根と純虚根が混ざる場合、虚根が重なって振幅が伸びる場合、4 本の初期条件を上からほどく手順まで扱います。
t=λ2 と置くと t2−8t+16=(t−4)2 です。t=4 の重根なので λ=±2 がそれぞれ 2 重根になります。重複しているぶん x を掛けた解が入ります。(t−4)2 を t2−16 と読み違えると、1 番目の誤答が出ます。