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7 進の世界に 2 の平方根はあるか?ヘンゼルの補題で桁を伸ばす

の中に の平方根はあるでしょうか。あるなら を法とする値まで求めてください。

とし、まず で根を探します。 なので が根。

で、。ヘンゼルの補題の条件がそろいました[1]。 を満たす で となるものが、ただ つ存在します[1]。

桁を 1 つずつ伸ばす

から始め、 とおいて を決めます。

のとき 。 を法として 、両辺を で割って 。

なので 。 です。検算すると で、 で割り切れます。

では 。 で割って 、つまり 。 の逆元は なので 、。

なので、 を法として合っています。

では 。、 なので 、。 です。

進の新しい桁

答えは 。桁が つずつ確定していきます。

どの素数なら が入るか

に の平方根が入る奇素数をすべて挙げてください。

出発点になる根が に要ります。 は なら でないので、根さえあれば必ず持ち上がる。

つまり条件は「 が を法とする平方剰余」だけです。補充法則から になります。

入る
入らない

の平方根なら条件が変わります。 のときだけ入るので、 と並ぶ。

で追ってみます。 なので から始め、、、、 と伸びます。 進展開は です。

条件が破れる 2 通り

が に入らないことを示してください。

を法とする平方数は と だけ。 が入らないので に解がありません。持ち上げる出発点そのものがない。

では別の壊れ方をします。 が 上で恒等的に なので、 という条件を誰も満たしません。

実際 です。 が奇数なので、 が になりようがない。

根がない場合

に解がなく、出発点が作れない。 と

微分が消える場合

根はあるが で、次の桁が決まらない。 の平方根

でも、条件を強めたヘンゼルの補題なら扱えます[1]。 という形にすると、微分が消えかけていても持ち上がる場合がある。

有理数を 進で書く

の 進展開を求めてください。

の逆元は で です。 だから。だから最初の桁は 。

次を出します。 とおくと 、つまり 、。この の最初の桁は 。

同じ計算がくり返され、 の残りもまた になります。桁は が並び続ける。

検算します。 で、。 を法として になります。

の中では が整数です。分母が と互いに素なら となり、 に入ります[3]。

分母が を含むと外へ出ます。 は なので の元ではあっても には入りません。

の可逆元は の元です[3]。

つまり で割り切れない元がすべて可逆。 が整数に見えるのはこのため。

の完備化はこれで全部

上の自明でない絶対値は、通常の絶対値のべきか 進絶対値のべきに限られます[2]。オストロフスキーが 1916 年に示しました[2]。

だから完備化は か しかありません[2]。素数ごとに つずつ、それに実数を足した並びで尽きます。

は に入り、 にも入り、 には入らない。どの完備化で解けるかが素数ごとに変わるところが、局所的に調べるという発想の出発点になります。

の中に の平方根はありますか。

  • ない。 は平方数ではないから
  • ある。 だから
  • ある。ただしヘンゼルの補題では作れない
__RESULT__

なので は を法とする平方剰余です。 で、。ヘンゼルの補題の条件を満たすので、 となる が存在します。

で根を探す、微分が消えないかを見る、桁を つずつ決める。この 手で、 進の世界に住む数を具体的に書き下せます。

参考

Keith Conrad, *Hensel's lemma*, University of Connecticut
Keith Conrad, *Ostrowski's theorem for Q*, University of Connecticut
p-adic number - Encyclopedia of Mathematics
$3^2 \equiv 2 \pmod 7$ で $f'(3) = 6 \neq 0$ なので、$\mathbb{Z}_7$ に $\sqrt{2}$ が住みます。$x_{k+1} = x_k + 7^k t$ の $t$ を毎回 $1$ 次合同式で解くと $3, 10, 108, 2166$ と伸び、$7$ 進展開は $3 + 1 \cdot 7 + 2 \cdot 7^2 + 6 \cdot 7^3 + \cdots$。入る素数は $p \equiv \pm 1 \pmod 8$、$\sqrt{-1}$ なら $p \equiv 1 \pmod 4$ です。$p = 3$ は根がなく、$p = 2$ は $f'$ が消えるという別々の壊れ方をする。$\frac{1}{3} = 5 + 4 \cdot 7 + 4 \cdot 7^2 + \cdots$ という有理数の展開まで。