巡回群とその構造

巡回群は1つの元で生成される群であり、最も単純な構造を持つ。すべての巡回群は整数の加法群またはその剰余群と同型である。

巡回群の定義

がある元 によって と生成されるとき、 を巡回群(cyclic group)という。 の生成元という。

である。

有限巡回群と無限巡回群

の位数が有限のとき は有限巡回群、無限のとき無限巡回群となる。

ならば であり、 となる。

ならば )となることはなく、 となる。

巡回群の分類定理

位数 の巡回群は と同型である。無限巡回群は と同型である。

したがって、巡回群は位数によって完全に分類される。位数 の巡回群を または と書くこともある。

巡回群の部分群

巡回群の部分群は再び巡回群である。

の部分群は )の形に限る。これは で生成される巡回群である。

の部分群は、 の約数 に対して位数 の部分群がちょうど1つ存在する。それは で生成される。

部分群の個数

位数 の巡回群の部分群の個数は の約数の個数 に等しい。

の部分群は、位数 の部分群が1つずつ、計6個である。

生成元の個数

の生成元は と互いに素な元、すなわち を満たす である。

生成元の個数はオイラー関数 で与えられる。 なので、 の生成元は の4つである。

巡回群の自己同型群

の自己同型は の2つであり、 となる。

の自己同型は )で定まり、 となる。位数は である。

巡回群の直積

ならば である(中国剰余定理)。

ならば直積は巡回群にならない。 は位数4だが、すべての元の位数が2以下なので と同型でない。

素数位数の群

位数が素数 の群は巡回群 に限る。

のとき、 でない任意の元 の位数は Lagrange の定理より の約数だが、 ではないので である。よって となる。

有限体の乗法群

有限体 の乗法群 は位数 の巡回群である。

この事実の証明には、有限アーベル群の構造と多項式の根の個数に関する議論が必要である。