中学理科1630686 views
中学数学623778 views
英語613685 views
いろは3011036 views
高校国語788355 views
中学英語811754 views
りんご209693 views
小学算数1200472 views
教育149515 views
高校日本史190578 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

積分を先に決めて測度をあとから取り出す - ラドン測度とリースの表現定理

積分は関数に数を返す写像です。線形で、非負の関数には非負の値を返す。この 2 つの性質だけを持つ写像を集めると、そこに現れるのは測度による積分だけでした[1]

局所コンパクトハウスドルフ空間 の上で、コンパクト台の連続関数 に対する正線形汎関数は、すべてこの形に書けます。しかも は一意。

リース・マルコフ・角谷の表現定理と呼ばれます。測度を先に作らずに、積分の側から測度をとり出す道が開けます。

測度論はふつう、集合の大きさを決めてから積分を作ります。この定理はその順序を逆にできると言っている。積分のほうが基本的な概念だという見方が、ここから開けます。

ラドン測度

定理に現れる は、ただのボレル測度ではありません。3 つの条件を満たすものをラドン測度といいます[2]

局所有限。コンパクト集合の測度が有限である。
内部正則。可測集合の測度が、内側のコンパクト集合の測度の上限に等しい。
外部正則。可測集合の測度が、外側の開集合の測度の下限に等しい。

位相と測度をつなぐ条件です。開集合とコンパクト集合という位相の言葉で、測度の値が決まる。

ルベーグ測度、ディラック測度、局所コンパクト群のハール測度、ポーランド空間上の確率測度は、どれもラドン測度です。

上の数え上げ測度は違います。コンパクト集合の測度が有限になりません[2]

正線形汎関数

が線形で、 ならいつでも となるとき、正線形汎関数といいます。

有界性は仮定しません。正であることから、コンパクト集合ごとの有界性が自動的に出るためです。

積分がこの条件を満たすことは明らか。定理の中身は逆向きで、条件を満たすものが積分しかないという主張です。

定理と一意性

を局所コンパクトハウスドルフ空間、 上の正線形汎関数とします。このときボレル測度 が存在して、すべての で次が成り立ちます[1]

正則性を課さないと は一意になりません。内部正則なものがちょうど 1 つ、準正則なものがちょうど 1 つ存在する、という形で述べます[3]

正則性は、測度を位相に縛りつけるための条件です。縛らないと、連続関数からは見えない差を持つ測度が入り込みます。

証明の骨格

開集合から測度を作ります。 が開なら、 の中に台を持つ関数での上限をとる。

一般の集合には、外側の開集合による下限で値を与えます。これが外測度になることを確かめ、カラテオドリの条件でボレル集合が可測だと示す。

最後に を、単関数による近似で確かめます。外測度から測度を作る流れは、ルベーグ測度の構成と同じ型です。

例:ディラック測度は評価汎関数

と定めます。線形で、非負関数には非負の値を返すので正線形汎関数です。

定理から測度が出るはずで、それが です。

点で値を読むという操作が、測度による積分として書き直されました。物理でデルタ関数と呼ばれるものの正体です。

例:積分からルベーグ測度を作る

の上で、リーマン積分を汎関数と見ます。連続関数のリーマン積分は初等的に定義できます。

正線形汎関数なので、定理からラドン測度 が出ます。これがルベーグ測度です[3]

直方体の体積から外測度を作る道筋を通らずに、測度が手に入りました。積分を先に、測度を後に作る順序です。

平行移動不変性も汎関数の側で確かめられます。 が成り立てば、対応する測度も平行移動不変。

体積から始める

直方体の体積を決め、外測度を作り、カラテオドリで測度にする

積分から始める

連続関数の積分を決め、表現定理で測度をとり出す

の双対空間

正でない汎関数まで広げると、符号付き測度が出てきます。無限遠で消える連続関数の空間 を考えます。

その上の有界線形汎関数は、全変動有限な正則符号付きボレル測度と 1 対 1 に対応します[1]

汎関数のノルムが、測度の全変動ノルムにぴったり一致します。符号付き測度の全変動を定義した意味が、ここで回収される形。

複素数値の場合も同じで、複素測度が対応します。

測度の弱 収束

双対空間として見ると、測度に弱 位相が入ります。 とは、すべての で積分が収束すること。

確率論で分布収束と呼ぶものです。測度そのものの近さではなく、連続関数で見たときの近さを測ります。

2 つの数値が近づいていきます。密度は各点では発散するのに、汎関数として見れば行き先がある。弱 収束が拾っているのはこの近さです。

歴史

フリジェシュ・リースが 1909 年に の連続関数について示しました[1]。当時はスティルチェス積分の形で述べられています。

アンドレイ・マルコフが 1938 年に一部の非コンパクト空間へ、角谷静夫が 1941 年にコンパクトハウスドルフ空間へ広げました。3 人の名前が並ぶのはこのためです。

quiz で確かめる

上の正線形汎関数について、表現定理が言うことはどれですか。

  • 汎関数は有界だが、対応する測度は一般に存在しない
  • ラドン測度による積分としてただ 1 通りに書ける
  • 対応する測度は存在するが、正則性を課しても一意にならない
  • コンパクト空間でしか成り立たない
__RESULT__

局所コンパクトハウスドルフ空間で成り立ちます。正則性を課さないと一意になりませんが、内部正則なものは 1 つに決まります。

よくある誤り

どんなボレル測度でもラドン測度だと思う。局所有限性と正則性が要ります
の数え上げ測度をラドン測度だと思う。コンパクト集合で有限になりません
正則性を課さなくても一意だと思う。連続関数から見えない差が残ります
汎関数に有界性を仮定すると思う。正であることから自動的に出ます
定理がコンパクト空間だけの話だと思う。局所コンパクトで成り立ちます
測度を先に作らないと積分が定義できないと思う。順序を逆にできます
収束が各点収束だと思う。連続関数で積分した値の収束です
の双対が正測度だけだと思う。符号付き測度や複素測度まで含みます

参考文献

Riesz–Markov–Kakutani representation theorem. Wikipedia(英語).
Radon measure. Wikipedia(英語).
Théorème de représentation de Riesz (Riesz-Markov)). Wikipédia(フランス語).
線形で、非負の関数に非負の値を返す。この 2 つを満たす汎関数は、ラドン測度による積分としてただ 1 通りに書けます。局所有限性と内外の正則性が、測度を位相に縛りつける条件。点で値を読む操作がディラック測度に、連続関数のリーマン積分がルベーグ測度になります。$C_0(X)$ まで広げると符号付き測度が現れ、汎関数のノルムが全変動ノルムにそのまま一致する。測度の弱 $*$ 収束もこの見方から出てきます。