2 つの平面のなす角は交線に垂直な向きで見る|空間図形
開いた本の 2 ページがなす角を測るとき、背表紙に垂直な向きから見ます。斜めから見ると角が小さく見えてしまう。
2 平面のなす角も同じです。交線に垂直な 2 直線がはさむ角を、その二面角と呼びます。
定義を正確に押さえます。
定義
2 平面が交わると、共有部分は 1 本の直線になります。これを交線と呼びます。
交線の上に点を 1 つとり、そこから各平面の中に、交線と垂直な半直線を引きます。この 2 本がはさむ角が二面角です[1]。
ユークリッドは第 11 巻の定義 6 で、この角を平面の傾きと呼んでいます[1]。
交線上のどの点でとっても同じ角になります。だから角が 1 つに決まる。

交線に垂直でないと測れない
交線に垂直でない向きで 2 本の半直線をとると、角は小さくなったり大きくなったりします。
たとえば 2 平面が直角に交わっているとき、交線に沿った向き寄りに半直線をとれば、角はいくらでも小さく見せられる。
だから測る向きを固定する必要があります。交線に垂直、という条件がその固定です。
三垂線の定理を使うと、この向きを図の中で見つけやすくなります[3]。片方の平面から交線へ垂線を下ろせばよい。
角が 1 つに決まる。これが二面角
とり方しだいで角が変わる。値が定まらない
例:立方体の対角面
立方体 ABCD-EFGH で、底面 ABCD と、辺 AB と辺 GH を含む平面のなす角を求めます。
交線は AB です。底面の中で AB に垂直な半直線は AD。もう一方の平面の中で AB に垂直な半直線は AH です。
AD の向きと AH の向きがはさむ角を測ります。三角形 ADH は直角二等辺三角形なので、角 DAH は 。
答えは 。斜めの断面が底面と作る角が、正方形の対角線の角と一致しました。

例:正四面体の二面角
正四面体 ABCD で、面 ABC と面 DBC のなす角を求めます。交線は辺 BC です。
BC の中点を M とすると、AM と DM はどちらも正三角形の中線なので BC に垂直。求めるのは角 AMD です。
1 辺を とすると 、。余弦定理を当てます。
です。直角よりだいぶ小さい。正四面体を 2 つ貼り合わせても、平らにならない理由がここにあります。

垂直な 2 平面
二面角が のとき、2 平面は垂直であるといいます。
判定に便利な言い方があります。一方の平面に含まれる直線が、もう一方の平面に垂直なら、2 平面は垂直です。
立方体では、隣り合う面がすべて垂直です。辺が一方の面に垂直に立っているためです。
2 平面が垂直かどうかは、片方の中に相手へ垂直な直線があるかで決まります。
交線に垂直な半直線を 2 本とる手順を、直線 1 本の条件に言いかえた形です。
例:正八面体の二面角
正八面体は正四面体を 2 つ組み合わせた形ではありませんが、二面角には関係があります。
正四面体の二面角 と正八面体の二面角 のあいだには が成り立ちます。
だから正八面体の二面角は 。 です。
この関係があるので、正四面体と正八面体を交互に並べると空間がすきまなく埋まります[2]。
正四面体の 2 つの面がなす角の余弦はいくつですか。
つまずきやすいところ
交線に垂直な向きで見る。この一言が、二面角の定義そのものです。












交線の中点から両方の頂点へ引くと、長さが 23a の 2 本と、向かい合う辺 a で三角形ができます。余弦定理から 31。21 は 60∘、23 は 30∘ の余弦です。