極大値と極小値を掛けた符号で3次方程式の解の個数が決まる
の実数解は 3 個です。解の値を出さなくても、個数だけなら極値から分かります。
の極大値は 、極小値は 。掛けると で負になります。
積が負なら実数解は 3 個。これが 3 次方程式の解の個数を数える基本の道具です[1]。
なぜ積の符号で決まるのか
3 次方程式の実数解の個数は、 のグラフが 軸と何か所で出会うかと同じです。
の係数が正なら、グラフは左下から来て右上へ抜けます。途中に山と谷があれば、 軸との出会い方は山と谷の高さで決まる。
山が 軸より上、谷が下にあれば、グラフは 軸を 3 回またぎます。高さの符号が逆、つまり積が負という条件です。
山が上、谷が下。あいだで 1 回、外側で 2 回またいで 3 個
山も谷も同じ側。またぐのは 1 回だけで 1 個
積が のときは、山か谷のどちらかが 軸に乗っています。そこで触れるので、解は 2 個になる。
赤と緑が横軸をはさんでいるあいだは交点が 3 か所。どちらかが横軸に乗ると 2 か所、両方が同じ側へ移ると 1 か所になります。
判定の手順
導関数を求めて極値をとる を出す
極大値と極小値を計算する
2 つを掛けて符号を見る
極値がない場合は、この手順に入る前に決まります。 が実数解をもたなければ、関数はずっと増えるか減るかのどちらか。
軸との出会いは 1 回だけなので、実数解は 1 個です。
例:
から、極値をとるのは 。
、 です。
積は で負。実数解は 3 個になります。
例:積が になる場合
で調べます。、。
積は です。谷がちょうど 軸に乗っている。
実際に因数分解すると で、 が重解、 が単解です。異なる実数解は 2 個。
重解のところでグラフは 軸に触れて戻ります。またがずに跳ね返る形です。
例:積が正になる場合
なら 、。どちらも正で積も正です。
グラフ全体が 軸より上にあるところから下りてきて、1 回だけまたぎます。実数解は 1 個。
| 方程式 | 極値の積 | 実数解 |
|---|---|---|
| 3 個 | ||
| 2 個 | ||
| 1 個 |
例:極値をもたない 3 次方程式
を調べます。 です。
なので 。 になりません。
極値がないので、関数はずっと増え続けます。 軸との出会いは 1 回で、実数解は 1 個です。
極値がない 3 次関数は、必ずちょうど 1 個の実数解をもつ。
を大きくすれば値はいくらでも大きく、小さくすればいくらでも小さくなるため。
例:文字を含む方程式
が異なる 3 つの実数解をもつ の範囲を求めます。
の極大値は 、極小値は です。
積が負になればよいので、条件はこうなります。
です。 のときは積が で解が 2 個、外側では 1 個になります。

例:係数が動く形
が異なる 3 実数解をもつ の範囲を出します。
なので、極値は と でとります。
、 です。
になります。定数項だけが動くので、極値の差 は によらず一定です。
最高次の係数が負のとき
のように の係数が負だと、グラフの向きが上下逆になります。
左上から来て右下へ抜ける形です。谷が先に来て、山があとに来る。
それでも判定は変わりません。山と谷が横軸をはさんでいれば 3 回またぐ、という関係は向きによらないためです。
なら 。 で極小、 で極大です。
、。積が負になる条件は で、係数が正のときと同じ範囲になりました。

3 重解になる場合
積が でも、山と谷が同時に 軸に乗ることはありません。片方だけです。
ただし極値をもたない場合に、 軸との接し方が特別になることがあります。 がその例で、解は だけ。
は で になりますが、符号が変わらないので極値ではない。実数解は 1 個です。
4 つのどれに当てはまるかを見るだけで、解を求めずに個数が言えます。
が異なる 3 つの実数解をもつ の範囲はどれですか。
- または
個数の判定も確かめます。
の実数解は何個ですか。
- 1 個
- 2 個
- 3 個
です。 で になりますが符号が変わらないので、極値をもちません。関数はずっと増え続けるため、実数解は 1 個になります。
解を求めずに個数を言う。極値を 2 つ計算して掛けるだけで済みます。

















f′(x)=3x2−12=3(x+2)(x−2) から極値は x=±2 でとります。f(−2)=−8+24+k=k+16、f(2)=8−24+k=k−16 なので、積が負になる条件は −16<k<16 です。