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文字だけを右辺へ寄せる - 定数分離とグラフの交点で数える

の を右辺へ移すと になります。

左辺は を含まない曲線、右辺は高さ の水平な直線。実数解の個数は、この 2 本が何か所で出会うかと同じです。

文字を片側にまとめてしまうやり方を定数分離といいます。曲線が動かなくなるぶん、数えるのが楽になります[1]。

分離すると何が変わるか

分離しないままだと、 が変わるたびにグラフ全体が上下に動きます。毎回描き直すことになる。

分離すれば動くのは水平線だけです。曲線は 1 回描けば済みます。

分離しない

のグラフが ごとに上下する。基準になる形が定まらない

分離する

は固定。高さ の水平線を動かして交点を数える

水平線が山より上か、山と谷のあいだか、谷より下か。この 3 通りで交点の数が決まります。

緑の点が交点です。赤い線が点線のあいだにあるうちは 3 個、外へ出ると 1 個になります。

例:

と分離します。 の極大値は 、極小値は です。

水平線 が と のあいだにあれば交点は 3 個。

各辺に を掛けると不等号の向きが変わり、 です。

のまま扱うので、最後に符号を戻す手順が入ります。ここを飛ばすと範囲が逆になる。

分離した右辺が のときは、最後に を掛けて不等号を返す。

を左辺に残して から としてもよい。その場合は曲線の向きが上下逆になる。

例:定数項だけが動く形

を分離します。 です。

の導関数は 。

極大値は 、極小値は になります。

から 。交点が 3 個、つまり実数解が 3 個です。

の位置交点実数解
3 個3 個
または 2 個2 個
それ以外1 個1 個

例:文字が係数にある形

を考えます。 が の係数にあるので、そのままでは水平線になりません。

両辺を で割りたくなりますが、 で割れません。まず が解かどうかを別に確かめます。

を入れると で成り立つので、 はつねに解です。

のときだけ割ると になります。 と の交点を数えればよい。

なら の 2 個。 と合わせて実数解は 3 個です。

なら から で、もとの解と重なります。実数解は 1 個。

なら に実数解はなく、 だけの 1 個になります。

割る前に を確かめる。この一手を飛ばすと、解を 1 つ落とします。

極値の積との使い分け

同じ問題を、極大値と極小値の積で解くこともできます。どちらを選ぶかは形しだいです[2]。

定数が単独で足されているだけなら、分離するほうが速い。曲線が固定されて、あとは高さを比べるだけになります。

文字が や の係数に入っていると、分離しても水平線になりません。その場合は極値を計算する道を選びます。

文字が定数項だけにある

分離して水平線と比べる

係数にも入っていれば極値の積で判定する

例:範囲を絞る問題

が異なる 3 つの実数解をもつ の範囲を求めます。

の導関数は です。

極大値は 、極小値は 。

水平線 が と のあいだにあればよいので、 です。

のときは で、 と の 2 個。境目で重解が出ています。

例:正の解の個数を数える

が正の解を 2 個もつ の範囲を出します。

の部分だけを見ます。、極小値は 、そこから増え続けます。

水平線が と のあいだにあると、 の範囲で 2 か所と出会う。

なら接するので 1 個、 なら での交点は 1 個です。

範囲を指定されたら、その範囲だけのグラフを見ます。全体の交点の数とは別に数える。

が異なる 3 つの実数解をもつ の範囲はどれですか。

__RESULT__

の導関数は です。極大値 、極小値 なので、水平線がそのあいだにあればよく になります。

割る前の確認も確かめます。

の実数解は何個ですか。

  • 3 個
  • 2 個
  • 1 個
__RESULT__

はそのまま解です。 で両辺を で割ると から 。合わせて 3 個になります。割ってから数えると を落として 2 個と答えてしまいます。

文字を片側へ寄せて、動くものと動かないものを分ける。曲線が固定されれば、あとは高さの比較だけで済みます。

出典

4.5 Derivatives and the Shape of a Graph. Calculus Volume 1, OpenStax.
4.3 Maxima and Minima. Calculus Volume 1, OpenStax.
Josef Leydold. *Kapitel 7: Differentialrechnung*. Mathematik für VW, Wirtschaftsuniversität Wien.
$x^3 - 3x + k = 0$ を $x^3 - 3x = -k$ と書き直すと、左辺は $k$ を含まない固定の曲線、右辺は高さ $-k$ の水平線になります。分離しないと $k$ ごとにグラフ全体が上下しますが、分離すれば描き直すのは直線だけ。交点が 3 個になるのは水平線が極大値と極小値のあいだにあるときです。$x^3 = kx$ のように文字が係数にある場合は、$x = 0$ を先に分けてから割る。範囲を限って正の解だけを数える形、極値の積との使い分けまで並べました。