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2点を結ぶ傾きと同じ接線がどこかにある|平均変化率と微分係数

の から までの平均変化率は です。この と同じ傾きの接線が、区間の中の に引けます。

2 点を結んだ直線と平行な接線が、そのあいだのどこかにある。多項式ではいつでもこうなります[1]。

平均変化率は割線の傾き、微分係数は接線の傾き。同じ値になる場所を探す問題です。

探し方

平均変化率を計算し、それが に等しくなる を解きます。

、区間 なら平均変化率は 。

なので から 、つまり 。

区間の中にあるのは です。 は範囲の外なので捨てます。

区間の両端から平均変化率を出す

をその値と等しいと置く

出た が区間の中にあるかを確かめる

2 次関数なら中点

の区間 での平均変化率は でした。

なので から 。区間のちょうど真ん中です。

どんな区間をとっても中点になります。放物線が左右対称であることの表れです。

3 次関数では中点からずれます。 の中点は ですが、答えは でした。

接点を動かすと接線の傾きが変わります。割線と平行になる瞬間がちょうど 1 か所ありました。

例:区間を変える

の で試します。平均変化率は 。

から 。区間の中です。

で一般に計算すると、平均変化率は でした。

です。 なら 、 なら になります。

関数区間一致する

2 か所で一致することもある

の で計算します。

、 なので、平均変化率は 。

なので から 。

。どちらも区間の中にあります。

同じ傾きの接線が 2 本引ける形です。2 次関数では 1 か所しかありませんでした。

が 2 次式なので、 の方程式が 2 次になる。

2 解とも区間に入れば、平行な接線が 2 本。片方だけ入ることもある。

端が答えになる場合

の で計算します。

、 なので、平均変化率は 。

から 。 は区間の中ですが、 は左端です。

区間の内側にある答えは の 1 つ。両端は解に数えない、という約束で考えます。

平均変化率が なので、割線は水平です。それと平行な接線は極値のところに引ける。

2 次関数

の方程式が 1 次。答えはいつでも中点の 1 つ

3 次関数

の方程式が 2 次。区間の中に 1 つのことも 2 つのこともある

いつでも存在するのか

多項式のグラフはつながっていて折れ目もありません。だから平均の傾きと同じ接線が必ずどこかにあります。

これは数学 III で定理として整理されます。数学 II の範囲では、具体的な関数で を計算する形で出ます。

折れ目のある関数では成り立ちません。 の では平均変化率が ですが、傾きが の接線はどこにも引けない。

で微分できないためです。多項式なら、こういう心配は要りません。

の区間 で、平均変化率と微分係数が等しくなる はどれですか。

__RESULT__

平均変化率は です。 から 。 は区間の中点で、2 次関数ならこれが答えになります。

個数の違いも確かめます。

3 次関数で、平均変化率と一致する接線が区間の中に 2 本引けることがあるのはなぜですか。

  • が 2 次式で、方程式の解が 2 つになりうるため
  • 平均変化率が 2 通りに計算できるため
  • 接線が必ず 2 本ずつ引けるため
__RESULT__

が 2 次式なので、 を定数と等しいと置くと 2 次方程式になります。2 解とも区間に入れば 2 本、片方だけなら 1 本です。

割線の傾きを出し、それと同じ値になる接点を探す。2 次関数なら中点、3 次関数なら 2 次方程式を解く作業になります。

出典

The Rate of Change of a Function. Calculus Early Transcendentals, Simon Fraser University.
David Guichard. *2.1: The Slope of a Function*/02:_Instantaneous_Rate_of_Change-_The_Derivative/2.01:_The_Slope_of_a_Function). Calculus, Whitman College.
Josef Leydold. *Kapitel 7: Differentialrechnung*. Mathematik für VW, Wirtschaftsuniversität Wien.
$y = x^3$ の $0$ から $3$ までの平均変化率は 9 で、同じ傾きの接線が $x = \sqrt{3}$ に引けます。割線と平行な接線が、そのあいだのどこかにある。2 次関数なら答えはいつでも区間の中点ですが、3 次関数では $f'(c)$ が 2 次式なので方程式が 2 次になり、区間の中に 2 本引けることもあります。$x^3 - 3x$ の $[-2, 2]$ がその例。折れ目のある $y = |x|$ では成り立たないことも見ました。数学 III で定理として整理される話の入口です。