中心をずらして回す〜複素数平面の回転公式の作り方
点 を中心に、点 を角 だけ回した先は次の式で出ます。
引いて、掛けて、足す。原点まわりなら掛け算だけで済むところに、 の出し入れが前後に付きます[1]。
原点まわりは掛け算だけ
絶対値 の複素数を掛けると、点は原点を中心に回ります[2]。
絶対値どうしが掛かり、偏角どうしが足される。掛ける側の絶対値が なので長さは動かず、偏角だけが 増えます[4]。
回転の中心が原点に固定されるのは、原点だけが を掛けても のまま動かないためです。ほかの点はすべて動きます。
中心を原点へ運ぶ
中心が のときは、まず全体を平行移動して を原点へ持っていきます。
複素数のひき算は、ベクトルのひき算にあたります[3]。 は、 から へ向かう矢印そのもの。
矢印だけを回してから、 を足して元の位置へ戻す。3 段の手順になります。
を引いて中心を原点へ運ぶ
を掛けて回す
を足して元の位置へ戻す
矢印の始点が原点へ来た瞬間だけ、掛け算が回転として働きます。戻すのを忘れると、図形ごと原点付近へ寄ってしまう。
例: を のまわりに 90 度回す
、、 とします。 なので、掛けるのは だけ。
です。
が答えになります。 から までの距離は 、 から までの距離も で、長さが保たれている。
例:正三角形の残りの頂点
、 を 2 頂点とする正三角形の、第 3 の頂点を出します。
を のまわりに 回せば届く。 です。
回せば になります。正三角形は 2 つできる。

例:角度の符号
が正なら反時計回り、負なら時計回りです。虚軸が上を向く向きにそろえた結果になります。
時計回りに 回すなら とし、 を掛ける。
符号を逆にすると、答えが中心をはさんで反対側へ行きます。図を粗く描いておくと、このとり違えはすぐ見つかる。
回転の向きは、虚軸をどちらに向けたかで決まります。上向きにとる約束なので、正の角は反時計回りになる。
下向きにとる流儀では逆になる。数学Ⅲの教科書はすべて上向きです。
例:2 回続けて回す
のまわりに だけ回し、続けて同じ のまわりに だけ回します。
掛ける複素数が になり、偏角が足されます。合計は の回転[2]。
同じ中心まわりなら順番を変えても同じ点に着きます。中心が違うと、順番で結果が変わる。
例:中心が違う 2 つの回転
のまわりに 回してから のまわりに 回す場合と、順番を入れかえた場合を、 で比べます。
前者は 。後者は です。着く先が違います。
平行移動の成分が残るためで、2 つを合わせた変換は の回転になります。中心は別の場所へ移る。
例:回転の中心を求める
という対応が与えられたとき、どこを中心とする何度の回転かを読みます。
中心は動かない点なので、 を解けばよい。 から です。
掛かっている の偏角が 、絶対値が 。よって を中心とする の回転になります[1]。
| 中心 | 動かない点。 を解いて出す |
| 角 | 掛かっている複素数の偏角 |
| 倍率 | 掛かっている複素数の絶対値 |
例:正方形の頂点をたどる
正方形の中心が 、頂点の 1 つが とします。残りの頂点は ずつ回して出ます。
を 倍すると 、中心を足して です。
同じ操作を続けると 、 と並び、4 回目で に戻ります。一周して閉じることが検算になる。
点 を、点 を中心に 回した点はどれですか。
検算
中心から元の点までの距離と、中心から答えまでの距離が等しいかを見ます。回転は長さを変えません。
なら中心が 2 点の中点になり、 なら中心と 2 点が直角二等辺三角形をつくる。特別な角では図で確かめられます。
引いて、回して、足す。この 3 段さえ崩さなければ、中心がどこにあっても同じ手順で片づきます。












180∘ の回転は −1 倍にあたるので、1+(3+i−1)×(−1)=1−(2+i)=−1−i です。中心 1 が 3+i と −1−i の中点になっていることでも確かめられます。3−i は実軸に関する折り返しで、回転ではありません。