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回転と拡大をくり返す点は渦を巻いて 1 点に落ちる

は、点を回して伸ばして、ずらす操作をくり返す漸化式です。

なら、動かない点が 1 つあります[3]。

この を引くと、漸化式が等比数列に変わります。

不動点を引くと等比になる

が成り立つので、 です。これを漸化式へ入れます。

が公比 の等比数列になりました。一般項は次の形です[2]。

から見た矢印が、毎回 倍されていく。回転と拡大が積み重なる形です。

が行き先を決める

の絶対値は です。 を大きくしたときの様子が、 の大小で 3 つに分かれます[1]。

なら なので、 は へ近づきます。偏角のほうは毎回同じだけ回るので、渦を巻きながら落ちる。

なら距離が変わりません。 を中心とする半径 の円の上を、ぐるぐる回り続けます。

なら距離が増え続け、外へ広がって発散します。

渦を巻いて に落ちる。極限は

渦を巻いて外へ広がる。極限はない

例: の場合

、 とします。まず不動点を出します。

で より小さい。 は へ近づきます。

一般項は です。、 と続きます。

漸化式に直接入れても 、 で一致しました。

例:極限を出す

なら です[1]。一般項の右辺で が消えます。

不動点そのものが極限になります。 をどこにとっても同じ点へ落ちる。

近づき方は で決まります。 が に近いほど、渦が細かく巻いてゆっくり寄る。

例: の絶対値が のとき

、、 をとります。不動点は です。

で、 が 回で一周します。 は 個の点をくり返す。

実際に 、、、、 と戻ります。 からの距離はどれも で、正方形の頂点に並ぶ。

の偏角が の有理数倍なら周期があり、無理数倍なら円周上を埋めていきます。

例: で不動点が消える

では が計算できません。動かない点がないためです。

このとき漸化式は で、等差数列になります。

の向きへ等間隔に進み続ける。渦ではなく直線の上を動きます。 なら全部の点が動きません。

不動点
一般項
に収束
を中心とする円の上
発散
等差数列。直線上を進む

、 の極限はどれですか。

  • 極限はない
__RESULT__

不動点は です。 なので収束し、極限は不動点そのもの。 は共役をとりちがえた値になります。

まとめ

不動点を引くと、 は等比数列に化けます。 から見た矢印が毎回 倍される形です。

の絶対値が行き先を決めます。 より小さければ収束、等しければ円の上、大きければ発散。

の偏角は回り方を決めます。渦の巻き方の細かさや、周期があるかどうかがここから出る。

だけが例外で、不動点を持たず直線の上を進みます。分母の が になる場面が、そのまま図形の言葉になっている。

参考文献

Marc Deisenroth. *Complex Numbers*. Revision Notes, Imperial College London, Department of Computing, 2017.
Geometric Series. Wolfram MathWorld.
Drehstreckung. Wikipedia.
$z_{n+1} = \alpha z_n + \beta$ は、不動点 $c = \frac{\beta}{1-\alpha}$ を引くだけで $z_n - c = \alpha^n(z_0-c)$ という等比数列に変わります。$c$ から見た矢印が毎回 $\alpha$ 倍される形。行き先は $|\alpha|$ で決まり、$1$ より小さければ渦を巻いて $c$ に落ち、等しければ $c$ を中心とする円の上を回り、大きければ外へ広がります。$\alpha=\frac{1+i}{2}$、$\beta=1$ なら極限は $1+i$。$\alpha=1$ だけが不動点を持たず、等差数列になって直線上を進みます。