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1 の n 乗根を全部足すとなぜ 0 になるのか

の解は 個あり、単位円周上に等間隔で並びます。 を出発点として、円を 等分した位置。結んでいくと正 角形になります。

が変わっても、頂点のひとつは必ず に居ます。 はどんな でも を満たすため。残りの頂点が、 に応じて円周を分け合います。

ω の累乗で並べる

とおくと、 個の解は の累乗で書けます。

ド・モアブルの定理から の偏角は 。掛けるたびに 周ずつ進み、 回で一周して に戻ります。

全部足すと 0 になる

この 個をすべて足すと、 ならいつでも です。図で見るのがいちばん早い。

長さの等しい矢印を、向きを 周ずつ変えながら継いでいきます。 本目を継ぎ終えると、出発点にぴったり戻る。閉じた正 角形になるので、和は です。

式でも同じ結論になる

図に頼らない道も 2 本あります。ひとつは等比数列の和。公比 、初項 、項数 なので

分子は より 。 なら で分母は でないので、全体が になります。

もうひとつは解と係数の関係です。 個の解は の解で、この多項式には の項がありません。係数が ということは、解の総和も 。

図で言えば、正 角形の重心が中心にあるという事実そのものです。

全部掛けると 1 か -1 になる

こんどは積を見ます。因数分解の形

で とおくと、左辺は 、右辺は に解の積を掛けたもの。したがって解の積は です。

が奇数なら 、偶数なら 。 の解 は積が 、 の解は積が で、たしかに合っています。

積の絶対値はどれも なので のまま。あとは偏角を足すだけです。偏角の総和は

で、 が奇数なら の倍数、偶数なら の奇数倍。行き先が か に分かれる理由がここにあります。

計算で使う

和が という事実は、値を求める問題で直接効きます。 のとき なので、。

たとえば を展開すると で、 を入れて になります。

一般の でも の高い累乗が出たら、指数を で割った余りに落とす。 は なら と同じ値です。

6 乗根を書き下してみる

なら偏角は 度きざみです。書き並べると次の 個。

実部を全部足すと 、虚部も打ち消し合って になります。積のほうは が偶数なので 。実際、実軸に関して対称な組が を残して打ち消し合う形です。

cos 72 度を求める

和が という事実は、具体的な三角比を出す道具にもなります。 で試します。

の実部だけを見ると、 と 、 と が共役なので

になります。ここで とおき、 倍角の公式で に直す。

の解をとって が出ます。正五角形と黄金比のつながりが、この式から顔を出す。

円周を分ける、という一点

の 乗根の性質は、どれも「単位円を 等分した点」という一行から出てきます。

和が なのは重心が中心にあるから。積が なのは偏角の総和が の整数倍になるから。式を覚え直すより、正 角形の絵を思い出すほうが早い場面が多くなります。

z^n = 1 の解は単位円を n 等分した点で、結ぶと正 n 角形。全部足すと 0、全部掛けると n が奇数なら 1、偶数なら -1 になります。等長の矢印を継いで多角形が閉じる図、等比数列の和、解と係数の関係の 3 通りで確かめました。和が 0 という事実から cos 72 度を求める道まで。