3 点 α、β、γ が一直線に並ぶのは、β−αγ−α が実数のときです[1]。
同じ式が純虚数なら、αβ と αγ は直角に交わります[1]。
判定はどちらも 1 つの商で済みます。角度を測らずに、実数か純虚数かを見るだけ。
商の偏角が角度を測っている
β−α は α から β への矢印、γ−α は α から γ への矢印です。
割り算は偏角の引き算なので、この商の偏角は 2 本の矢印がなす角そのものになります[3]。
argβ−αγ−α=∠βαγ
角が 0∘ か 180∘ なら商は実軸に乗り、±90∘ なら虚軸に乗ります。実数と純虚数という言い方は、角度の言いかえです。
共線条件を式で書く
w が実数であることは w=wˉ と書けます[1]。これを商に当てはめる。
β−αγ−α=(β−αγ−α)=βˉ−αˉγˉ−αˉ
分母を払うと、共役を含む 1 本の等式になります。座標に落とさずに扱えるので、そのまま計算を進められる。
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… linePoint[index][2] …)
例:3 点が一直線か調べる
α=1+i、β=3+2i、γ=7+4i とします。
β−α=2+i、γ−α=6+3i です。後者は前者の 3 倍そのもの。
β−αγ−α=2+i6+3i=3
実数なので一直線です。3 という値は、αγ が αβ の 3 倍の長さで同じ向きだと言っています。
γ を 7+5i に変えると、商は 516+2i になって実軸から外れます。並びません。
例:一直線になるよう定数を決める
α=1、β=2+i、γ=k+3i が一直線になる実数 k を求めます。
β−α=1+i、γ−α=k−1+3i です。商の分母を実数化する。
2(k−1+3i)(1−i)=2(k+2)+(4−k)i
実数になるのは虚部が 0 のときなので k=4。このとき γ−α=3+3i となり、1+i の 3 倍です。
垂直条件を式で書く
w が純虚数であることは w+wˉ=0 と書けます[1]。実部が消える条件です。
β−αδ−γ+(β−αδ−γ)=0
αβ と γδ が直角に交わる条件になります[1]。4 点が別々でよいので、共線条件より使う場面が広い。
w=0 は除きます。矢印が消えると向きが決まらないためです。
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… rightCorner[index][1] …)
例:直角三角形かを調べる
α=1+2i、β=4+3i、γ=5i で、α の角を見ます。
β−α=3+i、γ−α=−1+3i です。分母を実数化して割ります。
10(−1+3i)(3−i)=10−3+i+9i+3=i
i は純虚数なので直角です。しかも絶対値が 1 なので 2 辺の長さが等しく、直角二等辺三角形だと分かります。
商の値が i そのものになると、直角と等長が一度に読める。角度と長さを別々に調べる必要がありません。
例:なす角を求める
α=0、β=1、γ=1+i とします。β−αγ−α=1+i です。
偏角は 45∘ なので、角 βαγ は 45∘。絶対値は 2 で、αγ が αβ の 2 倍だと分かります。
角度と長さの比が 1 つの複素数に入っている。これが座標に落とさずに済む理由です。
行列式でまとめて書く
3 点の共線条件は、行列式が 0 になることとしても書けます[1]。三角形の符号つき面積が 0 になる形です[4]。
αβγαˉβˉγˉ111=0
商の形だと β=α のときに分母が 0 になりますが、行列式なら場合分けが要りません。3 点が重なっていても式が壊れない。
例:行列式で確かめる
さきほどの 1+i、3+2i、7+4i を入れます。第 1 行を (1+i, 1−i, 1) のようにとる形です。
展開すると (1+i)(−4+2i)−(1−i)(−4−2i)+4i になり、計算すると 0。一直線という判定に合いました。
商で出した 3 という値のほうが情報量は多く、行列式は判定に徹した形になります。
| 一直線 | β−αγ−α が実数 |
| 直角 | β−αδ−γ が純虚数 |
| 実数の条件 | w=wˉ |
| 純虚数の条件 | w+wˉ=0、ただし w=0 |
| なす角 | argβ−αγ−α |
α=2+i、β=5+3i、γ=−1−i の 3 点はどんな関係ですか。
__RESULT__
β−α=3+2i、γ−α=−3−2i です。商は −1 で実数なので一直線に並びます。値が負なので、α は β と γ のあいだにある。純虚数ではないので直角にはなりません。
つまずきやすいところ
矢印を引き算でつくらずに、点の値をそのまま割る。始点をそろえて引きます。
共線条件で商が 1 になるはずだと考える。実数ならどの値でも一直線です。
純虚数の条件から w=0 を落とす。0 は実数でもあり、向きが決まりません。
実部が 0 かどうかを見ずに、虚部だけを見る。純虚数は実部が 0 の数です。
分母と分子を入れかえて角の向きが変わることを見落とす。符号が反転します。
矢印を 2 本つくって割る。出てきた数が実軸に乗るか虚軸に乗るかを見るだけで、平行も直角もなす角も同時に片づきます。
出典
Marc Deisenroth. *Complex Numbers*. Revision Notes, Imperial College London, Department of Computing, 2017. Jörn Dunkel, Jeremy Orloff. *18.04 Complex Analysis with Applications*. MIT, Spring 2019. Collinear. Wolfram MathWorld.
$\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}$ が実数なら 3 点は一直線、純虚数なら 2 本は直角に交わります。割り算が偏角の引き算なので、この商の偏角が 2 本の矢印のなす角そのものになるため。実数は $w=\bar{w}$、純虚数は $w+\bar{w}=0$ と書き直せて、座標に落とさずに計算が進みます。$1+2i$、$4+3i$、$5i$ では商がちょうど $i$ になり、直角と 2 辺が等しいことを一度に読める。一直線になる定数の決め方と、場合分けの要らない行列式の形も並べました。
β−α=3+2i、γ−α=−3−2i です。商は −1 で実数なので一直線に並びます。値が負なので、α は β と γ のあいだにある。純虚数ではないので直角にはなりません。