内心は辺の長さで重みをつけた平均……重心とどこが違うか
内心は 3 頂点の平均ですが、重みが等しくありません。対辺の長さを重みにします[1]。
は の向かい側の辺の長さ、 は の向かい、 は の向かいです。
重心は重みが でした。同じ形の式で、重みだけが辺の長さに変わっている。
重みが変わると点が動く
重みつきの平均では、大きな重みのついた点のほうへ寄ります。
内心は、向かいの辺が長い頂点へ引かれる。長い辺の向かいにある角は大きく、その角の内側へ内心が入る形です。
正三角形では なので重みがそろい、内心と重心が同じ点になります。3 辺の長さが違うほど 2 つは離れる。
重みは 。頂点の位置だけで決まる
重みは 。辺の長さが効く

角の二等分線が比を決めている
角の二等分線は、向かい側の辺を隣の 2 辺の比に内分します[3]。
から出た二等分線が辺 と交わる点を とすると、 です。
内心はこの と を結ぶ線分の上にあり、 からの比が になります。
2 段の分点を 1 本にまとめると、 という形に落ちる。重みつき平均の式は、二等分線を 2 回とった結果です。
例:3 辺が 3、4、5 の直角三角形
、、 とします。原点で直角です。
対辺の長さを出します。、、。
内心は です。実軸からも虚軸からも距離が で、内接円の半径が だと読めます。
重心のほうは で、別の点になりました。
例:内接円の半径を出す
内心から辺までの距離が半径です。この三角形では、原点を通る 2 辺が実軸と虚軸に乗っています。
内心 から実軸までの距離は虚部の 、虚軸までは実部の 。斜辺までの距離も になるはずです。
面積と周長からも出せます。面積は 、周の半分は なので、半径は 。
例: から内心までの比
二等分線と辺 の交点は です。
から内心 までの長さは 、内心から までは 。
比は です。 と一致しました。
単位円にのせる置き方
外接円を単位円にとる置き方は、内心では少し工夫が要ります。頂点をそのまま置くと式が重い。
3 頂点を 、、 の形に書けるよう 、、 を選ぶと、内心が短く書けます[2]。
、、 はどれも絶対値が です。二等分線が外接円と再び交わる点が 、、 になり、内心はその 3 点でつくる三角形の垂心にあたります[2]。
例:正三角形では一致する
1 辺の長さが の正三角形をとります。 なので重みがそろう。
重心の式になりました。正三角形では内心も重心も外心も垂心も 1 点に重なります。
逆に、2 つが一致すれば正三角形だと分かる。重みの差が形の差を測っています。
例:二等辺三角形のとき
、、 とします。 で二等辺です。
、 になります。
実部が消えました。 と の重みが等しく、位置が原点について対称だからです。内心は虚軸の上に乗ります。
、、 の三角形の内心はどれですか。
整理
内心も重心も、3 頂点の重みつき平均です。違いは重みだけ[1]。
重心は で、頂点の位置しか見ません。内心は で、辺の長さが入ってきます。
外心と垂心は平均の形では書けず、垂直の条件から出しました。4 つの心のうち、平均で書けるのは 2 つです。
角の二等分線を 2 回とった結果が重みつき平均に落ちる。この道筋を押さえておけば、係数の 、、 がどこから来たか迷いません。










a=∣6−6i∣=62、b=6、c=6 です。内心は 62+1262⋅0+6⋅6+6⋅6i=62+1236(1+i) で、整理すると (6−32)(1+i) になります。2+2i は重心、3+3i は斜辺の中点で外心です。