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実軸で折り返すと共役になる(複素数平面の対称移動)

は、 を実軸で折り返した点である[1]。虚部の符号が変わるだけで、実部は動かない。

折り返す線を変えると、掛ける複素数が変わる。原点を通り実軸と角 をなす直線なら、次の形になる。

で そのもの。角の 2 倍が掛かるところが、回転との違いである。

実軸の折り返しが共役

に対して である。実部が残り、虚部の符号が反転する。

方眼の上では、横の位置がそのままで縦の位置が反対側へ移ることにあたる[2]。実軸そのものの上にある点は動かない。

折り返しを 2 回続けると元へ戻る。 という等式が、この当たり前を表している[3]。

虚軸と原点の場合

虚軸で折り返すなら、実部の符号だけを変える。 である。

原点に関して対称な点は、実部も虚部も符号を変えた になる。これは折り返しではなく の回転にあたる。

実軸で折り返す

虚軸で折り返す

続けると原点対称になる

2 本の垂直な直線で順に折り返すと、その交点に関する の回転になる。 という計算がそのまま図の話になっている。

例: を折り返す

実軸なら 、虚軸なら 、原点に関して対称なら である。

3 つを並べると、もとの点と合わせて長方形の 4 隅になる。実軸と虚軸が長方形の対称軸として働く。

どの点も原点からの距離が で変わらない。折り返しも の回転も、長さを保つ変換である。

例:実数条件と純虚数条件

は、折り返しても動かない点という意味になる。動かないのは実軸の上だけなので、 は実数である[3]。

なら実部が になる。 を添えれば純虚数の条件になる。

実軸で折り返しても動かない。 は実数

折り返して符号を変えると戻る。 は純虚数か

原点を通る直線の場合

実軸と角 をなす直線で折り返すと、掛ける数は になる。

手順で見ると分かりやすい。まず直線が実軸へ重なるまで全体を 回し、実軸で折り返し、 だけ戻す。

回して戻すぶんが二重に効くので、角が 2 倍になる。折り返しの合成が回転になるのと同じ理由である。

例:直線 で折り返す

なので 。掛ける数は である。

を入れると になる。実部と虚部が入れかわった形で、 の折り返しらしい結果である。

例:直線 で折り返す

傾き の直線は なので、 になる。

を入れると で、。原点からの距離は で保たれている。

例:原点を通らない直線

実軸に平行な直線 なら、 である。

虚軸に平行な直線 なら、 になる。どちらも折り返しに平行移動が付いた形。

一般には、直線上の 1 点 を使って と書ける。 を引いて原点へ運び、折り返し、戻す。

例: で折り返す

なので である。 を入れる。

なので になる。もとの点と答えの中点は で、確かに直線 の上に乗っている。

共役の計算法則

共役は和と積を素通りする[3]。

実数係数の式なら、丸ごと共役をとっても形が変わらない。折り返した図形が同じ式で表せる、という意味になる[4]。

点 を、原点を通り傾き の直線で折り返した点はどれですか。

__RESULT__

傾き は なので である。 を 倍して になる。 は共役をとっただけの点、 は原点に関して対称な点。

検算のしかた

もとの点と答えの中点が、折り返しの線の上に乗るかを見る。乗っていなければどこかで符号を落としている。

原点を通る直線なら、原点からの距離が両方で等しいかも見られる。2 つとも合えば、まず正しい。

つまずきやすいところ

直線の角 をそのまま掛ける。掛かるのは のほう。
共役をとらずに だけを掛ける。それでは回転になる。
原点を通らない直線で、平行移動のぶんを足し忘れる。 を引いて戻す手順に落とす。
純虚数の条件から を落とす。 も をみたす。

共役は折り返し、掛ける数は回転。この 2 つを分けて見れば、どんな直線に関する対称移動も 1 本の式に収まる。

参考文献

Komplexe Zahl - Wikipedia
Nombre complexe - Wikipédia
Complex conjugate - Wikipedia
复平面 - 维基百科
実軸で折り返すと $\bar{z}$、虚軸なら $-\bar{z}$、原点に関して対称なら $-z$。折り返す線を原点まわりに $\theta$ だけ傾けると、掛かる数は $\cos 2\theta + i\sin 2\theta$ になります。角が 2 倍になるのは、直線を実軸へ重ねてから折り返し、回したぶんを戻すため。$y=x$ なら $w=i\bar{z}$、$y=\sqrt{3}x$ なら $-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i$ を掛ける形に落ちます。$y=1$ のように原点を通らない線では平行移動が付き、$z=\bar{z}$ が実数、$z=-\bar{z}$ が純虚数の条件になる。