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内側か外側かは代入すれば分かる!二次曲線と不等式

が表すのは、楕円の内側です。等号を不等号に変えるだけで、線が面になる。

どちら側かを見分ける手は 1 つ。都合のよい点を 1 つ選んで代入し、符号を確かめます。

曲線は平面を分ける

とおきます。 が楕円そのもの。

は連続な関数なので、曲線をまたがずに点を動かすかぎり符号は変わりません。またいだ瞬間だけ、 を通って符号が入れかわる。

だから曲線で区切られた 1 つの部分では、 の符号がどこでも同じ。1 点だけ調べれば、その部分全体が決まります。

原点を入れると 。負なので、原点を含む側が 、つまり内側です。

楕円と放物線の内側

楕円は が内側、 が外側です[1]。左辺が距離のような量なので、小さいほうが中心寄りになる。

放物線 では、焦点 を代入します。 なので、焦点を含む側が です。

準線の側は 。曲線が開いているほうが「内側」で、こちらのほうが直感と合います。

円で見ると当たり前になる

は、原点からの距離が より短い点の集まりです。左辺は距離の 乗そのもの。

楕円は円を縦横に伸び縮みさせた形なので、同じ話が形を変えて出てきているだけ。 は、伸ばしたあとの距離にあたる量です。

この見方をしておくと、 が内側だと覚え直す必要がなくなる。

双曲線は 3 つに分かれる

は 2 本の枝を持つので、平面が 3 つの部分に分かれます[2]。

原点を入れると で負。原点を含む真ん中の帯が の側です。

左右の枝がそれぞれ囲む部分は 。焦点はここに入ります。2 か所あるので、「外側」と呼ぶと話が混ざる。

焦点を代入すると迷わない

原点が境界の上に来る場合など、原点が使えないこともあります。そういうときは焦点を代入する。

楕円 の焦点は 。入れると で、たしかに内側の値になります。

双曲線 の焦点は 。 なので、枝が囲む側です。

放物線 の焦点 なら 。焦点はいつも、曲線が囲む側に入ります。

境界を含むかどうか

なら境界の曲線も領域に入ります。図では実線で描く。

なら境界は入りません。破線で描いて、含まないことを示す。

境界の点そのものを代入すると、左辺と右辺が等しくなります。 ならこの点も領域に入り、 なら外れる。

不等号に等号がつくかどうかで、境界の線を実線と破線で描き分ける。

図だけでは伝わらないので、言葉でも「境界を含む」と書き添えます。

例:楕円の内側と直線

かつ を考えます。

前半は楕円の周と内部。後半は直線 の上側です。

重なりは、楕円を直線で切った 2 つのうち左上のほう。直線は楕円の内部を通るので、切り口は弦になります。

代入して確かめます。 を楕円に入れると で 。

交点は の 2 つ。この弦から上が答えの領域になります。

例:放物線と円

かつ を考えます。放物線の内側で、なおかつ円の内部。

境界の交点を求めます。 を円の式に代入すると 。

を解いて と 。 なので のほうだけが残ります。

交点は 。領域はこの 2 点でつながれた、レンズのような形になります。

例:双曲線を含む連立

かつ を考えます。

前半は 2 つの枝が囲む部分の両方。後半で を課すと、右側は で切られます。

左側の枝の内部は の範囲にあるので、 をつけても何も削れません。左右で条件の効き方が違う。

図に描くときは、右側の切り口だけ縦線が入ります。ここを見落としやすい。

例:2 つの曲線ではさむ

かつ を考えます。楕円の内部と、双曲線の枝の内部の共通部分。

境界どうしの交点を求めます。 から として、楕円の式に代入する。

分母を払うと で 。 です。

なので 。交点は 4 つあります。

領域は左右に 1 つずつ、2 つの部分に分かれる。つながっていない領域が答えになる場合もあります。

例:領域の中での最大

の範囲で、 の最大値を求めます。

とおくと、これは傾き の直線。 を大きくすると直線が右上へ平行移動します。

領域に触れているうちで が最大になるのは、直線が楕円に接するとき。内部の点なら、まだ右上へ動かせるからです。

接する条件から 。最大は で、接点で達します。

境界で最大になる理由

内部の点なら、値を増やす向きへまだ動ける

接する位置

これ以上動かすと領域から出てしまう。そこが限界

つまずきやすいところ

不等式を変形するとき、負の数を掛けたり割ったりすると不等号の向きが変わります。分母を払う場面で起こりやすい。

を「双曲線の外側」と呼ぶのも危ういところ。真ん中の帯であって、囲まれた部分ではありません。

一般形 の符号を考えるときは、まず標準形に直します[4]。 の項が残ったままでは、内側と外側の見当がつきません[3]。

が表す領域はどれですか。

  • 楕円の内部で、境界を含まない
  • 楕円の内部で、境界を含む
  • 楕円の外部で、境界を含まない
__RESULT__

原点を代入すると で成り立つので、原点を含む側です。等号がないので境界は入りません。

双曲線の側も見ます。

が表す領域はどれですか。

  • 原点を含む帯
  • 左右 2 つの枝が囲む部分
  • 平面全体から曲線を除いた部分
__RESULT__

原点を代入すると が成り立たないので、原点を含む帯ではありません。残るのは、枝がそれぞれ囲む 2 か所です。

境界の式を左辺にまとめ、点を 1 つ代入して符号を見る。手順はこれだけで、曲線の種類が変わっても変わりません。

参考文献

The Ellipse. Precalculus 2e, OpenStax.
The Hyperbola. Precalculus 2e, OpenStax.
Daniel Perrin. *Un memento sur les coniques*. Université Paris-Saclay.
*Kegelschnitte*. linalg.ch.
$x^2/9 + y^2/4 < 1$ は楕円の内側です。左辺から右辺を引いた式は連続なので、境界をまたがないかぎり符号が変わらない。だから都合のよい点を 1 つ代入すれば、その部分全体が決まります。原点が使えないときは焦点を入れる。双曲線は平面を 3 つに分け、原点を含む帯が $< 1$、枝が囲む 2 か所が $> 1$。放物線と円ではさむ領域、楕円と双曲線ではさんで 2 つに分かれる領域、領域の中で $x + y$ を最大にする位置まで。