アルキメデスが 4/3 にたどり着いた放物線の弓形の面積
放物線と直線で囲まれた部分の面積は、そこに内接する三角形のちょうど 倍になります[1]。
という値は、放物線の形にも弦のとり方にもよりません。積分のなかった時代に、アルキメデスがこの比を出した。
弓形と内接三角形
放物線を 1 本の直線で切ります。切りとられた部分を弓形と呼ぶ。
弦の両端を 、 とし、3 つめの頂点 を放物線の上にとります。 は、弦と平行な接線の接点。
の 座標は と の中点にあたります。放物線では、平行な弦の中点が 1 本の直線に並ぶためです。
この をとると、三角形 が弓形の中でいちばん大きくなります[1]。
1 の 6 分の 1 公式で面積を出す
放物線を の形に整理すると、差が因数分解された式になります。
だから弓形の面積は 。 公式と呼ばれる形です。
三角形の面積
の 座標は 。ここでの放物線と直線の縦の差を出す。
底辺を横幅 、高さをこの縦の差とみなすと、三角形の面積が出ます。
割り算します。。 も も約分されて消えました[1]。
比が に固定されるのは、どちらの面積も に比例するからです。
係数だけが と で違う。弦を長くしても短くしても、比は動きません。
アルキメデスの詰め方
三角形を 1 つ入れると、隙間が 2 つ残ります。その隙間にも同じ手順で三角形を入れる。
新しくできた 2 つの三角形の面積の合計は、前の三角形の になります。弦の幅が半分になるので、 が 2 つぶんで 。
いつまでも続けると、合計は等比級数になります。
が出ました。公比 の無限等比級数、という高校の数列の話にそのままつながります。
例: と
交点は を解いて と 。、 です。
弓形の面積は 。
の 座標は で、放物線の値が 、直線の値が 。縦の差は です。
三角形の面積は 。比は で合いました。

例:通径で切る
を で切ります。焦点を通る縦の弦なので、長さは通径の 。
弓形の面積を で積分します。
三角形の頂点は 、、 で、面積は 。
比は 。軸に垂直な弦でも、やはり同じ値です。
斜めの弦でも変わらない
弦が軸に垂直でなくても のまま。これがこの定理の強いところです。
理由は、平面を横にずらす変換で確かめられます。 を へ写すと、斜めの弦が水平になる。
この変換で面積は変わらない。放物線は放物線のまま写るので、水平な弦の場合に帰着できます。
弓形も三角形も で増える。比は動かない
面積を保つ変換で水平に直せる。やはり比は動かない
楕円や双曲線では成り立たない
同じことを楕円でやっても、比は になりません。弦のとり方で変わってしまう。
放物線だけが特別なのは、どの放物線も拡大縮小で重ね合わせられるためです[2]。離心率が しかないので、形の種類が 1 つしかない。
楕円は の値だけ形の種類があり、双曲線も同じ。そのぶん、比が一定になる余地がありません[3]。
つまずきやすいところ
公式の は、放物線の の係数です。直線の傾きは入らない。差をとると 1 次の項が消えるためです。
三角形の高さを「点と直線の距離」で出そうとすると計算が重くなる。縦の差と横幅で出すほうが速い。
は弓形と三角形の比であって、弓形と長方形の比ではありません。 という別の比と混ざりやすい。
と で囲まれた部分の面積はどれですか。
比のほうも確かめます。
放物線と弦で囲まれた弓形の面積が でした。内接する三角形の面積はどれですか。
弓形が三角形の 倍なので、三角形は です。
三角形を 1 つ入れて、隙間に入れて、また入れる。無限に続く手順の答えが という有限の値になるところが、この定理の見どころです[4]。














交点は x=±2 なので β−α=4。61×64=332 です。