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未知数はいくつ?条件から二次曲線の方程式を決める

焦点が で長軸の長さが の楕円は、1 つしかありません。 です。

決まる理由は数の勘定にある。標準形の楕円を決める数は 2 つ、与えられた条件も 2 つ。数がそろえば曲線は 1 本に絞られる。

未知数の個数を先に数える

標準形に持ちこんだとき、決めるべき数がいくつ残るかを数えます。ここが出発点になります。

楕円 なら と の 2 つ。双曲線 も 2 つ。放物線 は だけの 1 つです。

条件 1 つにつき等式が 1 本立ちます。だから楕円と双曲線には条件が 2 つ、放物線には 1 つ要る。

曲線標準形決めるべき数
放物線 の 1 つ
楕円、 の 2 つ
双曲線、 の 2 つ

中心が原点になければ と が増えて 4 つ。軸が座標軸から傾いていれば、さらに回転角が加わります。

焦点の位置が決めるのは だけ。長さの条件がもう 1 つ来て、はじめて曲線が止まります。

楕円は長さの関係が橋渡しになる

楕円では が成り立ちます。短軸の端から 2 つの焦点までの距離がどちらも になり、三平方の定理を当てるとこの形が出ます[2]。

条件が焦点で与えられても長さで与えられても、この式を通せば互いに行き来できる。決定の問題はほとんどこれで片づきます[3]。

例:焦点と長軸の長さから

焦点が 、長軸の長さが とします。長軸は なので 。

焦点の 座標が にあたるので 。 です。

焦点が 軸の上にあるので、大きいほうの分母が の下に来ます。ここをとり違えると縦長の楕円になってしまう。

例:2 点を通る楕円

中心が原点、軸が座標軸にあり、点 と を通る楕円を求めます。焦点は与えられていない。

こういうときは と置き、 と を未知数にします。 と のまま扱うより連立が軽くなる。

、 と置けば 、。解くと 、 です。

、 なので、大きいのは のほう。長軸は 軸の向きです。

と を未知数に置くと、連立が 1 次方程式になるので手が止まりません。

や をそのまま文字にしただけですが、逆数で置きかえるとさらに軽くなる。

例:離心率と準線から

離心率 、準線が の楕円を求めます。中心は原点とする。

準線は中心から の位置にあり、焦点は の位置[1]。前者から で 。

なので になります。

離心率は と の比です。比の条件が 1 つ、位置の条件が 1 つで、やはり 2 つそろっている。

双曲線は漸近線が強い条件になる

双曲線 の漸近線は です[4]。漸近線が与えられると、 と の比が先に決まります。

比が決まっているなら、 と定数を右に置いた形で扱うと速い。 を 1 つ決めれば曲線が定まります。

なら左右に開き、 なら上下に開く。同じ漸近線を持つ双曲線が 2 種類ある、ということです。

canvas: 絵を作れませんでした

例:漸近線と通る点から

漸近線が で、点 を通る双曲線を求めます。

なので 。 の分母を払うと の形になります。

を代入すると 。 です。

通る点を に替えると となり、。こちらは上下に開く双曲線になります。

漸近線だけでは向きが決まりません。通る点がどちら側にあるかで、右辺の符号が入れかわる。

例:焦点と頂点から

焦点が 、頂点が の双曲線を求めます。頂点までの距離が 、焦点までが です。

双曲線では と、足し算になります[4]。楕円と符号が違う点だけ気をつける。

なので 。漸近線は です。

放物線は条件が 1 つで足りる

の焦点は 、準線は 。決めるべき数が しかないので、条件は 1 つで十分です[1]。

焦点が なら で 。準線が でも同じ式になります。

軸が 軸なら の形。準線が なら で となり、下に開きます。

例:通る点から放物線を決める

頂点が原点、軸が 軸で、点 を通る放物線を求めます。

に代入すると で 。 です。

軸が 軸だとしたら に代入して 、 で 。軸の向きを決めないと答えが 1 つになりません。

中心がずれている場合

中心が に移ると、未知数が 4 つに増えます。そのぶん条件も 4 つ要る。

焦点が と 、長軸の長さが の楕円を考えます。焦点の中点が中心なので 。

焦点どうしの距離が なので 、、 です。

焦点の 座標がそろっているので、長軸は横向き。座標の並びを見れば向きが読めます。

出した式を条件に戻して確かめる

決めた式から、与えられた条件をもう一度計算し直します。焦点なら を出し、通る点なら代入する。

に を入れると 。 なら で、どちらも合います。

なら で焦点は 。与えられた条件に戻りました。

焦点が で、短軸の長さが の楕円はどれですか。

__RESULT__

短軸が なので 。 から です。 は に を置いてしまった形になります。

漸近線が与えられたときの置き方も確かめます。

漸近線が で、点 を通る双曲線はどれですか。

__RESULT__

と置いて を代入すると 。両辺を で割ると です。 なので、 に対して になります。

未知数がいくつあるかを先に数え、条件をその数だけ集める。決定の問題は、この順で組み立てると迷いません。

参考文献

Daniel Perrin. *Un memento sur les coniques*. Université Paris-Saclay.
*Kegelschnitte*. linalg.ch.
The Ellipse. Precalculus 2e, OpenStax.
The Hyperbola. Precalculus 2e, OpenStax.
焦点が $(\pm 3, 0)$ で長軸が $10$ なら、楕円は 1 つに決まります。決めるべき数が楕円と双曲線で 2 つ、放物線で 1 つ。条件もその数だけそろえばいい。楕円は $a^2 = b^2 + c^2$ が焦点と長さを橋渡しし、双曲線は漸近線が $a$ と $b$ の比を先に決めます。同じ漸近線でも右辺の符号で開く向きが変わること、2 点を通る楕円を $x^2/A + y^2/B = 1$ と置いて 1 次の連立に落とす手、中心がずれた場合の数え直しまで扱いました。