接点がないのに引ける直線 - 二次曲線の極と極線
楕円 の上の点 における接線は、 でした。
この式に、曲線の上にない点を入れてみます。 が外にあっても内にあっても、出てくるのは直線。その直線には意味があります[1]。
接線の公式の形
接線の式は、もとの方程式の を に、 を に置きかえた形をしています[3]。
を に置きかえる、と覚えてもよい。1 次の項がある場合まで含めて、この置きかえで通ります。
放物線 なら 。円 なら です。
外の点を入れると接点を結ぶ直線が出る
点 を楕円の外にとり、そこから 2 本の接線を引きます。接点を 、 とする。
での接線は で、これが を通ります。
この式は「 が直線 の上にある」とも読めます。 と にどちらの座標を入れるかを入れかえただけ。
についても同じ式が立つので、この直線は と の両方を通る。2 点を通る直線は 1 本しかないので、それが です[1]。
を極、直線 を の極線と呼びます。
例: 軸の上に極をとる
で、極を とします。
極線は 、つまり 。縦の直線です。
接点を求めます。 を楕円に代入すると で 。
接点 での接線は 。 を入れると で、たしかに通ります。
例: 軸の上に極をとる
同じ楕円で とすると、極線は から 。
代入して 、 が接点です。
極が軸の上にあると、極線は軸に垂直になります。対称性から当然の結果になる。
極が曲線の上にあるとき
が楕円の上にあれば、 が成り立ちます。
このとき極線は、その点自身を通ります。接線とまったく同じ直線になる。
2 つの接点が 1 点に重なった形、と見られます。極線は接線を含む、より広い考え方です[1]。
極が内側にあるとき
極が楕円の内側にあると、接線は 1 本も引けません。それでも極線の式は書けます。
出てくるのは、楕円と交わらない直線。この直線には別の意味づけがあります[1]。
を通る弦を 1 本引き、その両端での接線の交点をとる。弦を回すと交点が動き、その軌跡が の極線になります。
極が内側にあるときの極線は、 を通る弦の両端で引いた接線が出会う点の集まりです。
極が外にあるときは、この交点が 自身に重なります。内と外で役割が入れかわる。
極と極線は入れかわる
が の極線の上にあるとします。このとき の極線は を通ります[1]。
理由は式の対称性。 が の極線上にある条件は次の式です。
と を入れかえても同じ式。だから「 が の極線上にある」とも読めます。
ラ・イールの定理と呼ばれる関係です。点と直線を入れかえても言明が生きる、という形の対応になっている[1]。
焦点の極線は準線になる
楕円の焦点 を極にとります。極線は 、つまり 。
これは準線そのものです[2][4]。離心率の定義に出てくるあの直線が、極と極線の言葉でも書けました。
放物線でも同じことが起こります。 の焦点 を入れると で 。準線になる。

円では距離が逆数の形で結ばれる
円 で、極を中心から距離 の点にとります。極線は中心から の距離に立つ直線。
が大きいほど極線は中心に近づき、 が小さいほど遠ざかります。掛けると で一定。
なら極線までの距離も 。円の上の点では極線が接線になる、という話と合っています。
中心を極にすると
楕円の中心 を入れると、極線の式は になります。満たす点は 1 つもない。
中心には極線がない、と言うこともできますが、無限に遠い直線が対応していると考えるほうが自然。極が中心に近づくほど、極線はどこまでも遠ざかっていきます。
について、点 の極線はどれですか。
相互の関係も確かめます。
点 が点 の極線の上にあるとき、確実に言えるのはどれですか。
- と は曲線上にある
- は の極線の上にある
- 直線 が曲線に接する
条件の式が と の座標について対称なので、立場を入れかえても成り立ちます。曲線上にあるかどうかは、この条件からは決まりません。
接線の公式に外の点を入れる。ただそれだけの操作から、接弦も準線も、点と直線の入れかわりも出てきます。














168x+42y=1 を整理すると 2x+2y=1 です。分母は極の座標ではなく、もとの方程式の a2 と b2 をそのまま使います。