xy の項があったら回して消す|二次曲線の回転移動と判別式
のグラフは、中学で習った反比例の曲線です。これを 度回すと になり、双曲線の標準形が現れます。
の項は、曲線が座標軸に対して傾いていることを表す印。回して消せば、知っている形に戻ります。
一般形のどこに傾きが出るか
と の 2 次式は、まとめて次の形に書けます[3]。
と は平行移動、 は大きさに関わる部分。傾きを担っているのは だけです。
なら平方完成で標準形へ持っていけます。 のときは、先に回転させて を消す必要がある[2]。
座標軸を だけ回す
新しい座標 との関係は、回転の公式で書けます[3]。
これを代入して整理すると、 の係数は次のようになります。
とおけば 、言いかえると です[3]。
のときは分母が になり、 すなわち 。よく出てくる形です。
回している最中の楕円は、灰色のまま動きません。動いているのは軸のほう。
例: を回す
、 なので 。 から 、 です。
を代入します。
積をとると 。 は次の式に変わります。
の双曲線です。 と が等しい双曲線は漸近線が直交し、直角双曲線と呼ばれます[4]。
反比例のグラフは双曲線だった。漸近線は 軸と 軸そのもので、たしかに直交しています[1]。
判別式は回しても変わらない
回転角を求める前に、どの種類の曲線かを知る方法があります。 を計算するだけ[3]。
この値は回転で変わりません。だから回す前の式のまま判定できます。
| 曲線の種類 | |
|---|---|
| 負 | 楕円 |
| 放物線 | |
| 正 | 双曲線 |
なら で双曲線。回す前から分かっていた、ということになります。
例:
判別式は 。負なので楕円です[3]。
なので 、。
半角の関係から で、、 になります。
新しい の係数を計算すると 。
長軸が 、短軸が の楕円。それが の向きに傾いていた、と読めます。
係数だけで標準形を出す近道
回転後の と の係数を 、 とします。回しても変わらない量が 2 つあるので、連立できます[2]。
和は 、積は 。この 2 つから と が求まります。
さきほどの例なら で 。角度を求めずに標準形までたどり着けます。
この 2 次方程式には別の顔があります。式の 2 次の部分を行列で書いたときの、固有値を求める式と同じもの。
対称行列は回転で対角化できます[2]。「回して を消す」という操作を、行列の言葉で言い直すと対角化になります。
例:
判別式は なので双曲線です。 なので 。
、 から 。 です。
、 の双曲線。漸近線の傾きは 。
例:判別式が になる場合
を見ます。判別式は なので放物線です。
次の部分は とまとまる。 なので、やはり 回す。
、 を代入すると になります。
を平方完成して、。頂点がずれた放物線です。
回転が先、平行移動があと
の式をいきなり平方完成しようとしても、 が残っていて だけの平方にまとまりません。
順番は回転が先、平行移動があと。回して を消してから と を平方完成で処理します[1]。
逆に なら回す必要はありません。平行移動だけで標準形に届く。
つぶれてしまう場合
判別式が負でも、楕円になるとは限りません。 は原点 1 点、 は空集合です[1]。
判別式が正のとき なら、 という 2 直線になります。
判別式が見ているのは、式の2 次の部分だけです。
定数項まで含めると、同じ判別式でも曲線になったり、1 点になったり、空集合になったりする。
種類の見当をつけるところまでが判別式の仕事。最後は式そのものを確かめます。
はどの曲線ですか。
- 楕円
- 放物線
- 双曲線
回転角を求めずに標準形へ届く手も確かめます。
を回したあとの と の係数はどれですか。
- と
- と
- と
和が 、積が 。 を解くと です。
があるかどうかを見て、あれば回す。回したあとは平方完成に任せる。この 2 段構えで、どんな 2 次式も標準形にたどり着きます。













判別式は 100−4×3×3=64 で正なので双曲線です。A=C なので 45∘ 回すと 8x′2−2y′2=8 になります。