切りとられた線分の中点が接点になる|双曲線の接線と漸近線
双曲線の接線を 1 本引くと、2 本の漸近線に両側から切りとられます。その線分の中点が、ちょうど接点になる。
さらに、接線と 2 本の漸近線が囲む三角形の面積は で一定です[2]。接点をどこにとっても変わりません。
漸近線を座標軸にしてみる
の漸近線は でした[3]。
この 2 本を軸にとった座標で書き直すと、双曲線の式は という形になります[1]。
反比例のグラフと同じ形。 で成り立つことを確かめれば、そのまま一般の双曲線に持ち帰れます。
例: で確かめる
の上の点を とします。微分すると 。
接線の式を整理すると、切片の形にまとまります。
軸との交点は 、 軸との交点は 。この 2 点の中点は です。
接点そのものになりました。切片がどちらも接点の座標のちょうど 2 倍、という形になっている。
三角形の面積も出ます。 で、 が消えました。
切片が接点の座標のきっかり 2 倍になるので、掛けたときに が約分されて消えます。
面積が一定になる仕組みはここ。片方が伸びれば、もう片方が同じ割合で縮みます。

一般の双曲線でも同じことが起こる
接点を とし、接線 を漸近線と連立させます。
を代入して整理すると、交点の 座標が出る。
はもう一方の漸近線 との交点です。2 つを足して 2 で割る。
ここで が双曲線の上にあることを使います。 の分母を払うと 。
代入すると中点の 座標は 。 座標も同じ計算で になります。接点が中点だと確かめられました。
三角形の面積が一定になること
原点と 2 つの交点で作る三角形の面積は、次の行列式で書けます。
、 を入れると、。
なので、 です。
接点の座標がきれいに消えました。どこで接しても三角形の面積は同じ。
原点からの距離の積も一定
と の長さを掛けると、これも一定になります。アポロニウスが示した性質です[2]。
で、 も同じ形。
値は 。焦点までの距離の 2 乗になっているところが面白い。
例:数値で追う
をとります。、、漸近線は 。
接点を とすると、接線は 、整理して 。
と連立すると で 。 とは で 。
中点は で接点と一致。面積は で と合います。
、 なので積は 。 でした。
接点が分かれば接線が引ける
この性質は作図に使えます。接点 を通り、漸近線に切られる線分の中点が になる直線を引けばよい。
定規だけで手順が組めます。漸近線上に点をとり、 について対称な点をもう一方の漸近線上に探す。
逆に、漸近線と面積が分かっていれば双曲線が決まります。三角形の面積が なので、 の値がそのまま読みとれるため。
漸近線に切られた線分を、いつも二等分する
接線と 2 本の漸近線が囲む面積は で動かない
反比例のグラフで見ると
は なので、直角双曲線です。座標軸が漸近線にあたる。
接線が座標軸から切りとる三角形の面積は 。 を大きくすると曲線が原点から遠ざかり、三角形も大きくなります。
なので 。一般の式にきちんと当てはまっています[4]。
の接線と 2 本の漸近線が囲む三角形の面積はどれですか。
中点の性質も確かめます。
双曲線の接線が漸近線と交わる 2 点を 、 とします。接点 について正しいのはどれですか。
- がいつも成り立つ
- になるのは頂点のときだけ
- と の比は接点で変わる
接点は線分 の中点なので、どこで接しても 2 つの距離は等しくなります。
漸近線を軸だと思って に読みかえる。それだけで、中点の性質も面積の一定も、計算せずに見通せます。













a=2、b=3 なので ab=6 です。接点をどこにとっても同じ値になります。