円と放物線の両方に接する直線を探す、共通接線の作り方
円 と放物線 の両方に接する直線は 4 本あります。そのうち 2 本は と 。
2 つの曲線に同時に接する直線を共通接線といいます。片方の接線を傾きで書き、もう片方に接する条件を課す。これが基本の手です[1]。
接線を傾きで書く
曲線ごとに、接線を傾き で表す形が決まっています。
放物線 なら 。楕円 なら [2]。
円の場合は、中心から直線までの距離が半径に等しい、という条件で書きます。この形がいちばん扱いやすい。
だから円が絡む問題では、円でないほうの接線を先に書き、距離の条件を後から課すと計算が短くなります。
円と円で試す
まず 2 つの円で確かめます。 と 。
接線を とすると、原点からの距離が で 。中心 からの距離が で 。
第 1 式を第 2 式に入れると 、つまり 。
のとき 、 のとき 。あわせて 4 本です。
後者の 1 本は 。原点からの距離が 、 からは で、条件を満たしています。
円と円なら、両方とも距離の条件で書けるので式がそろいます。
片方が放物線や楕円になると、接する条件の形が変わる。書き方をそろえるのが最初の仕事です。
半径 と なら、和が 、差が 。中心の距離がこの 2 つをまたぐたびに、本数が変わる。
| 中心の距離 | 位置関係 | 共通接線 |
|---|---|---|
| より大 | 離れている | 4 本 |
| 外接 | 3 本 | |
| と のあいだ | 2 点で交わる | 2 本 |
| 内接 | 1 本 | |
| より小 | 一方が他方を含む | 0 本 |
円と放物線
の接線は 、整理して です。
円の中心 からの距離が半径 になる条件を書く。
両辺を 2 乗し、 を掛けて整理すると の 4 次式になります。 と置くと 2 次式です。
と 。 と の 4 本が出ました。
出た直線を確かめる
なら で、直線は 。
放物線に代入すると 、つまり で重解。接点は です。
円の中心 から までの距離は 。半径と一致しました。
のほうは 。距離は で、こちらも条件を満たします。

例:放物線どうし
と の共通接線を求めます。上に開く放物線と、下に開く放物線。
の接点を とすると、接線は 。
の接点を とすると、接線は 。
2 本が一致する条件は、傾きと切片がそれぞれ等しいこと。 から 、 から です。
なので、共通接線は と の 2 本。
放物線どうしでは、接線をどちらも傾きと接点で書けるので、連立が軽くなります。
縦の直線を忘れない
の形では、 軸に垂直な直線が書けません。別に調べる必要がある。
放物線 に接する縦の直線は 、頂点での接線です。円の中心からの距離は で、半径 と違う。
だから今回は共通接線になりません。もし円が に接する位置にあれば、5 本目として数えることになります[3]。
円と楕円で接する例
と をとります。
楕円の短軸の端 は、円の上にもあります。この点で 2 つの曲線が接している。
そこでの接線は と 。どちらも共通接線で、合計 2 本。
円が楕円の内側で接するので、外側から挟む接線は引けません。位置関係で本数が決まるところは、円どうしと同じ。
接点を 2 つ置く解き方
別解として、接点を先に置く方法もあります。放物線の接点を 、円の接点を角度で表し、接線が一致する条件を立てる。
未知数が 2 つに増えるので、連立が重くなります。傾き 1 つで済む方法のほうが速い。
ただし接点そのものを問われている問題では、こちらが素直です。何を求めるかで選び分ける。
未知数は の 1 つ。本数を数えるのに向く
未知数は 2 つ。接点を答える問題に向く
つまずきやすいところ
の 4 次式を で 2 次に落としたあと、 が負の解を捨て忘れると、実在しない接線が出ます。
、つまり も要注意。放物線の接線の式 は で使えません。水平な直線は接線になりません[4]。
円の距離の条件は 2 乗すると符号が消えます。求めた直線を、必ずもとの式に戻して確かめる。
と の共通接線は何本ですか。
- 2 本
- 3 本
- 4 本
放物線との組み合わせも確かめます。
放物線 の接線を と書いたとき、 について正しいのはどれですか。
- の場合は別に調べる
- は正の値しかとれない
- が決まると接線が 2 本できる
を入れると が定義できません。水平な直線は に接しないので、この形から外れます。
接線の書き方を曲線ごとにそろえ、あとは条件を 1 つ課す。共通接線の問題は、この 2 段で片づきます。













半径の和が 2、差が 0。中心の距離 4 は和より大きいので、2 円は離れています。外側 2 本と内側 2 本で 4 本です。