2 つの交点を通る曲線をまとめて書く - 二次曲線の束
2 つの曲線 と が交わっているとします。このとき は、 が何であっても交点を通る。
交点では も も なので、足しても のままだからです。この でつながった曲線の集まりを束と呼ぶ。
交点を求めずに扱える
交点の座標を知る必要はありません。 と の式さえあれば、通ることが式の形から保証されます。
条件を 1 つ足せば が決まり、曲線が 1 本に定まる。連立方程式を解く手間が消えます。
2 つの円で見る
円 と、円 をとります。
差をとると 次の項が消える。 で 。
これが 2 交点を通る直線、根軸です。交点は 。
例:交点と原点を通る円
同じ 2 円の交点を通り、さらに原点を通る円を求めます。束の式に を代入する。
です。代入して整理すると 。
交点 を入れます。左辺は 。
右辺も で、たしかに通っている。
交点の座標を出さずに答えが決まるのは、通る条件が式の形に組みこまれているからです。
残った自由度は の 1 つだけ。条件を 1 つ足せば、それで曲線が決まります。
二次曲線どうしの束
と がどちらも 次式なら、 も 次式です。交点は最大で 4 つ。
楕円 と、円 で試します。
連立すると 、。交点は の 4 つです。
束の式は次の形になります。
と の係数がどちらも でずれていく。この 2 つの符号で、曲線の種類が決まります[2]。
種類が切りかわる
の係数が になるのは 。このとき式は だけの 次式になります。
で 。横に伸びる 2 本の直線です。4 交点をきちんと通っている。
の係数が消えるのは 。同じ計算で という縦の 2 直線が出ます。
3 組めの 2 直線
定数項が消える もあります。 から 。
を掛けて整理すると 、つまり 。原点で交わる 2 直線です。
4 交点を 2 点ずつの組に分ける分け方は 3 通り。その 3 通りが、いま出てきた 3 組の直線にあたります。

の範囲で種類が決まる
と の符号が同じなら楕円、違えば双曲線です[1]。
ならどちらも正。 ならどちらも負で、こちらも楕円になります。
そのあいだの では符号が食い違い、双曲線が出る。境目の 2 か所が、さきほどの 2 直線です。
| の範囲 | 出てくる曲線 |
|---|---|
| 楕円 | |
| 横向きの 2 直線 | |
| 双曲線 | |
| 縦向きの 2 直線 | |
| 楕円 |
自身は束に入らない
という書き方では、 そのものを表せません。 をどれだけ大きくしても届かない。
と 2 つの係数で書けば、 で が出ます。答案では「 を除く」と断るか、この形にします。
を無限に飛ばした極限が 、と考えるとつながりが見えます[3]。
使いどころ
交点を通る条件が並ぶ問題で効きます。座標が汚い交点でも、束なら整数のまま扱える。
2 円の根軸も、束の特別な場合。 次の項が消えるように を選んだ形です。
放物線と直線の組み合わせでも同じ。 が二次式、 が一次式なら、 は二次式のままです[4]。
座標が無理数だと式が重くなる
交点を出さずに済む。条件 1 つで が決まる
つまずきやすいところ
の と は、右辺を に寄せた形で使います。 のままでは足せません。
条件を代入して が求まらないときは、その曲線が である可能性を疑う。束から外れている場合です。
種類の判定は と の係数だけでは足りません。 の項がある一般の束では、判別式まで見ます[2]。
円 と円 の 2 交点を通る直線はどれですか。
束の中身も確かめます。
の形について、正しいのはどれですか。
- の値によらず の交点を通る
- を選べば そのものが作れる
- 交点がないときは式が書けない
交点では も も なので、どんな でも成り立ちます。 は と書かないと出せません。
交点を通ることを、解かずに式の形で背負わせる。束はそのための道具です。













差をとると 4x+4=0 で x=−1 です。2 次の項が消えるのは、k=−1 を選んだときになります。