「半直弦」が決める焦点を通る弦の長さと逆数の和
放物線 の焦点を通る弦を引き、焦点から両端までの距離を 、 とします。すると になる。
弦をどの向きに回しても、この和は変わりません。逆数で足すと角度が消える、という形の関係です。
極方程式に戻ると見える
焦点を原点にとった二次曲線の極方程式は、次の形でした[2,4]。
が離心率、 は のときの にあたる長さです。
焦点を通る弦の両端は、焦点から見て正反対の向きにあります。角度でいえば と 。
逆数にして足すと、 の項が打ち消し合います。
が消えました。弦の向きによらず一定になる理由が、この 2 行に収まっています。
半直弦という長さ
のとき なので 。焦点から軸に垂直な向きに測った距離です。
焦点を通り軸に垂直な弦を通径といい、その半分が 。半直弦と呼ばれます[1]。
楕円で値を出してみます。 を に代入する。
が出ました。通径は です[3]。
| 曲線 | 半直弦 | 通径 |
|---|---|---|
| 放物線 | ||
| 楕円 | ||
| 双曲線 |
双曲線でも計算は同じ形。 を使うので途中の符号だけが変わります。
半直弦は 2 つの距離の調和平均
を について解きます。
これは と の調和平均の形。半直弦は、焦点弦が切られた 2 つの部分の調和平均になっています。
平均なので、 は と のあいだの値。片方が短くなれば、もう片方が必ず長くなります。
例:放物線の焦点弦
では 、、通径は です。焦点は 、準線は 。
焦点までの距離は、準線までの距離と等しい。曲線上の点 について になります。
傾き の焦点弦 を代入すると 、つまり 。
解と係数の関係から 、。距離に直すと 、 です。
弦の長さは 。 の値を求めずに、和と積だけで答えが出ました。
例:垂直な焦点弦
同じ放物線で の縦の弦をとります。 で 、長さは 。
なので、逆数の和は 。さきほどと同じ値です。
これが通径。 という長さは と一致しています。
例:楕円の焦点弦
では 、、。半直弦は で、 です。
長軸そのものを焦点弦と見ると、、。
一致しました。長軸という特別な弦でも、式はそのまま通ります。
いちばん短い焦点弦
を計算すると、次の形になります。
楕円では なので、分母が最大になるのは のとき。そこで弦は最短になります。
つまり通径が、いちばん短い焦点弦です。最長は のときで、値は 。長軸そのもの。
軸に垂直な通径。長さは
軸に沿った長軸。長さは
放物線では なので分母は になり、やはり通径が最短。上限のほうはありません。

放物線の焦点弦にはもう 1 つ性質がある
の点を と媒介変数で書きます。2 点を結ぶ弦が焦点を通る条件は 。
このとき 、。どちらも定数になります。
両端での接線の傾きは と で、積は 。焦点弦の両端の接線は直交します。
双曲線では符号に気をつける
双曲線の焦点弦には 2 種類あります。同じ枝を 2 度切る弦と、2 つの枝にまたがる弦。
同じ枝を切る場合は楕円と同じ式が通ります。またぐ場合、極方程式の が負になる向きが現れる。
このとき素直に足すのではなく、差の形で見ることになります。図を描いて、どちらの弦かを先に決めると確実。
の通径の長さはどれですか。
逆数の和も確かめます。
放物線 の焦点を通る弦で、焦点から一方の端までが でした。もう一方の端までの距離はどれですか。
から 、半直弦は です。 を解くと になります。
弦の長さそのものは角度で変わる。逆数にして足すと変わらない。焦点弦の問題は、この形に持ちこむと計算が短くなります。














半直弦は ab2=516 なので、通径はその 2 倍で 532 です。10 は長軸の長さにあたります。