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2 つの角が同時に出てくる連立三角方程式|和積の使いどころ

を同時に満たす を求めます。

角が 2 つ、式が 2 本。どちらの式にも が混ざっていて、片方を消せません。

道は 2 つあります。2 乗して足すか、和積で に化けさせるか。

どちらでも に着きます。

2 乗して足す

いちばん短いのはこの手です。それぞれを 2 乗して足します。

左辺を展開します。 が出てきます。

残る交差項は 。これは の加法定理の形です[1]

なので なら です。

あとは簡単。 から

で、 も同じ値です。

2 乗して足すと、 が 2 回まとまり、加法定理が 1 回現れる。この 3 つの働きで一気に片づきます。

ベクトルとして読む

2 乗して足す計算には、図としての意味があります。

は、どちらも長さ のベクトルです[2]

2 本の和が になる、というのが与えられた条件。

この和の長さは です。

長さ のベクトル 2 本を足して長さ になるのは、2 本が同じ向きのときだけ。

だから が出ます。計算せずに結論が見えました。

和の長さが より小さければ、2 本は開いています。 なら真反対を向いている。

和の長さが 2

2 本が重なっている。

和の長さが 2 未満

2 本は開いている。開き具合が を決める

和積で解く

もう 1 つの道です。それぞれの式に和積を当てます[3]

どちらにも が現れました。ここが要です。

割り算すると、その共通因子が消えます。

または です。

2 乗して足すと、今度は がまとまります。

から

なら のあいだにあるので、 すなわち だけが残ります。

となり、。もう一方の候補 は、代入すると符号が合わず消えます。

2 つの式に和積を当てる

割り算で共通因子を消し、(x+y)/2 の tan を出す

2 乗して足し、(x-y)/2 の cos を出す

和と差から x と y に戻す

どちらの道を選ぶか

2 乗して足す道は速いですが、 しか出ません。 の情報が消えます。

さきほどの問題では が出たので、そのあと 1 本の式に戻せました。運がよかった形です。

でない場合は、 も要ります。そのときは和積の道です。

和積は の両方を出してくれます。情報が落ちません。

まず 2 乗して足してみて、 にならなければ和積へ移る。この順が実際的です。

例:差が 0 にならない場合

で解きます。

2 乗して足すと なので です。

今度は になりません。 も要るので、和積へ移ります。

から または

のほうは から

となり、。2 乗して足した結果と合っています。

なら

確かめます。。合いました。

なら です。 を入れ替えた解になります。

式が について 対称 なので、解も入れ替えて対になります。

が解なら も解です。片方を見つけたら、もう片方は自動的に出ます。

まちがえやすい点

2 乗して足したあと、交差項を とする誤りが多い。 は差のほうです。

から と結論するとき、範囲の確認を飛ばす形もよく出ます。一般には です。

和積で割り算するとき、 の場合を捨ててしまう誤りもあります。割る前に でないかを見ます。

の範囲を書き忘れる誤りも起きます。 なら です。

出た候補を代入して確かめない形も見ます。 から出した角には、符号が合わないものが混じります。

のとき、 の値はどれですか。

__RESULT__

2 乗して足すと です。 になります。2 本の単位ベクトルの和が なので、真反対を向いているという意味で、 です。

和積の道も確かめます。

に和積を当てて割り算すると、何が出ますか。

__RESULT__

どちらの式にも が共通因子として現れます。割ると消えて、 が残ります。差のほうの情報は、2 乗して足すと出てきます。

まず 2 乗して足す。 にならなければ和積へ。角が 2 つの連立は、この順で通ります。

参考文献

Sum and Difference Identities. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax( の加法定理).
É. Bouchet. Trigonométrie, Cours de PCSI, Proposition 1.8 の証明(単位ベクトルの内積として読む見方).
Sum-to-Product and Product-to-Sum Formulas. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(和積).
$\sin x + \sin y = 1$ と $\cos x + \cos y = \sqrt{3}$ は、どちらの式にも $x$ と $y$ が混ざっていて片方を消せません。2 乗して足すと $\sin^2+\cos^2$ が 2 回まとまり、残った交差項が $\cos(x-y)$ に化けます。$2 + 2\cos(x-y) = 4$ から $x = y$。長さ $1$ のベクトル 2 本を足して長さ $2$ になるのは同じ向きのときだけ、と読んでも同じ結論です。差が $0$ にならない場合は和積へ移り、$\dfrac{x+y}{2}$ と $\dfrac{x-y}{2}$ の両方を出します。