三角形の 3 つの角のサインを足すと、正三角形で最大になる
三角形の 3 つの内角について、 の最大値は です。正三角形のときで、、およそ になります。
角は でつながっているので、3 つを別々には動かせません。1 つ止めて残りの 2 つを見るところから始めます。
2 つだけ動かしてみる
を固定します。 も で固定されますが、 と の内訳は自由です。
このとき を和積で開きます[1]。
は固定なので、前半は定数です。動くのは だけ。
の最大は で、 のときに実現します。
は と のあいだにあるので 。掛ける相手が正なので、 が最大のとき全体も最大です。
つまり を止めたまま考えると、 にそろえたときがいちばん大きい。
3 つそろう
同じことが、どの 2 つについても言えます。
を止めれば が最大、 を止めれば が最大。
最大になっている状態では、この 3 つが同時に成り立っていなければなりません。
そうでなければ、まだ大きくできる余地が残っているからです。
かつ なら 。正三角形です。
値は 。
周の長さとして読む
正弦定理を使うと、この和には別の意味が見えます[2]。
などを入れます。
分子は三角形の周の長さです。外接円の半径 を固定すれば、和は周に比例します。
つまり「外接円が同じ三角形のうち、周が最も長いのはどれか」という問題と同じこと。
答えが正三角形になるのは直観とも合っていて、いちばん丸い形がいちばん長い周を持ちます。
半径 の円なら、周の最大は 。正三角形の 1 辺 の 3 倍です。
cos の和にも同じ手
の最大も、同じ議論で出ます。
を止めて和積を当てます。。
は より小さいので 。掛ける相手が正です。
だから が最大、つまり のときに全体も最大。
3 つそろえて正三角形。値は です。
のときと符号の扱いが同じなので、議論をそのまま流用できます。
| 最大 | |
| 最大 | |
| 最大 | |
| 最大 |
どれも正三角形で最大になります。対称な式が対称な形で極値をとる、という見方もできます。
積のとき
も同じ手が使えます。今度は積和のほうです。
を止めて を開きます[3]。
は固定なので、動くのは だけ。最大は のときの 。
が正なので、掛けても向きは変わりません。やはり で最大。
3 つそろえて 。
和なら和積、積なら積和。開いてから「固定される部分」と「動く部分」に分けるのが共通の手です。

3 辺の和のとりうる範囲
外接円の半径が の三角形で、周の長さ の範囲を出します。
です。
最大は で、正三角形のときです。
最小はどうでしょう。三角形がつぶれていく形を考えます。
とすると で、。
、 なら で、和は に近づきます。
ただし にはなりません。三角形がつぶれてしまうためです。範囲は 。
最小値は存在しません。上には最大がありますが、下は限りなく に近づくだけで、そこに届く三角形がないためです。
最大はあるのに最小がないのは、つぶれた三角形が仲間に入らない からです。
、 は三角形ではありません。境目が除かれているので、そこでの値は達成されません。
まちがえやすい点
が正であることの確認を飛ばす誤りが多い。負なら不等号の向きが逆になります。
なので 。だから も も正です。
を 1 回示しただけで正三角形と結論する形もよく見ます。3 通りとも言えて初めて決まります。
の和で を使い忘れる誤りもあります。角は 3 つとも自由ではありません。
最小値を と答える誤りも起きます。三角形として成立しない位置なので、達成されません。
外接円の半径が の三角形で、周の長さの最大値はどれですか。
議論の道具も確かめます。
を固定したとき、 が最大になるのはどんなときですか。
- が最大のとき
- のとき
- のとき
和積で と開くと、 が固定なら前半は定数です。動くのは だけで、最大は のときの になります。前半が正なので、向きも変わりません。
を止めて和積で開くと が出ます。3 通りとも言えば、形は正三角形に決まります。













正弦定理より a+b+c=2(sinA+sinB+sinC) で、和の最大は 233 です。2 を掛けて 33≒5.196 になります。2π≒6.28 は円周そのもので、内接する三角形の周より長くなります。