式ひとつで三角形の形が決まる、辺と角のどちらにそろえるか
という条件だけで、三角形は の二等辺三角形に決まります。
どんな三角形でも が成り立ちます。条件式と見比べると、右辺に並ぶ 2 つの項が等しいと分かる。
も も と のあいだにあるため、 の動く範囲は から まで。この範囲で が になるのは のときだけです。
なら向かい合う辺も等しくなり、。頂点 を頂角とする二等辺三角形。
どの三角形でも成り立つ式
から 。両辺の をとると になる。右辺を加法定理でばらしたものが、冒頭で使った式です。
正弦定理は です。 と書けるので、上の式の 3 か所を辺に直す。
両辺を 倍しただけで、この式と は 1 つの同じ式です。
は図でも読めます。頂点 から へ高さを下ろす。

直角三角形 で 。同じように です。
が鈍角なら、 は線分 の外に出る。このとき が負のため、 も負になり、式はそのまま成り立つ。
条件の式から三角形の形を決める問題では、角にそろえるか辺にそろえるかを先に決めます。
例 1: を辺で解く
同じ条件を今度は辺にそろえて解く。、、余弦定理から 。
先頭の が の と打ち消し合い、 も約分される。
左辺と並べて、両辺に をかけます。
になり、辺の長さは正だから 。冒頭と同じ答えです。
例 2:
の 2 乗しか使われていない形です。 を 2 乗して入れる。
どの項も で割った形です。両辺を 倍する。
三平方の定理の形になり、 の直角三角形。 が斜辺です。
角にそろえても同じ答えにたどり着く。 を入れると、左辺は になります。
展開して整理すると 。 も も ではないので、 になる。
ただし 2 乗を展開してから でくくる手順が入る。
例 3:
正弦定理で 、 とすると、両辺の が消える。
2 倍角の公式で 。両辺を 2 倍すると になる。
と の 2 通りに分ける手もあります。片側へ寄せて和積の公式をあてれば、場合を自分で数えなくても積が の形に分かれる。
から、 を と書きかえました。積が になるため、 か のどちらかです。
で になるのは 。 で になるのは 。
答えは の二等辺三角形、または の直角三角形です。二等辺とだけ書くと、どの 2 辺が等しいかまでは伝わりません。
例 4: を辺で解く
例 3 と同じ条件に、今度は余弦定理を入れる。
両辺を 倍します。
左辺へ寄せます。 だから、 が共通の因数になる。
から 、 から 。例 3 と同じ 2 つに分かれました。
割ると答えが 1 つ消える
例 4 の最後は でした。ここで で割ると、 だけが残ります。
の三角形では です。 で割ったことになり、二等辺三角形の答えは消えている。
積が という形のままにすれば、 と が並んだまま残る。
角にそろえた場合も同じです。例 3 の を で割れば、 が落ちる。
例 5:形が決まらない式
が条件として与えられたとします。
右辺は加法定理で にまとまる。 だから 。
左辺と右辺はいつでも等しく、形は 1 つに絞られません。すべての三角形が条件を満たします。
条件式が恒等式そのものだと、この形になる。 を辺のまま与えられたときも変わりません。
式を見てどちらにそろえるか決める
を に置きかえると、 がどの項にもついてきます。 だけで書かれた式なら、両辺を 倍すれば 、、 だけの式になる。 が 2 乗のときは 倍になる。
の混ざる式を辺に直すと、余弦定理の分数が入って次数も上がる。角にそろえるほうは、加法定理や 2 倍角で角の個数が減っていく。
と見比べる。加法定理で を消し、2 倍角と和積で の積を 1 つの にまとめる
と見比べる。正弦定理と余弦定理で 、、 だけの式にして、因数分解する
条件式に cos が混ざるかどうかを見る
sin だけなら正弦定理で辺にそろえる
cos が混ざるなら角にそろえて加法定理か 2 倍角をあてる
積が 0 の形まで因数分解して、等しい辺と角を読む
ここまでの例を並べます。
| 恒等式の右辺の 2 項が等しいと読む | |
| 辺に直し、両辺を 倍する | |
| 2 倍角と和積で へ | |
| 同じ式を辺にそろえると | へ |
| と同じ式 | 恒等式なので形は決まらない |
を満たす三角形はどれですか。
- の二等辺三角形
- の直角三角形
- 正三角形
を満たす三角形はどれですか。
- の二等辺三角形だけ
- の二等辺三角形、または の直角三角形
- すべての三角形
正弦定理で 、移項して なので だけが残ります。例 3 の は辺と角の文字がそろっているため になり、そちらは 2 通りに分かれます。
の積を 1 つの にまとめるか、、、 だけの式にして因数分解するか。どちらも を書き直しているところは同じです。












sin の 2 乗だけなので辺に直します。4R2a2+4R2b2=4R2c2 の両辺を 4R2 倍すると a2+b2=c2 になり、c を斜辺とする直角三角形です。