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tan のグラフと周期 π|漸近線でちぎれる関数

のグラフは、1 本につながっていません。等間隔にちぎれています。

や が滑らかに続くのとは、見た目からして別物です。

理由は定義にあります。 なので、 の場所では値がない[1]。

そこに縦の漸近線が立ち、グラフはそこで切れて次の区間へ移ります。

周期も違います。 と が で戻るのに対し、 は で戻る。

半周で戻る理由

の点と の点は、原点について対称の位置にあります。

座標でいえば と 。両方の符号が変わります。

はこの 2 つの比です。。

分母分子で符号が打ち消し合って、値が変わりません[2]。

や は片方の符号しか使わないので、こうはなりません。比をとる だけの性質です。

だから の周期は 。 ではなく、その半分で足ります。

漸近線は π ごとに立つ

になるのは 、、 など。

まとめて書けば です。 は整数[1]。

この位置に縦の漸近線が立ちます。グラフは近づきますが、決して触れません。

漸近線と漸近線のあいだが 1 区間で、幅は 。ここに周期 が現れています。

区間の中では、グラフは左下から右上へ上がり続けます。 から まで、途切れずに。

定義域は 、値域はすべての実数です[1]。

や に値域の壁があるのと対照的。 には上限も下限もありません。

sin と cos

定義域は実数全体。値域は から 。周期 でグラフは 1 本につながる

tan

定義域に穴がある。値域は実数全体。周期 で、漸近線ごとにちぎれる

区間の中では増え続ける

から の区間を見ます。ここで は増加し続けます。

単位円で確かめられます。 の縦線を引き、原点と円上の点を結ぶ直線が切る高さが でした。

角が大きくなるほど直線は反時計回りに倒れ、切る高さは上がっていきます。

に近づくと直線がほぼ縦になり、交点は上へ飛んでいく。だから値が際限なく大きくなります。

側では逆に下へ飛ぶ。区間の両端で と につながっています。

増え続けるので、この区間では同じ値が 2 回出てきません。1 対 1 に対応します。

平行移動と伸縮

は、 を右へ 動かした形です。

漸近線も一緒に動きます。中身が になる を探す。

から 。 ぶん右へずれました。

なら横に 倍に縮みます。周期は 。

一般形は で、周期は です[1]。

や の と違い、分子が になります。もとの周期が だからです。

は振幅ではありません。 に値域の壁がないので、縦に伸ばしても「高さ」が決まらない。

の は、振幅ではなく傾きの目安 です。

の近くでの上がり方が 倍になる、と読みます。 には最大値も最小値もないので、振幅という量が定義できません。

値から角を拾う

を で解きます。

の周期が なので、この範囲には解が 2 つ入ります。

が 1 つ。もう 1 つは を足して 。

や の方程式では、2 解が 軸や 軸について対称に並びました。 では原点対称です。

範囲の指定がなければ とまとめます。 ではありません。

は、 がどんな実数でも必ず解を持ちます。値域が実数全体だからです。

が解なしになるのとは違います。 にも にも解がある。

まちがえやすい点

周期を とする誤りが最も多い。 だけ です。

一般解を と書く誤りも、同じ原因から出ます。 が正しい。

漸近線を とする誤りもよく見ます。立つのは が になる のほうです。

の周期を とする形も起きます。分子は なので 。

グラフを漸近線でつないで 1 本に描く誤りもあります。値が飛んでいるので、つながりません。

の周期はどれですか。

__RESULT__

の周期は です。 なので になります。 は や の公式を当てた値で、 のもとの周期が である点を落としています。

漸近線の位置も確かめます。

の漸近線はどれですか。

__RESULT__

中身が になる を探します。 から です。もとの漸近線 が、左へ 動いた位置になります。

比をとるから符号が消え、 が になるから切れる。 のグラフの特徴は、この 2 つから出ます。

出典

Graphs of the Other Trigonometric Functions. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(周期 、漸近線、値域、).
É. Bouchet. Trigonométrie, Cours de PCSI, Définition 1.3 と Proposition 1.5( の定義、、タレスの定理による作図).
$y = \tan x$ のグラフは 1 本につながっていません。$\cos x = 0$ の場所では値がないので、$x = \dfrac{\pi}{2} + n\pi$ に縦の漸近線が立ち、そこで切れます。周期が $\pi$ で足りるのは、$\theta$ と $\theta+\pi$ の点が原点について対称で、比をとると分母分子の符号が打ち消し合うから。$\sin$ や $\cos$ は片方の符号しか使わないのでこうはなりません。値域に壁がないので $A$ が振幅にならない理由、周期が $\dfrac{\pi}{|B|}$ と分子が $\pi$ になる理由、一般解が $2n\pi$ ではなく $n\pi$ になる理由まで。