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English

cos nθ が cosθ の n 次式になる(多項式に化ける三角関数)

どちらも だけの式になっています。 が 1 つも残りません。

これは偶然ではありません。 は、どんな でも 次式になります。

と置けば、

三角関数が多項式に化ける。この事実は、次数の低いところを作るだけで確かめられます。

1 つ前と 2 つ前でつながる

作り方の鍵は、和積の 1 本にあります[1]

を入れた形です。

平均が 、差の半分が になります。

移項すると、 が 1 つ前と 2 つ前で書けます。

次式で、 次式なら、右辺は 次式です。

を掛けると次数が 1 上がるためです。出発点は

数学的帰納法の形がそろいました。 次式になることが、これで示せます。

順に作ってみる

からたどります。 と書くことにします。

の式と合っています[2]

。3 倍角の公式です。

検算します。 なら で、どの になるはずです。

。合いました。

先頭の係数を並べると です。

漸化式で毎回 を掛けるので、 が 1 つずつ積み上がります。

sin のほうはどうか

には が残ります。 だけの式にはなりません。

はなります。 が奇数のときだけ、 の多項式になる。

理由は偶奇にあります。 なので、 は同じ値です。

が偶数だと となり、符号が変わります。

同じ入力に違う出力が対応するので、 だけの式では書けません。

にはこの問題が起きません。 で、 も成り立つためです。

cos の場合

どんな でも 次式になる。偶関数どうしなので矛盾が出ない

sin の場合

が奇数のときだけ の多項式になる。偶数では符号の食い違いが起きる

方程式の解が cos の値になる

を解きます。 と同じことです。

から

に戻すと、解は の形になります。 から までで 個。

で確かめます。 から 、解は

公式では 。一致しました。

次方程式が 個の実数解を持ち、しかもすべて のあいだにある。めずらしい多項式です。

cos 20 度が満たす方程式

を入れます。 です。

両辺を 2 倍して がこの方程式の解です。

を入れても になりません。分数の解を持たない 3 次方程式です。

の値が根号で書けるのに、 が書けない。その境目が、この方程式に現れています。

同じ手で も出せます。 なので、どちらも

の解が の 3 つです。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… ldRows[index][0] …)

値が -1 と 1 のあいだに収まる

次式なので、 を大きくすればいくらでも大きくなります。

ところが に限ると、値も のあいだから出ません。

と書けるので、 になるためです。 の値域そのもの。

は、先頭の係数が もあります。それでも を超えません。

。ぎりぎり に届いて、そこで止まります。

高い次数の項と低い次数の項が、うまく打ち消し合っている。多項式としては特別な性質です。

のあいだで暴れないことは、近似の道具 としての価値につながります。

高校では扱いませんが、関数を多項式で近づけるときにこの性質が使われます。ここでは の書き換えとして見ておけば足ります。

まちがえやすい点

漸化式の符号をまちがえる誤りが多い。 で、引き算です。

を作るとき だけで止める形もよく見ます。 を引くところまでが 1 手です。

の多項式になると思い込む誤りもあります。奇数のときだけです。

の解を求めるとき、 の範囲を書き忘れる形も起きます。 から までで 個。

と置いたあと、 の範囲を落とす誤りもあります。 です。

を計算するとどれになりますか。

__RESULT__

から を引きます。 です。 を入れると で、 と合います。

方程式の解も確かめます。

の解の 1 つはどれですか。

__RESULT__

です。 すなわち なので から になります。 を入れても にはなりません。

和積の 1 本から漸化式が出て、そこから 次式が積み上がる。三角関数と多項式をつなぐ橋です。

参考文献

Sum-to-Product and Product-to-Sum Formulas. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax( の和積).
Double-Angle, Half-Angle, and Reduction Formulas. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax().
$\cos 2\theta = 2\cos^2\theta - 1$ にも $\cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta$ にも $\sin$ が残りません。偶然ではなく、$\cos n\theta$ はどんな $n$ でも $\cos\theta$ の $n$ 次式になります。鍵は和積の 1 本で、$\cos(n+1)\theta = 2\cos\theta\cos n\theta - \cos(n-1)\theta$。$2x$ を掛けるので次数が 1 ずつ上がり、先頭の係数は $2^{n-1}$ になります。$\sin$ が奇数のときしか多項式にならない理由、$8x^3-6x-1=0$ の解が $\cos 20^\circ$ になる仕組み、$n$ 個の解がすべて $\cos$ の値になる話まで。