周期は最小公倍数で決まる、sin 2x + cos 3x のグラフ
の周期は です。 でも でもありません。
だけなら周期は 、 だけなら 。足した瞬間、どちらとも違う値になります。
両方が同時にもとへ戻る幅を探すことになるので、最小公倍数を計算します。
周期とは何か
関数 について、すべての で が成り立つ正の数 を周期と呼びます[1]。
が周期なら も も周期です。 ずつずらしても戻るので、何回ずらしても戻る。
ふつう「周期」と言えば、そのうち最も小さいものを指します。
なら 、、 がすべて条件を満たしますが、周期は です。
和の周期は最小公倍数
の周期を 、 の周期を とします。 が ずらして戻るには、両方が同時に戻る必要があります。
が の倍数であり、同時に の倍数でもある。つまり と の公倍数です。
いちばん小さいものを探すので、最小公倍数になります。
と の最小公倍数を出します。どちらも の何倍かで書けるので、係数だけ見ればよい。
と の最小公倍数です。分数の最小公倍数は、分子の最小公倍数を分母の最大公約数で割ります。
なので、答えは 。
例:分母がそろわない場合
の周期を出します。
の周期は 。 は です。
の係数で見ると と 。最小公倍数は なので、周期は 。
確かめます。 で は 周ぶん、 で 周ぶん。どちらも整数周です。
で個別の周期を出し、 の係数の最小公倍数をとる。手順はいつも同じです。
| 周期 | |
| 周期 | |
| 周期 | |
| 周期 | |
| 周期 |
が混ざる場合も同じです。 の周期は 、 は なので、最小公倍数は 。
周期が存在しないこともある
には周期がありません。
の周期は 、 は です。
公倍数があるためには、 を満たす正の整数 、 が要ります。
整理すると 。左辺は無理数、右辺は有理数なので、成り立ちません。
2 つの周期の比が有理数でなければ、共通の周期は作れない。グラフは似た形を繰り返しますが、完全には戻りません。
周期の比が無理数の和は、いくら進んでも同じ形に戻らない 曲線を描きます。
準周期的と呼ばれる振る舞いです。高校では扱いませんが、周期が最小公倍数で決まる理由を裏から照らしてくれます。
見落としやすい形
の周期は ではありません。 です。
半角で直すと分かります。。中身が なので周期は [2]。
2 乗すると負の部分が正になり、山が 2 倍の頻度で現れます。だから周期が半分になる。
も同じで周期は 。折り返して負を消した形です。
も なので 。積の形は、開いてから周期を読みます。
そのまま と答えると外れます。式を変形してから を見る、という順を守ります。

グラフの描き方
を描くなら、まず から の 1 周期ぶんだけを丁寧に描きます。
あとはそれを左右にコピーすれば完成です。周期が分かっていれば、描く範囲を絞れる。
1 周期の中では、2 つの成分を足し合わせます。同じ での高さを縦に足していく。
山と山が重なるところで大きくなり、山と谷が重なるところで打ち消し合います。
は 1 周期に山が 2 つ、 は 3 つ。合わせて複雑な形になりますが、 ごとに必ず同じ形へ戻ります。
まちがえやすい点
個別の周期のうち大きいほうを答える誤りが最も多い。 と なら ではなく です。
最大公約数と最小公倍数のとり違えもよく起きます。周期は公倍数のほう。
の周期を とする誤りも根強い。半角で直してから読みます。
のような積を、和と同じ扱いにする誤りもあります。積和で開いてから判断します。
周期の比が無理数の場合に、むりに公倍数を出そうとする形も見ます。存在しないこともあります。
の周期はどれですか。
変形が要る形も確かめます。
の周期はどれですか。
と直します。中身が なので周期は です。 のままの周期 の半分になります。
個別の周期を で出し、 の係数の最小公倍数をとる。2 乗や積は先に開きます。













cos4x の周期は 42π=2π、sin6x は 62π=3π です。π の係数 21 と 31 の最小公倍数は gcd(2,3)lcm(1,1)=1 なので、周期は π になります。