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sinθ + cosθ の値ひとつから積も差も 3 乗も出る〜対称式

と言われたら、 も も分かりません。

それでも は出ます。 です。

3 乗の和も 4 乗の和も出る。個々の値を知らないまま、組み合わせた量だけが決まります。

鍵は が最初から手元にあることです。ふつうの対称式より 1 本多く材料があります。

2 乗すると積が出る

と置きます。両辺を 2 乗する。

が に化けました[1]。残るのは積の項だけ。

と書けば です。

なら 。

が負なので、 と は符号が違います。和が正なので、絶対値の大きいほうが正。

この時点で が第 2 象限か第 4 象限かに絞れています。値を出す前に、位置が見えてきます。

差は符号が決まらない

も 2 乗すれば出ます。今度は真ん中の項が引き算になる。

平方根をとって 。

が付いたまま残ります。2 乗した情報からは、どちらが大きいかが分からないためです。

決めるには の範囲が要ります。 なら なので差は正。

範囲が与えられていなければ、両方を答えます。和と違い、差は対称式ではないので符号が残る。

和と積

と を入れ替えても変わらない。対称式なので符号が決まる

差

入れ替えると符号が反転する。交代式なので、範囲がないと が残る

3 乗も 4 乗も出る

は、因数分解の公式で と に落ちます。

で、 なので次の形。

4 乗の和は すら要りません。 だけで書けます。

。

なので 。

偶数乗の和は の偶数乗で書けるので、 の符号にも左右されません。

最後の 1 本も同じ発想です。通分すると 。

s のとれる値には限りがある

は好きな値をとれません。合成すると理由が見えます[2]。

の値は から なので、 です。

という問題が出たら、その時点で解なし。 だからです。

の範囲も決まります。 に を入れて 。

なので、 の範囲から直接読んでも同じ結果です。

積から和へ戻す

逆向きも解けます。 のとき を求めます。

なので 。

で、 より小さい。範囲に収まっています。

符号は決まりません。 なので と は同符号ですが、両方正か両方負かは分からない。

第 1 象限なら は正、第 3 象限なら負です。範囲の指定がなければ両方を答えます。

値そのものを復元する

と が分かれば、 と は 2 次方程式の解として出ます。

和が 、積が の 2 数は の解です。

、 なら 、両辺を 8 倍して 。

解の公式から 。

と です。

どちらが かは、範囲を見て決めます。 なら が正なので 。

和と積から 2 数を復元するのは、解と係数の関係 を逆に使う手です。

の 2 解が、ちょうど と になります。どちらがどちらかは、範囲が決めます。

方程式として解く

を で解きます。今度は そのものが答えです。

合成して 、つまり 。

範囲を動かします。。

が になるのは と 。両方この範囲に入ります。

を引いて 。

確かめます。 なら 、 なら 。どちらも合っています。

まちがえやすい点

2 乗したとき を使い忘れる誤りが多い。 を展開したら、必ずこの置き換えが入ります。

差の を勝手に片方に決める誤りも起きます。範囲がなければ両方残します。

の範囲を確かめずに進む形も見ます。 なら、そもそも解がありません。

を とする誤りもよくあります。 を引いてから 2 で割ります。

3 乗の和で の真ん中の符号をまちがえる形もあります。 であって ではない。

のとき、 はどれですか。

__RESULT__

です。 になります。 は を引き忘れた値です。 が負なので、 と は符号が違うと分かります。

3 乗のほうも確かめます。

のとき、 はどれですか。

__RESULT__

です。 になります。 は か の一方が という意味で、 または 。どちらでも 3 乗の和は です。

2 乗して に化けさせる。和から積が出れば、あとの量はすべてそこから組み立てられます。

参考

É. Bouchet. Trigonométrie, Cours de PCSI, Prérequis と Proposition 1.9( と 2 倍角).
Harmonic Addition Theorem. MathWorld(合成の振幅が になること).
$\sin\theta + \cos\theta = \dfrac{1}{2}$ だけでは個々の値は分かりませんが、$\sin\theta\cos\theta = -\dfrac{3}{8}$ は出ます。2 乗すると $\sin^2 + \cos^2$ が $1$ に化けて、積の項だけが残るから。ふつうの対称式より材料が 1 本多い。差のほうは交代式なので $\pm$ が残り、範囲がなければ決まりません。$s$ が $\sqrt{2}$ を超えられない理由は合成すれば見えます。$x^2 - sx + p = 0$ を解いて $\sin\theta$ と $\cos\theta$ そのものを復元する手順と、どちらがどちらかを範囲で決める話まで。