ガウス曲率は第一基本形式と第二基本形式の 6 つの数から出せる
ガウス曲率は つの数から出ます。第一基本形式の と、第二基本形式の です。
半径 の球面なら 、円柱なら 、トーラスなら場所によって符号が変わる。順に計算します。
出すのは 2 つの数
曲面の各点で、方向を変えながら曲がり具合を測ると、最大値と最小値が現れます。これを主曲率 、 といいます。
が平均曲率です[2]。 は曲面の内側だけで決まり、 は外の空間への入り方で決まります。
第一基本形式
曲面を とパラメータ表示します。 と が接ベクトルです。
内積を並べたものが第一基本形式の係数になります[3]。
線素は 。曲面に入る計量そのものです。
正則なら 。分母になるので、この値は になりません。
単位法ベクトル
第二基本形式には法線が要ります。外積で作ります。
なので、分母は計算済みの値が使えます。
向きを逆にとると の符号がそろって反転します。 は 次なので変わらず、 だけ符号が変わる。
第二基本形式
偏微分の順序が交換するので は 通りです[5]。第二基本形式は対称になります。
意味としては法曲率を測っています。曲面上の曲線の加速度のうち、法線方向の成分です[5]。
同じ接方向をもつ曲線は、どれも同じ法曲率になります[5]。だから方向だけの関数として扱えます。

例:半径 a の球面
とします。
微分すると 、 で、たがいに直交します。
法線は (内向き)にとります。 階微分と組むと 、、。
どの点でも同じ値です[4]。半径が大きいほど平らに近づく、という感覚と合っています。
例:円柱
をとります。、、。
外向き法線は 。 なので 。
なので 。分子が になります。
曲がって見えるのに 。紙を丸めただけで、伸び縮みがないからです[4]。展開可能面と呼ばれます。
例:トーラス
、 とします。
、、。第二基本形式は 、、。
符号は だけで決まります。外側の赤道 で 。
内側の では 。上下の でちょうど [4]。
例:グラフで表された曲面
の形なら、公式がもっと短くなります[1]。
分子はヘッセ行列の行列式です。臨界点では分母が になり、 がそのままヘッセ行列式になります。
平均曲率も書けます[2]。
例:放物面と鞍面
の原点で計算します。、、。
の原点では 、 なので 。
椀の形なら正、鞍の形なら負。 つの主方向が同じ側へ曲がるか、反対側へ曲がるかで決まります[4]。
例:懸垂面
をとります。石鹸膜の形です。
計算すると になります。平均曲率が消える曲面が極小曲面です[2]。
なら なので、。極小曲面のガウス曲率は正になりません[2]。
主曲率に戻す
と が出れば、主曲率は 次方程式の解として求まります。
根号の中は なので、いつでも 以上です[2]。
等号になるのは の点、つまり臍点です。球面ではどの点も臍点になります。

驚異の定理
ここまで を第二基本形式から出しました。ところが は第一基本形式だけで決まります[1,3,4]。
Gauss の驚異の定理です。曲げても伸ばさない変形では が変わりません。
円柱の が平面と同じなのはこのためです。紙を丸めても、紙の上の長さは変わらない。
逆に、球面を平面に広げることはできません。 が違うので、長さを保つ写像が存在しない。地図に必ず歪みが出る理由です。
直交座標での近道
にとれる座標では、第一基本形式だけで書ける短い式があります[4]。
法線も第二基本形式も要りません。計量だけを見れば済みます。
例:球面でもう一度
、 として 、 を入れます。。
なので第 1 項は消えます。 なので、次のようになる。
第二基本形式から出した値と一致しました。
検算のしかた
出た値が正しいかどうかは、 つの見方で確かめられます。
の次元は長さの 乗です。半径 の球面なら のように、必ず長さの 乗が分母に来ます。単位が合わなければ計算違いです。
極限をとる方法もあります。トーラスで とすると で、細い円柱に近づく。
主曲率に戻して直接確かめる手もあります。 と の両方が合えば、まず間違いありません。
円柱のガウス曲率が になる理由として正しいのはどれですか。
- 円柱がどこでも平らだから
- 第二基本形式の 2 つの主曲率のうち片方が だから
- 法線の向きを選び直すと符号が消えるから
を作り、法線を作り、 を作る。分数を 本組めば、どの曲面でも同じ手順で が出ます。











母線の方向には曲がっていないので κ2=0、円周の方向には κ1=−1/a です。積が 0 になります。平均曲率は −1/(2a) で 0 ではないので、円柱は平らではありません。