正の整数 n に対して,関数 f_n(x) を,f_n(x) = e^{-x}x^n とおく。以下では,\displaystyle\lim_{x \to \infty} f_n(x) = 0 であることは証明せずに用いてよい。
(1) n \geqq 2 とする。x > 0 の範囲において,関数 f_n(x) の最大値,およびそのグラフのすべての変曲点の x 座標を求めよ。
(2) 正の実数 r に対して,a_n = \displaystyle\int_0^r f_n(x)\,dx とおくとき,数列 \{a_n\} の漸化式を求めよ。
(3) (2)の a_n を a_n(r) と書くとき,極限 \displaystyle\lim_{r \to \infty} a_n(r) を求めよ。
積の微分で f_n'(x) = -e^{-x}x^n + e^{-x} \cdot nx^{n-1} となり、e^{-x}x^{n-1} でくくると次の形になる。
f_n'(x) = e^{-x}x^{n-1}(n - x)
x > 0 では e^{-x}x^{n-1} > 0 なので、符号は n - x で決まります。0 < x < n で増加し、x > n で減少するから、最大値は x = n のときの f_n(n) = n^ne^{-n} です。
図は n = 2,\ 3,\ 4 のグラフを順に描いたもの。どの n でも山の頂上は x = n の位置にある。
f_n'(x) = e^{-x}(nx^{n-1} - x^n) をもう一度微分すると、e^{-x} の微分とかっこの中の微分の 2 つの項が現れます。整理すると次の式になる。
\begin{aligned} f_n''(x) &= e^{-x}\{x^n - 2nx^{n-1} \\ &\qquad + n(n-1)x^{n-2}\} \end{aligned}
x^{n-2} でくくると、かっこの中は x の 2 次式です。
f_n''(x) = e^{-x}x^{n-2}\{x^2 - 2nx + n(n-1)\}
x > 0 では e^{-x}x^{n-2} > 0 で、n = 2 のときも x^0 = 1 だから正。x^2 - 2nx + n(n-1) = 0 の解は x = n \pm \sqrt{n^2 - n(n-1)} = n \pm \sqrt{n} で、f_n''(x) はこの 2 か所で符号を変えます。
n \geqq 2 では \sqrt{n} > 1 なので n = \sqrt{n} \cdot \sqrt{n} > \sqrt{n} となり、小さいほうの n - \sqrt{n} も正の範囲に含まれる。変曲点の x 座標は n - \sqrt{n} と n + \sqrt{n} です。図の黄色の部分が上に凸、その両側が下に凸で、境目の 2 点が変曲点にあたる。
a_{n+1} = \displaystyle\int_0^r x^{n+1}e^{-x}\,dx で、e^{-x} を -e^{-x} の導関数とみて部分積分します。
\begin{aligned} a_{n+1} &= \left[-x^{n+1}e^{-x}\right]_0^r \\ &\quad + (n+1)\displaystyle\int_0^r x^ne^{-x}\,dx \end{aligned}
かっこの値は x = r で -r^{n+1}e^{-r}、x = 0 で 0 です。右の積分は a_n そのものだから、次の漸化式が成り立つ。
a_{n+1} = (n+1)a_n - r^{n+1}e^{-r}
はじめの項 a_1 = \displaystyle\int_0^r xe^{-x}\,dx も同じ部分積分で計算でき、a_1 = -re^{-r} + (1 - e^{-r}) となる。まとめると a_1 = 1 - (r+1)e^{-r} で、これと上の式で数列 \{a_n\} が決まります。
図の塗った部分の面積が a_3 で、r を動かすと右端の位置が変わる。
問題文にある \displaystyle\lim_{x \to \infty} f_n(x) = 0 から、r \to \infty のとき r^ne^{-r} \to 0 です。e^{-r} \to 0 でもあるため、a_1(r) = 1 - re^{-r} - e^{-r} は 1 に近づく。
a_n(r) が b_n に収束するなら、漸化式の右辺の極限は (n+1)b_n - 0 で、a_{n+1}(r) も (n+1)b_n に収束します。b_1 = 1 から数学的帰納法で順に進むと b_2 = 2、b_3 = 6 となり、一般に次の値になる。
\displaystyle\lim_{r \to \infty} a_n(r) = n!
図は a_1(r)、a_2(r)、a_3(r) のグラフで、r を大きくすると高さ 1、2、6 の破線に近づいていきます。